大学連携・産学連携|企業がやりがちな失敗
新卒採用は育成前提の投資である。いま欠けている人手を埋める発想のままだと、求める人物像も、伝えるべき将来像も決まらない。
構造の話で終わる
テーマを理解しても、自社の打ち手に翻訳していなければ何も変わらない。知識として持っているだけでは採用の成果にならない。
研究室や学部との関係は、採用活動としてではなく事業の一部として作るほうが続く。
一般論をそのまま持ち込む
事例の表面だけをなぞっても効かない。規模も業種も地域も違えば、効く手は別のものになる。
自社の場合はどうかを確認するために、関係づくりを複数年の計画として持っているかどうかという点から見直すとよい。
ただし、これは一般的な傾向であって、自社の業種・地域・過去の採用実績によって最適解は変わる。数字を持っている会社は、必ず自社の実績を優先して判断してほしい。
伝える相手を絞らない
全員に届けようとすると、誰にも届かない文章になる。このテーマに関心のある層に絞って書くほうが、結果的に反応は増える。
絞ることで応募が減るのを恐れる気持ちは分かるが、減るのは最終的に辞退したはずの層である。
確認しておきたいこと
取り組む前、あるいは見直すときに、次の点を確認したい。
- 学校との接点が担当者個人に依存していないかどうか
- 採用以外の接点(共同研究・技術相談)があるかどうか
- 関係づくりを複数年の計画として持っているかどうか
- 学校に提供できる情報を整理できているかどうか
大学連携・産学連携を自社の言葉にする
研究室や学部との関係は、採用活動としてではなく事業の一部として作るほうが続く。
自社の話に落とすときは、学校との接点が担当者個人に依存していない、採用以外の接点(共同研究・技術相談)がある、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、関係づくりを複数年の計画として持っているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「構造の問題だから自社にできることはない」という結論は、少し早い。構造そのものは変えられないが、その構造のなかで自社がどう見えるかと、誰に情報を届けるかは変えられる。
「学生は条件だけで選んでいる」という見方も、実態とは違う。条件は比較の入口として効くが、最後に決め手になるのは、入社後の自分を具体的に想像できたかどうかであることが多い。
「このテーマは大企業の話」と切り分けてしまうのは惜しい。規模が小さい会社のほうが、決めたことをすぐ実行に移せるぶん、手を打ちやすい面もある。
自社に当てはめて考える
次の項目は、採用担当だけでは答えられないものを含んでいる。配属先の上長と一緒に確認するほうが早く埋まる。
- 学校との接点が担当者個人に依存していないかどうか
- 採用以外の接点(共同研究・技術相談)があるかどうか
- 関係づくりを複数年の計画として持っているかどうか
- 学校に提供できる情報を整理できているかどうか
答えられなかった項目のうち、最も影響が大きそうなものを一つだけ選び、いつまでに誰がやるかを決める。ここまで決めて初めて、点検が実行につながる。
よくある質問
Q. 学生に伝わる書き方が分かりません。
抽象語を一つ減らして、金額・時間・頻度のどれかに置き換えます。「暮らしやすい」ではなく「通勤15分、家賃は月◯万円台」と書けたとき、初めて比較の材料になります。
Q. 対応すると費用がかかりませんか。
費用がかかる打ち手と、書き方を変えるだけの打ち手があります。まずは後者から確認したいところです。情報を出していないことが原因なら、費用はかかりません。
Q. 地方であること自体が不利ではないですか。
条件によります。通勤時間と住居費は、都市部の企業が給与で追いつけない領域です。不利な部分と有利な部分を分けて、有利な側を金額で示せているかを確認したいところです。
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この記事のまとめ
うまくいっている会社が特別なことをしているとは限らない。当たり前のことを、学生から見て分かる形で言語化できているかどうかの差であることが多い。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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