士業・コンサルティングの新卒採用計画|人数の前に決めること
採用がうまくいかない会社の多くは、母集団が足りないのではなく、届けたい相手に情報が届いていない。掲載して待つ設計のままでは、この距離は縮まらない。
配属と役割を先に決める
人数から始めると、そこから先が決まらない。配属先と任せる仕事を先に置けば、人物像も選考の基準も自然に定まる。
士業・コンサルティングであれば、コンサルタント・アシスタント・営業のどの職種を何人採るかまで落とす。職種が決まると、必要な母集団も手法も自動的に決まってくる。
逆算してスケジュールを引く
入社時期から逆算して、内定を出す時期、選考を始める時期、接点を作り始める時期を置く。ここで初めて、いつ何をすべきかが見える。
大手と同じ時期に動くと比較されたときに不利になる。前倒しするか、秋以降の層を狙うか。意図を持って時期をずらしたい。
なお、制度やサービスの仕様は変わる。この記事の内容は考え方の部分を中心にしているが、具体的な手続きは必ず一次情報で確認してほしい。
手法ごとに目標を割り振る
必要な内定承諾数から逆算して、各段階で何人必要かを出す。実績がないなら仮の数字でよい。置かないと、足りているかどうかが分からない。
資格取得支援と、未経験からの育成計画をどこまで具体化できるかで応募が決まる。地方では顧問先の経営に近い距離で関われることが強い訴求になる。
計画に入れておく項目
計画書に落とすなら、以下は押さえておきたい。
- 職種ごとの採用人数と配属先
- 入社時期から逆算したスケジュール
- 各段階の目標人数(母集団・応募・面接・内定・承諾)
- 使う手法と、手法ごとの目標人数
- 予算と、担当者が確保できる時間
- 進捗を確認する時期と判断基準
士業・コンサルティングで募集する職種を分けて考える
士業・コンサルティングが新卒で募集する職種は、コンサルタント、アシスタント、営業などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえばコンサルタントと営業では、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
資格取得支援と、未経験からの育成計画をどこまで具体化できるかで応募が決まる。地方では顧問先の経営に近い距離で関われることが強い訴求になる。
よくある誤解
「士業・コンサルティングは学生に人気がないから仕方ない」という前提を置くと、そこから先の打ち手が出てこない。業種のイメージで足切りされているなら、業種名より先に仕事の中身を見せる順番に変えるだけで、読まれ方は変わる。
「条件を良くすれば採れる」という考え方も、思ったほど当たらない。初任給は応募するかどうかの入口では強く効くが、入社を決める段階では決め手にならないことが多い。入口で足切りされない水準を確保したうえで、決め手は別に用意する設計になる。
「同業に勝てないから他業種から採る」という発想は方向としては正しいが、そのままでは伝わらない。他業種の学生には、士業・コンサルティングの仕事が何に似ているかを説明する言葉が要る。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 士業・コンサルティングで募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
項目を埋めた結果は記録に残しておく。翌年の担当者が同じところから考え直さずに済むのは、この記録があるかどうかで決まる。
よくある質問
Q. 同業他社と条件で横並びになってしまいます。
条件で並ぶなら、任される範囲で差をつけるしかありません。入社1年目に何を任せるか、3年目に何を任せるかを具体的に書けると、同じ条件でも見え方が変わります。規模が小さいほど、この部分は書きやすいはずです。
Q. 採用サイトを作るべきでしょうか。
作る前に、載せる中身が揃っているかを確認したいところです。仕事内容・条件・選考の流れ・社員の実例。この4つがあれば形式は問われません。逆に、中身のないサイトを作ると、接点を持った学生の志望度を下げる側に働きます。
Q. 未経験でも採れる仕事かどうか、どう伝えればいいですか。
入社後1年目に任せる範囲と、そこに至るまでの教育の流れを書くのが分かりやすい形です。「未経験歓迎」という言葉だけでは、何をどこまで教えてもらえるのかが伝わりません。
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この記事のまとめ
採用の設計は、一度作ったら終わりではない。毎年の結果を見て、どこを変えてどこを変えないかを決める作業そのものが設計である。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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