人事1人の採用体制|数字で見て、振り返りができる状態にする
求人を出せば応募が来た時代の設計のまま、媒体だけを増やしている会社は多い。工数は増えるのに結果が変わらないのは、やり方ではなく前提が古いためである。
数えないと判断できない
人事1人の採用体制について「うまくいっている」「いっていない」という感覚はあっても、数字で説明できる会社は少ない。数字がないと、来年どうするかの判断ができない。
一人で回す前提なら、手法を増やすより捨てる判断のほうが重要になる。何をやらないかを先に決めるほど成果が出る。
何を数えるか
項目は少ないほうがよい。増やすほど更新が止まるので、判断に直接使うものだけに絞りたい。
ここで書いていることは、採用人数が年に1〜2名の会社と、10名以上採る会社とでは重みが変わる。自社の規模に合わせて、どこまでやるかを決めていただきたい。
- 週に確保する採用の作業時間が曜日まで決まっているかどうか
- 今年やらない手法を決めているかどうか
- 面接に使う固定の時間枠を先に押さえているかどうか
- 外に出す作業と社内に残す判断の線引きができているかどうか
結果より理由を残す
記録すべきは結果だけではない。なぜその判断をしたのかという理由のほうが、翌年に効く。条件が変わったときに、判断を見直せるからである。
形式は表計算ソフト一枚で足りる。高機能なツールを入れる前に、更新され続ける仕組みのほうが重要になる。
振り返る場を決めておく
記録していても、見る場がなければ意味がない。四半期ごと、あるいは年度末に振り返る場を先に設定しておきたい。
達成率の確認で終わらせず、次に変える一点を決めたい。その決定を記録に書き足せば、翌年の出発点になる。
人事1人の採用体制を自社の言葉にする
一人で回す前提なら、手法を増やすより捨てる判断のほうが重要になる。何をやらないかを先に決めるほど成果が出る。
自社の話に落とすときは、週に確保する採用の作業時間が曜日まで決まっている、今年やらない手法を決めている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、面接に使う固定の時間枠を先に押さえているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「他社がやっているから」という理由で施策を増やすのは避けたい。工数が分散してどれも中途半端になるほうが、採用にとっては痛手になる。増やすなら、何かをやめる判断をセットにする。
「数字で管理するのは大企業の話」というのも誤解である。記録するのは複雑な指標ではなく、手法ごとに何人採れたかという単純な数字でよい。これがないと、翌年また同じところから考え直すことになる。
「前任者のやり方を踏襲する」のは安全に見えて、実は理由が分からないまま続けることになる。なぜその手法を選んだのかを確認できないなら、いったん前提を置き直したほうがよい。
自社に当てはめて考える
ここからは自社の話になる。社内で答えが揃わない項目があれば、そこが手をつける場所だと考えてよい。
- 週に確保する採用の作業時間が曜日まで決まっているかどうか
- 今年やらない手法を決めているかどうか
- 面接に使う固定の時間枠を先に押さえているかどうか
- 外に出す作業と社内に残す判断の線引きができているかどうか
確認した内容は、配属先の上長にも共有しておきたい。採用担当だけが把握している状態だと、判断が必要になったときに止まる。
よくある質問
Q. 社内で優先度が上がりません。
採用の話を人数の話だけで説明すると、経営層には緊急性が伝わりません。採れなかった場合に何が起きるか(どの業務が回らなくなるか)を配属先と一緒に言語化すると、判断が速くなります。
Q. 小さく始めるとして、どこまで小さくていいですか。
1週間で終わる規模まで落として構いません。やってみて分かることのほうが多く、準備に時間をかけるほど着手が遅れます。小さく始めて、続けられる量を確かめてから広げるのが安全です。
Q. 社内に前例がなく、判断がつきません。
前例がないこと自体は障害になりません。決めるべきことを書き出して、仮でよいので置いてしまうほうが前に進みます。置いた前提が違っていたら、次の年に直せば足ります。
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この記事のまとめ
打ち手を変えたら、変える前の状態を記録しておく。比較できる相手がいなければ、良くなったのか悪くなったのかも判断できない。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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