ターゲット設計・ペルソナ|地方企業は都市部と前提が違う
採用に割ける人手が限られている会社ほど、手広くやるほど成果が落ちる。絞ったうえで深くやるという判断が、結果的にいちばん現実的な打ち手になる。
前提が違うところから始める
ターゲット設計・ペルソナについて書かれた情報の多くは、都市部の企業を想定している。学生の母数、通勤の前提、競合の数がそもそも違うので、そのまま当てはめても噛み合わない。
欲しい人物像が社内で揃っていないと、面接官ごとに評価がぶれて内定が出ない。人物像は理想像ではなく、実在する社員から逆算して作る。
距離という制約
距離という制約が常にある。来てもらうことを前提にした設計は、地方の企業ではそもそも成立しにくい。
移動の要らない工程を増やせば、制約は小さくなる。対面の代わりではなく、会える人数を増やす手段として使いたい。
なお、他社がやっているという理由だけで手法を増やすのは避けたい。工数が分散し、どれも中途半端になるほうが採用にとっては痛手になる。
暮らしの条件が判断材料になる
地方で働くことの実利は、通勤時間の短さと住居費の低さに集約される。ここは都市部の企業が給与でどれだけ上積みしても追いつけない領域である。
ただし「暮らしやすい」では伝わらない。通勤何分、家賃いくら、休日に何ができるか。ここまで落として初めて判断材料になる。
地方企業として押さえること
ターゲット設計・ペルソナに取り組むうえで、地方企業がとくに確認しておきたい点を挙げる。
- 求める人物像を実在する社員から逆算して作っているかどうか
- 人物像が性格ではなく行動で書かれているかどうか
- 評価項目が4つ以内に絞られているかどうか
- 「求めない条件」を決めているかどうか
ターゲット設計・ペルソナを自社の言葉にする
欲しい人物像が社内で揃っていないと、面接官ごとに評価がぶれて内定が出ない。人物像は理想像ではなく、実在する社員から逆算して作る。
自社の話に落とすときは、求める人物像を実在する社員から逆算して作っている、人物像が性格ではなく行動で書かれている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、評価項目が4つ以内に絞られているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「ターゲット設計・ペルソナは専門的な話だから、詳しい人がいないと手を出せない」と考える必要はない。多くの場合、足りていないのは知識ではなく、決めるべきことを決めていないという一点である。
「数字で管理するのは大企業の話」というのも誤解である。記録するのは複雑な指標ではなく、手法ごとに何人採れたかという単純な数字でよい。これがないと、翌年また同じところから考え直すことになる。
「まず情報収集から」という進め方も、度が過ぎると着手が遅れる。決めるべきことを仮で置いて動かしたほうが、分かることは多い。
自社に当てはめて考える
実行に移す前に、いまの状態を書き出しておきたい。書き出してみると、思っていたより決まっていないことが見つかる。
- 求める人物像を実在する社員から逆算して作っているかどうか
- 人物像が性格ではなく行動で書かれているかどうか
- 評価項目が4つ以内に絞られているかどうか
- 「求めない条件」を決めているかどうか
答えが人によって違う項目があれば、それ自体が発見である。社内で認識が揃っていないまま選考を進めると、面接官ごとに評価がぶれる。
よくある質問
Q. 社内で優先度が上がりません。
採用の話を人数の話だけで説明すると、経営層には緊急性が伝わりません。採れなかった場合に何が起きるか(どの業務が回らなくなるか)を配属先と一緒に言語化すると、判断が速くなります。
Q. 担当者が代わると引き継げません。
引き継ぎで最も失われるのは、判断の理由です。何をやったかは記録に残っていても、なぜそうしたかが残っていないことが多い。記録には結果だけでなく理由を残しておきたいところです。
Q. 外部に任せるとしたら、どこまで任せられますか。
誰を採るかという判断は自社に残し、手を動かす部分を任せるのが基本の切り分けです。求める人物像と勤務条件が文章になっていないまま任せると、期待と成果がずれます。
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この記事のまとめ
採用の巧拙は、特別な施策ではなく前提の置き方で決まる。前提を書き出して社内で見せ合うだけでも、噛み合っていない部分が見えてくる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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