地域とともに語る採用|地方の中小企業が知っておくこと
学生は会社を知らないのではなく、そもそも選択肢として認識していない。認識されていない状態から始める以上、こちらから名指しで声をかける手段が要る。
このテーマの前提
会社単独ではなく、地域の産業や暮らしと合わせて語ると、学生の側に想像の足場ができる。
構造の話は、知っているだけでは採用の成果につながらない。自社の打ち手にどう翻訳するかまで落として初めて意味を持つ。
企業側から見た影響
このテーマは、母集団の量と、学生が会社を選ぶときの判断軸の両方に影響する。どちらに効いているかを分けて考えたい。
量に効いているなら接点を増やす打ち手、判断軸に効いているなら伝える内容を変える打ち手になる。混ぜると空振りする。
ここで挙げたやり方が合わない会社もある。人員体制と採用人数によって現実的な打ち手は変わるので、そのまま当てはめずに翻訳して読んでいただきたい。
押さえておく観点
実務に落とすとき、この観点を押さえておきたい。
- 自社の事業と地域の産業の関係を説明できるかどうか
- 勤務地周辺の様子が分かる写真や情報があるかどうか
- 地域の話が会社の話にすり替わっていないかどうか
- 県外の学生にも分かる書き方になっているかどうか
自社でできること
構造そのものは一社では変えられない。変えられるのは、その構造のなかで自社がどう見えるかである。
まずは、いま自社が出している情報のうち、このテーマに関わる部分を確認したい。書かれていないことが、そのまま伸びしろになる。
地域とともに語る採用を自社の言葉にする
会社単独ではなく、地域の産業や暮らしと合わせて語ると、学生の側に想像の足場ができる。
自社の話に落とすときは、自社の事業と地域の産業の関係を説明できる、勤務地周辺の様子が分かる写真や情報がある、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、地域の話が会社の話にすり替わっていないも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「構造の問題だから自社にできることはない」という結論は、少し早い。構造そのものは変えられないが、その構造のなかで自社がどう見えるかと、誰に情報を届けるかは変えられる。
「地方で働きたい学生は少数派だから狙う意味がない」というのも、数え方の問題である。全体に占める割合が小さくても、自社が必要とする人数から見れば十分な母数であることは珍しくない。
「移住や住まいの支援は費用がかかりすぎる」と考える前に、どこまでなら負担できるかを金額で出してみたい。全額でなくても、金額と条件が明示されていること自体が安心材料になる。
自社に当てはめて考える
ここからは自社の話になる。社内で答えが揃わない項目があれば、そこが手をつける場所だと考えてよい。
- 自社の事業と地域の産業の関係を説明できるかどうか
- 勤務地周辺の様子が分かる写真や情報があるかどうか
- 地域の話が会社の話にすり替わっていないかどうか
- 県外の学生にも分かる書き方になっているかどうか
一つ選んだら、次の採用シーズンが始まる前に片づけておきたい。始まってからでは、日々の対応に追われて手をつけられなくなる。
よくある質問
Q. 効果が出るまでどのくらいかかりますか。
年度をまたいで効いてくるものが多く、数週間では判断できません。短期で見るなら、選考中に学生から出る質問の変化を手がかりにするとよいです。
Q. 地方であること自体が不利ではないですか。
条件によります。通勤時間と住居費は、都市部の企業が給与で追いつけない領域です。不利な部分と有利な部分を分けて、有利な側を金額で示せているかを確認したいところです。
Q. まず誰に相談すればいいですか。
社内では、配属先の上長と経営層です。採用担当だけで決められる範囲を超える判断が必ず出てきます。外部に相談する場合も、この2者の意向が整理されている前提で話すほうが早く進みます。
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この記事のまとめ
重要なのは、施策を増やすことではなく、うまくいかなかった理由を毎回言葉にして残しておくことである。それがそのまま翌年の採用設計の土台になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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