大学連携・産学連携|学生にどう伝えるか、具体まで落とす
学生が知りたいのは会社の実績ではなく、自分がそこで何をするかである。この一点に答えていない情報は、どれだけ量があっても判断材料にならない。
抽象語では伝わらない
「暮らしやすい」「働きやすい」といった言葉は、学生の判断材料にならない。どの会社も同じことを書いているためである。
研究室や学部との関係は、採用活動としてではなく事業の一部として作るほうが続く。
数字と場面で書く
所要時間、家賃、休日の過ごし方。数字と具体に置き換えて、ようやく判断材料になる。
採用以外の接点(共同研究・技術相談)があるかどうかという点も、金額や頻度まで書くと印象が変わる。制度の有無だけでは伝わらない。
ただし、これは一般的な傾向であって、自社の業種・地域・過去の採用実績によって最適解は変わる。数字を持っている会社は、必ず自社の実績を優先して判断してほしい。
不利な情報も出す
書きにくい条件を伏せておくと、選考の終盤で辞退の理由になる。先に出せば対象は絞られるが、歩留まりは上がる。
出し方には工夫がある。事実を並べ、それに会社がどう向き合っているかを添えると、正直さと配慮の両方が伝わる。
書く場所
募集要項、採用ページ、スカウト文面、面接での説明。同じ内容を複数の場所で一貫して伝えたい。
場所によって書いてあることが違うと、学生は不安になる。まず一箇所に正しく書いて、他はそこを参照する形にするのが扱いやすい。
大学連携・産学連携を自社の言葉にする
研究室や学部との関係は、採用活動としてではなく事業の一部として作るほうが続く。
自社の話に落とすときは、学校との接点が担当者個人に依存していない、採用以外の接点(共同研究・技術相談)がある、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、関係づくりを複数年の計画として持っているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「地方で働きたい学生は少数派だから狙う意味がない」というのも、数え方の問題である。全体に占める割合が小さくても、自社が必要とする人数から見れば十分な母数であることは珍しくない。
「地域の魅力を伝えれば来てくれる」というのも単純すぎる。地域の話が会社の話にすり替わっていると、結局その会社で働く理由が伝わらない。
「他社の取り組みを調べてから決める」という進め方も、度が過ぎると動き出せない。前提が違えば効く打ち手も違うので、自社の条件から考えたほうが早い。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 学校との接点が担当者個人に依存していないかどうか
- 採用以外の接点(共同研究・技術相談)があるかどうか
- 関係づくりを複数年の計画として持っているかどうか
- 学校に提供できる情報を整理できているかどうか
答えられなかった項目のうち、最も影響が大きそうなものを一つだけ選び、いつまでに誰がやるかを決める。ここまで決めて初めて、点検が実行につながる。
よくある質問
Q. このテーマは自社にも当てはまりますか。
地域や業種によって影響の大きさは変わります。昨年の選考で、このテーマに関わる理由の辞退があったかどうかを確認するのが、いちばん確実な判断材料になります。
Q. 地方であること自体が不利ではないですか。
条件によります。通勤時間と住居費は、都市部の企業が給与で追いつけない領域です。不利な部分と有利な部分を分けて、有利な側を金額で示せているかを確認したいところです。
Q. 同業他社も同じことを言っています。
同じ言葉を使っていても、具体の粒度で差がつきます。制度の有無ではなく金額と条件、雰囲気ではなく実際の一日。ここまで落とせている会社は多くありません。
あわせて読みたい
- 採用に使える補助金・助成金|制度は要件が細かく、申請の工数もかかる。
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この記事のまとめ
ここまでの内容は、どれも一度決めれば終わりというものではない。毎年の採用のなかで結果を見ながら調整していく前提で、まずは仮でよいので決め切ることをすすめたい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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