ターゲット設計・ペルソナ|うまくいかない原因を切り分ける
新卒採用は育成前提の投資である。いま欠けている人手を埋める発想のままだと、求める人物像も、伝えるべき将来像も決まらない。
原因を一つに決めつけない
ターゲット設計・ペルソナがうまくいかないとき、目立つ症状に飛びついて手を打つと外すことが多い。症状と原因は別の場所にあるのが普通である。
欲しい人物像が社内で揃っていないと、面接官ごとに評価がぶれて内定が出ない。人物像は理想像ではなく、実在する社員から逆算して作る。
切り分けの順番
原因の候補は、設計・実行・体制の3つに分けると整理しやすい。設計が間違っているのか、設計は正しいが実行できていないのか、実行する人手がないのか。
求める人物像を実在する社員から逆算して作っているかどうかという点が満たされていないなら設計の問題、満たされているのに結果が出ていないなら実行か体制の問題である。
なお、制度やサービスの仕様は変わる。この記事の内容は考え方の部分を中心にしているが、具体的な手続きは必ず一次情報で確認してほしい。
実行できていない場合
方針は合っているのに成果が出ないときは、継続を疑いたい。繁忙期に一度止まり、そのまま戻っていないことが多い。
止まる原因はほぼ例外なく工数である。やり方を変えるより、量を減らして続けられる形にするほうが成果につながる。
確かめるための問い
以下に即答できるかどうかで、どの層に原因があるかの見当はつく。
- 求める人物像を実在する社員から逆算して作っているかどうか
- 人物像が性格ではなく行動で書かれているかどうか
- 評価項目が4つ以内に絞られているかどうか
- 「求めない条件」を決めているかどうか
ターゲット設計・ペルソナを自社の言葉にする
欲しい人物像が社内で揃っていないと、面接官ごとに評価がぶれて内定が出ない。人物像は理想像ではなく、実在する社員から逆算して作る。
自社の話に落とすときは、求める人物像を実在する社員から逆算して作っている、人物像が性格ではなく行動で書かれている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、評価項目が4つ以内に絞られているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「他社がやっているから」という理由で施策を増やすのは避けたい。工数が分散してどれも中途半端になるほうが、採用にとっては痛手になる。増やすなら、何かをやめる判断をセットにする。
「数字で管理するのは大企業の話」というのも誤解である。記録するのは複雑な指標ではなく、手法ごとに何人採れたかという単純な数字でよい。これがないと、翌年また同じところから考え直すことになる。
「ターゲット設計・ペルソナは人事の仕事」という切り分けも、中小企業では機能しにくい。配属先の上長が何を任せたいかを言語化していないと、判断の基準が作れない。
自社に当てはめて考える
ここまでの内容を自社に当てはめるとき、確認しておきたいのは次の点である。答えられない項目が、そのまま次に手をつける場所になる。
- 求める人物像を実在する社員から逆算して作っているかどうか
- 人物像が性格ではなく行動で書かれているかどうか
- 評価項目が4つ以内に絞られているかどうか
- 「求めない条件」を決めているかどうか
項目を埋めた結果は記録に残しておく。翌年の担当者が同じところから考え直さずに済むのは、この記録があるかどうかで決まる。
よくある質問
Q. 他社の事例をそのまま真似してもいいですか。
規模・業種・地域が違うと、同じ打ち手でも効き方が変わります。事例は「何をやったか」ではなく「なぜそれを選んだか」を読み取って、自社の条件に翻訳して使うほうが外しません。
Q. 担当者が代わると引き継げません。
引き継ぎで最も失われるのは、判断の理由です。何をやったかは記録に残っていても、なぜそうしたかが残っていないことが多い。記録には結果だけでなく理由を残しておきたいところです。
Q. 去年と同じやり方で本当に大丈夫でしょうか。
去年の結果を数字で説明できるなら、続ける判断に根拠があります。説明できないなら、続けるかどうかの前に、まず数えるところから始めたいところです。
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この記事のまとめ
一年で結果が出なくても、積み上げたものが消えるわけではない。学校との関係も、社内の言語化も、翌年の起点として残る。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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