人事1人の採用体制|よくある失敗と、手を打つ前の確認
選考の途中で学生が離れていくとき、原因は最後の面接ではなく、最初に何を伝えたかにある。入口で渡した情報が薄いほど、終盤で比較に負ける。
目的が決まらないまま始める
人事1人の採用体制に手をつけること自体が目的になっているケースは多い。他社がやっているから、という理由で始めると、成果の判断基準がないまま工数だけが増える。
一人で回す前提なら、手法を増やすより捨てる判断のほうが重要になる。何をやらないかを先に決めるほど成果が出る。
手を広げすぎる
同時に手をつけると、効果の判定ができなくなる。遠回りに見えても、一つずつ変えるほうが早く答えにたどり着く。
判断の基準はシンプルで、担当者が確保できる時間で回るかどうかである。回らない量は、必ず途中で止まる。
ただし、これは一般的な傾向であって、自社の業種・地域・過去の採用実績によって最適解は変わる。数字を持っている会社は、必ず自社の実績を優先して判断してほしい。
記録を残さない
記録がなければ、一年分の経験は担当者の頭の中にしか残らない。人が代われば、そこで途切れる。
週に確保する採用の作業時間が曜日まで決まっているかどうかという点だけでも記録しておくと、翌年の判断材料になる。形式は表計算ソフト一枚で足りる。
確認しておきたいこと
始める前、あるいは見直すときに、次の点を確認したい。
- 週に確保する採用の作業時間が曜日まで決まっているかどうか
- 今年やらない手法を決めているかどうか
- 面接に使う固定の時間枠を先に押さえているかどうか
- 外に出す作業と社内に残す判断の線引きができているかどうか
人事1人の採用体制を自社の言葉にする
一人で回す前提なら、手法を増やすより捨てる判断のほうが重要になる。何をやらないかを先に決めるほど成果が出る。
自社の話に落とすときは、週に確保する採用の作業時間が曜日まで決まっている、今年やらない手法を決めている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、面接に使う固定の時間枠を先に押さえているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「他社がやっているから」という理由で施策を増やすのは避けたい。工数が分散してどれも中途半端になるほうが、採用にとっては痛手になる。増やすなら、何かをやめる判断をセットにする。
「数字で管理するのは大企業の話」というのも誤解である。記録するのは複雑な指標ではなく、手法ごとに何人採れたかという単純な数字でよい。これがないと、翌年また同じところから考え直すことになる。
「時間がないからできない」という説明は、多くの場合「優先順位が決まっていない」と言い換えられる。やらないことを決めれば、時間は作れることが多い。
自社に当てはめて考える
記事の内容をそのまま持ち込む必要はない。自社の条件に照らして、次の項目のうちどれが欠けているかを確認するところから始めたい。
- 週に確保する採用の作業時間が曜日まで決まっているかどうか
- 今年やらない手法を決めているかどうか
- 面接に使う固定の時間枠を先に押さえているかどうか
- 外に出す作業と社内に残す判断の線引きができているかどうか
一つ選んだら、次の採用シーズンが始まる前に片づけておきたい。始まってからでは、日々の対応に追われて手をつけられなくなる。
よくある質問
Q. 小さく始めるとして、どこまで小さくていいですか。
1週間で終わる規模まで落として構いません。やってみて分かることのほうが多く、準備に時間をかけるほど着手が遅れます。小さく始めて、続けられる量を確かめてから広げるのが安全です。
Q. 社内に前例がなく、判断がつきません。
前例がないこと自体は障害になりません。決めるべきことを書き出して、仮でよいので置いてしまうほうが前に進みます。置いた前提が違っていたら、次の年に直せば足ります。
Q. 取り組んでも社内が変わりません。
採用担当だけで抱えている可能性があります。配属先の上長を巻き込んで、どんな人を何人受け入れるかを一緒に決めるところからやり直すと、協力も得やすくなります。
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この記事のまとめ
最後に残るのは、学生に対して正直だったかどうかである。伝えにくいことを先に伝えた会社は、採用人数が少なくても入社後に崩れにくい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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