人事1人の採用体制|地方企業は都市部と前提が違う
応募が来ないという相談の大半は、露出の量ではなく対象の設定に原因がある。誰に向けた募集なのかが決まっていないと、どれだけ露出を増やしても素通りされる。
前提が違うところから始める
人事1人の採用体制について書かれた情報の多くは、都市部の企業を想定している。学生の母数、通勤の前提、競合の数がそもそも違うので、そのまま当てはめても噛み合わない。
一人で回す前提なら、手法を増やすより捨てる判断のほうが重要になる。何をやらないかを先に決めるほど成果が出る。
距離という制約
地方企業の採用では、学生との物理的な距離が常についてまわる。説明会に来てもらう、面接に足を運んでもらうという前提が成り立ちにくい。
オンラインで完結できる工程を増やすと、この制約はかなり緩む。対面の代替として使うのではなく、接点の総量を増やす道具として位置づけたい。
ただし、これは一般的な傾向であって、自社の業種・地域・過去の採用実績によって最適解は変わる。数字を持っている会社は、必ず自社の実績を優先して判断してほしい。
暮らしの条件が判断材料になる
地方で働くことの実利は、通勤時間の短さと住居費の低さに集約される。ここは都市部の企業が給与でどれだけ上積みしても追いつけない領域である。
抽象的な言い方では届かない。所要時間、家賃、休日の過ごし方。数字と具体に置き換えて初めて比較の材料になる。
地方企業として押さえること
人事1人の採用体制に取り組むうえで、地方企業がとくに確認しておきたい点を挙げる。
- 週に確保する採用の作業時間が曜日まで決まっているかどうか
- 今年やらない手法を決めているかどうか
- 面接に使う固定の時間枠を先に押さえているかどうか
- 外に出す作業と社内に残す判断の線引きができているかどうか
人事1人の採用体制を自社の言葉にする
一人で回す前提なら、手法を増やすより捨てる判断のほうが重要になる。何をやらないかを先に決めるほど成果が出る。
自社の話に落とすときは、週に確保する採用の作業時間が曜日まで決まっている、今年やらない手法を決めている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、面接に使う固定の時間枠を先に押さえているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「人事1人の採用体制は専門的な話だから、詳しい人がいないと手を出せない」と考える必要はない。多くの場合、足りていないのは知識ではなく、決めるべきことを決めていないという一点である。
「人事1人の採用体制は人事の仕事」という切り分けも、中小企業では機能しにくい。配属先の上長が何を任せたいかを言語化していないと、判断の基準が作れない。
「前任者のやり方を踏襲する」のは安全に見えて、実は理由が分からないまま続けることになる。なぜその手法を選んだのかを確認できないなら、いったん前提を置き直したほうがよい。
自社に当てはめて考える
次の項目は、採用担当だけでは答えられないものを含んでいる。配属先の上長と一緒に確認するほうが早く埋まる。
- 週に確保する採用の作業時間が曜日まで決まっているかどうか
- 今年やらない手法を決めているかどうか
- 面接に使う固定の時間枠を先に押さえているかどうか
- 外に出す作業と社内に残す判断の線引きができているかどうか
確認した内容は、配属先の上長にも共有しておきたい。採用担当だけが把握している状態だと、判断が必要になったときに止まる。
よくある質問
Q. 人事1人の採用体制に、どのくらいの時間をかけるべきですか。
確保できる時間を先に決めて、その時間で回る量に合わせるのが原則です。逆に、やることに合わせて時間を捻出しようとすると、繁忙期に止まります。止まった取り組みは、やっていないのと同じ結果になります。
Q. 社内で優先度が上がりません。
採用の話を人数の話だけで説明すると、経営層には緊急性が伝わりません。採れなかった場合に何が起きるか(どの業務が回らなくなるか)を配属先と一緒に言語化すると、判断が速くなります。
Q. 外部に任せるとしたら、どこまで任せられますか。
誰を採るかという判断は自社に残し、手を動かす部分を任せるのが基本の切り分けです。求める人物像と勤務条件が文章になっていないまま任せると、期待と成果がずれます。
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この記事のまとめ
採用は担当者の努力だけで決まる仕事ではない。経営の意思決定と現場の協力が要る以上、社内で共有できる形に書き出しておくことが先決になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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