通年採用・秋採用|自社の状態を点検するチェックリスト
選考の途中で学生が離れていくとき、原因は最後の面接ではなく、最初に何を伝えたかにある。入口で渡した情報が薄いほど、終盤で比較に負ける。
点検の目的
通年採用・秋採用に手を打つ前に、いまの状態を把握しておきたい。できていないことを洗い出すより、できていることを確認するほうが、次にやることが決まりやすい。
春に採り切れなかった枠を秋以降で埋める会社は増えている。夏以降に動く学生は志望が固まっていることが多く、選考の設計も変わる。
基本の確認項目
以下に即答できるかを見てほしい。詰まった項目が、そのまま優先順位の高い課題である。
ここでの話は、あくまで判断の材料である。最終的にどうするかは、自社が確保できる人手と予算のなかで決めることになる。
- 春に採り切れなかった場合の追加募集の時期を決めているかどうか
- 秋以降に動く学生向けに選考の設計を変えているかどうか
- 通年で募集する場合の受け皿が用意されているかどうか
- 既卒を対象に含めるかどうかを決めているかどうか
体制の確認
中身が揃っていても、動かす人がいなければ進まない。誰が、いつ、どの権限で決めるのかを確かめたい。
- この取り組みの担当者が決まっているか
- 担当者が週に確保できる時間が決まっているか
- 判断が必要になったとき、誰が決めるかが決まっているか
- 進捗を確認する場と頻度が決まっているか
点検の後にやること
詰まった項目の中から、効きそうなものを一つだけ選ぶ。まとめて埋めにかかると、結局どれも仕上がらない。
担当と期限まで決めて、ようやく点検が意味を持つ。そこを飛ばすと、確認した事実だけが残る。
通年採用・秋採用を自社の言葉にする
春に採り切れなかった枠を秋以降で埋める会社は増えている。夏以降に動く学生は志望が固まっていることが多く、選考の設計も変わる。
自社の話に落とすときは、春に採り切れなかった場合の追加募集の時期を決めている、秋以降に動く学生向けに選考の設計を変えている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、通年で募集する場合の受け皿が用意されているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「成果が出るまで続けるべき」という考え方も、無条件には正しくない。合わないものを続けるより、合わないと分かった段階で早く手を引くほうが、結果的に採用人数は増える。
「通年採用・秋採用は人事の仕事」という切り分けも、中小企業では機能しにくい。配属先の上長が何を任せたいかを言語化していないと、判断の基準が作れない。
「ツールを入れれば解決する」という期待も外れやすい。運用の型ができていない状態でツールを入れると、入力されないまま放置される。まず表計算ソフト一枚で回してみるほうが早い。
自社に当てはめて考える
ここまでの内容を自社に当てはめるとき、確認しておきたいのは次の点である。答えられない項目が、そのまま次に手をつける場所になる。
- 春に採り切れなかった場合の追加募集の時期を決めているかどうか
- 秋以降に動く学生向けに選考の設計を変えているかどうか
- 通年で募集する場合の受け皿が用意されているかどうか
- 既卒を対象に含めるかどうかを決めているかどうか
埋まっていない項目が多いときほど、全部を一度に片づけたくなる。しかし同時に動かすと、どれが効いたのか分からなくなる。一つずつ変えたい。
よくある質問
Q. 他社の事例をそのまま真似してもいいですか。
規模・業種・地域が違うと、同じ打ち手でも効き方が変わります。事例は「何をやったか」ではなく「なぜそれを選んだか」を読み取って、自社の条件に翻訳して使うほうが外しません。
Q. 小さく始めるとして、どこまで小さくていいですか。
1週間で終わる規模まで落として構いません。やってみて分かることのほうが多く、準備に時間をかけるほど着手が遅れます。小さく始めて、続けられる量を確かめてから広げるのが安全です。
Q. 複数の課題が同時にあります。どれからやるべきですか。
採用の流れの上流にあるものからです。母集団が足りていない状態で選考の設計を磨いても、効果は限定的になります。逆に、上流が足りているのに終盤で落ちているなら、選考側から手をつけます。
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この記事のまとめ
最後に残るのは、学生に対して正直だったかどうかである。伝えにくいことを先に伝えた会社は、採用人数が少なくても入社後に崩れにくい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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