大学連携・産学連携|地方の中小企業が知っておくこと
求人を出せば応募が来た時代の設計のまま、媒体だけを増やしている会社は多い。工数は増えるのに結果が変わらないのは、やり方ではなく前提が古いためである。
このテーマの前提
研究室や学部との関係は、採用活動としてではなく事業の一部として作るほうが続く。
仕組みを理解するだけでは何も変わらない。自社が何を変えるかという形に置き換えて、ようやく使える知識になる。
企業側から見た影響
このテーマは、母集団の量と、学生が会社を選ぶときの判断軸の両方に影響する。どちらに効いているかを分けて考えたい。
量に効いているなら接点を増やす打ち手、判断軸に効いているなら伝える内容を変える打ち手になる。混ぜると空振りする。
ここでの話は、あくまで判断の材料である。最終的にどうするかは、自社が確保できる人手と予算のなかで決めることになる。
押さえておく観点
実務に落とすとき、この観点を押さえておきたい。
- 学校との接点が担当者個人に依存していないかどうか
- 採用以外の接点(共同研究・技術相談)があるかどうか
- 関係づくりを複数年の計画として持っているかどうか
- 学校に提供できる情報を整理できているかどうか
自社でできること
構造そのものは一社では変えられない。変えられるのは、その構造のなかで自社がどう見えるかである。
まずは、いま自社が出している情報のうち、このテーマに関わる部分を確認したい。書かれていないことが、そのまま伸びしろになる。
大学連携・産学連携を自社の言葉にする
研究室や学部との関係は、採用活動としてではなく事業の一部として作るほうが続く。
自社の話に落とすときは、学校との接点が担当者個人に依存していない、採用以外の接点(共同研究・技術相談)がある、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、関係づくりを複数年の計画として持っているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「制度や補助金があるから大丈夫」という前提で採用計画を組むのは危うい。要件も金額も年度ごとに変わるため、制度がなくても成立する計画を先に作っておきたい。
「地方で働きたい学生は少数派だから狙う意味がない」というのも、数え方の問題である。全体に占める割合が小さくても、自社が必要とする人数から見れば十分な母数であることは珍しくない。
「地域の魅力を伝えれば来てくれる」というのも単純すぎる。地域の話が会社の話にすり替わっていると、結局その会社で働く理由が伝わらない。
自社に当てはめて考える
ここからは自社の話になる。社内で答えが揃わない項目があれば、そこが手をつける場所だと考えてよい。
- 学校との接点が担当者個人に依存していないかどうか
- 採用以外の接点(共同研究・技術相談)があるかどうか
- 関係づくりを複数年の計画として持っているかどうか
- 学校に提供できる情報を整理できているかどうか
答えられなかった項目のうち、最も影響が大きそうなものを一つだけ選び、いつまでに誰がやるかを決める。ここまで決めて初めて、点検が実行につながる。
よくある質問
Q. 採用ページに書く内容が思いつきません。
このテーマに関わる情報のうち、いま自社が出していないものを洗い出すところから始めます。書かれていないから比較されないのではなく、判断材料がないから候補から外れている、という状態が多くあります。
Q. 自治体の制度は使えますか。
年度ごとに要件が変わるうえ、申請の工数もかかります。使えたら加点という位置づけにして、制度がなくても成立する採用計画を先に組んでおくほうが安全です。
Q. まず誰に相談すればいいですか。
社内では、配属先の上長と経営層です。採用担当だけで決められる範囲を超える判断が必ず出てきます。外部に相談する場合も、この2者の意向が整理されている前提で話すほうが早く進みます。
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この記事のまとめ
うまくいっている会社が特別なことをしているとは限らない。当たり前のことを、学生から見て分かる形で言語化できているかどうかの差であることが多い。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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