地域とともに語る採用|なぜ採用に効くのかを構造から考える
応募が来ないという相談の大半は、露出の量ではなく対象の設定に原因がある。誰に向けた募集なのかが決まっていないと、どれだけ露出を増やしても素通りされる。
構造を理解する
会社単独ではなく、地域の産業や暮らしと合わせて語ると、学生の側に想像の足場ができる。
この構造は、一社の努力で変えられるものではない。だからこそ、前提として受け入れたうえで打ち手を組む必要がある。
学生側から見るとどうか
企業側の視点だけで考えると、打ち手が空振りする。学生がこのテーマをどう受け止めているかを想像しておきたい。
学生にとって重要なのは、抽象的な傾向ではなく自分の生活がどうなるかである。構造の説明ではなく、生活の具体で伝えたい。
なお、他社がやっているという理由だけで手法を増やすのは避けたい。工数が分散し、どれも中途半端になるほうが採用にとっては痛手になる。
効いてくる場面
自社の事業と地域の産業の関係を説明できるかどうかという場面で、このテーマの影響が具体的に表れる。ここを押さえておくと、打ち手の優先順位が決まる。
影響が出る場面を特定できれば、限られた工数をどこに割くかの判断ができる。
前提を共有する
この構造を採用担当だけが理解していても、社内の合意は得られない。経営層と配属先に共有しておきたい。
共有するときは、数字ではなく自社で起きた出来事で説明するほうが伝わる。昨年の辞退理由や、選考での学生の反応が材料になる。
地域とともに語る採用を自社の言葉にする
会社単独ではなく、地域の産業や暮らしと合わせて語ると、学生の側に想像の足場ができる。
自社の話に落とすときは、自社の事業と地域の産業の関係を説明できる、勤務地周辺の様子が分かる写真や情報がある、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、地域の話が会社の話にすり替わっていないも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「制度や補助金があるから大丈夫」という前提で採用計画を組むのは危うい。要件も金額も年度ごとに変わるため、制度がなくても成立する計画を先に作っておきたい。
「地方で働きたい学生は少数派だから狙う意味がない」というのも、数え方の問題である。全体に占める割合が小さくても、自社が必要とする人数から見れば十分な母数であることは珍しくない。
「他社の取り組みを調べてから決める」という進め方も、度が過ぎると動き出せない。前提が違えば効く打ち手も違うので、自社の条件から考えたほうが早い。
自社に当てはめて考える
記事の内容をそのまま持ち込む必要はない。自社の条件に照らして、次の項目のうちどれが欠けているかを確認するところから始めたい。
- 自社の事業と地域の産業の関係を説明できるかどうか
- 勤務地周辺の様子が分かる写真や情報があるかどうか
- 地域の話が会社の話にすり替わっていないかどうか
- 県外の学生にも分かる書き方になっているかどうか
答えられなかった項目のうち、最も影響が大きそうなものを一つだけ選び、いつまでに誰がやるかを決める。ここまで決めて初めて、点検が実行につながる。
よくある質問
Q. このテーマは自社にも当てはまりますか。
地域や業種によって影響の大きさは変わります。昨年の選考で、このテーマに関わる理由の辞退があったかどうかを確認するのが、いちばん確実な判断材料になります。
Q. 会社単独では変えられない話ではないですか。
構造そのものは一社では変えられません。変えられるのは、その構造のなかで自社がどう見えるかと、誰に情報を届けるかです。打ち手はこの2つに絞って考えるほうが現実的です。
Q. 地方であること自体が不利ではないですか。
条件によります。通勤時間と住居費は、都市部の企業が給与で追いつけない領域です。不利な部分と有利な部分を分けて、有利な側を金額で示せているかを確認したいところです。
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この記事のまとめ
採用の巧拙は、特別な施策ではなく前提の置き方で決まる。前提を書き出して社内で見せ合うだけでも、噛み合っていない部分が見えてくる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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