人口減少と採用|地方の中小企業が知っておくこと
応募が来ないという相談の大半は、露出の量ではなく対象の設定に原因がある。誰に向けた募集なのかが決まっていないと、どれだけ露出を増やしても素通りされる。
このテーマの前提
母集団が構造的に減る前提で、採用以外の手段も含めて人員計画を考える必要がある。
構造の話は、知っているだけでは採用の成果につながらない。自社の打ち手にどう翻訳するかまで落として初めて意味を持つ。
企業側から見た影響
効き方は二通りある。集まる人数に効いているのか、選ばれるかどうかに効いているのか。ここを分けないと打ち手を誤る。
量に効いているなら接点を増やす打ち手、判断軸に効いているなら伝える内容を変える打ち手になる。混ぜると空振りする。
ここで挙げたやり方が合わない会社もある。人員体制と採用人数によって現実的な打ち手は変わるので、そのまま当てはめずに翻訳して読んでいただきたい。
押さえておく観点
実務に落とすとき、この観点を押さえておきたい。
- 新卒だけで人員計画を組んでいないかどうか
- 対象を広げる判断の基準を持っているかどうか
- 採用以外の手段(業務の見直し・外注)も検討しているかどうか
- 中長期の人員計画を経営層と共有できているかどうか
自社でできること
構造そのものは一社では変えられない。変えられるのは、その構造のなかで自社がどう見えるかである。
現状の発信を点検するところから始めたい。触れられていない項目が、そのまま手をつける余地である。
人口減少と採用を自社の言葉にする
母集団が構造的に減る前提で、採用以外の手段も含めて人員計画を考える必要がある。
自社の話に落とすときは、新卒だけで人員計画を組んでいない、対象を広げる判断の基準を持っている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、採用以外の手段(業務の見直し・外注)も検討しているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「制度や補助金があるから大丈夫」という前提で採用計画を組むのは危うい。要件も金額も年度ごとに変わるため、制度がなくても成立する計画を先に作っておきたい。
「移住や住まいの支援は費用がかかりすぎる」と考える前に、どこまでなら負担できるかを金額で出してみたい。全額でなくても、金額と条件が明示されていること自体が安心材料になる。
「このテーマは採用担当が理解していれば十分」というのも危うい。経営層と配属先に共有されていないと、必要な条件整備の判断が下りてこない。
自社に当てはめて考える
実行に移す前に、いまの状態を書き出しておきたい。書き出してみると、思っていたより決まっていないことが見つかる。
- 新卒だけで人員計画を組んでいないかどうか
- 対象を広げる判断の基準を持っているかどうか
- 採用以外の手段(業務の見直し・外注)も検討しているかどうか
- 中長期の人員計画を経営層と共有できているかどうか
項目を埋めた結果は記録に残しておく。翌年の担当者が同じところから考え直さずに済むのは、この記録があるかどうかで決まる。
よくある質問
Q. 社内で共有するには、どう説明すればいいですか。
一般的な傾向として説明するより、自社で起きた出来事を材料にするほうが伝わります。昨年の辞退理由や、選考中に学生から出た質問が、いちばん具体的な証拠になります。
Q. 効果が出るまでどのくらいかかりますか。
年度をまたいで効いてくるものが多く、数週間では判断できません。短期で見るなら、選考中に学生から出る質問の変化を手がかりにするとよいです。
Q. 地方であること自体が不利ではないですか。
条件によります。通勤時間と住居費は、都市部の企業が給与で追いつけない領域です。不利な部分と有利な部分を分けて、有利な側を金額で示せているかを確認したいところです。
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この記事のまとめ
全部を一度にやる必要はない。この記事のなかで、自社がまだ手をつけていないものを一つだけ選んで、次の採用シーズンの頭に置いてみてほしい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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