採用計画・採用目標|うまくいかない原因を切り分ける
同じ募集要項を数年使い続けている会社は少なくない。市場も学生の関心も動いているのに、伝える内容だけが止まっていれば、反応が落ちるのは当然である。
原因を一つに決めつけない
採用計画・採用目標がうまくいかないとき、目立つ症状に飛びついて手を打つと外すことが多い。症状と原因は別の場所にあるのが普通である。
採用人数だけを決めて動き出すと、途中で何を判断すればいいか分からなくなる。人数の前に、どこに配属し何を任せるかを決めておきたい。
切り分けの順番
原因の候補は、設計・実行・体制の3つに分けると整理しやすい。設計が間違っているのか、設計は正しいが実行できていないのか、実行する人手がないのか。
採用人数だけでなく配属先と任せる役割まで決まっているかどうかという点が満たされていないなら設計の問題、満たされているのに結果が出ていないなら実行か体制の問題である。
なお、制度やサービスの仕様は変わる。この記事の内容は考え方の部分を中心にしているが、具体的な手続きは必ず一次情報で確認してほしい。
実行できていない場合
方針は合っているのに成果が出ないときは、継続を疑いたい。繁忙期に一度止まり、そのまま戻っていないことが多い。
中断の理由は、ほとんどの場合やり方ではなく時間である。手法を見直すより、量を落として続く形にするほうが早い。
確かめるための問い
次の問いに答えられるかどうかで、原因がどこにあるかがおおよそ分かる。
- 採用人数だけでなく配属先と任せる役割まで決まっているかどうか
- 入社時期から逆算したスケジュールが引けているかどうか
- 各段階の目標人数を置いているかどうか
- 進捗を確認する時期と判断基準が決まっているかどうか
採用計画・採用目標を自社の言葉にする
採用人数だけを決めて動き出すと、途中で何を判断すればいいか分からなくなる。人数の前に、どこに配属し何を任せるかを決めておきたい。
自社の話に落とすときは、採用人数だけでなく配属先と任せる役割まで決まっている、入社時期から逆算したスケジュールが引けている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、各段階の目標人数を置いているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「うまくいかなかったのは手法が悪かったから」と結論づけると、次も同じところでつまずく。設計が間違っていたのか、設計は正しいが実行できていなかったのか、実行する人手がなかったのか。この3つは切り分けて考えたい。
「数字で管理するのは大企業の話」というのも誤解である。記録するのは複雑な指標ではなく、手法ごとに何人採れたかという単純な数字でよい。これがないと、翌年また同じところから考え直すことになる。
「採用がうまくいかないのは予算がないから」という説明も、確かめる価値がある。予算をかけずにできること(募集要項の書き直し、選考スピードの改善、辞退理由の記録)を先に済ませてから判断したい。
自社に当てはめて考える
次の項目は、採用担当だけでは答えられないものを含んでいる。配属先の上長と一緒に確認するほうが早く埋まる。
- 採用人数だけでなく配属先と任せる役割まで決まっているかどうか
- 入社時期から逆算したスケジュールが引けているかどうか
- 各段階の目標人数を置いているかどうか
- 進捗を確認する時期と判断基準が決まっているかどうか
確認した内容は、配属先の上長にも共有しておきたい。採用担当だけが把握している状態だと、判断が必要になったときに止まる。
よくある質問
Q. 他社の事例をそのまま真似してもいいですか。
規模・業種・地域が違うと、同じ打ち手でも効き方が変わります。事例は「何をやったか」ではなく「なぜそれを選んだか」を読み取って、自社の条件に翻訳して使うほうが外しません。
Q. 担当者が代わると引き継げません。
引き継ぎで最も失われるのは、判断の理由です。何をやったかは記録に残っていても、なぜそうしたかが残っていないことが多い。記録には結果だけでなく理由を残しておきたいところです。
Q. 外部に任せるとしたら、どこまで任せられますか。
誰を採るかという判断は自社に残し、手を動かす部分を任せるのが基本の切り分けです。求める人物像と勤務条件が文章になっていないまま任せると、期待と成果がずれます。
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この記事のまとめ
今年の採用で分かったことを、来年の担当者が読める形にして残す。これをやっている会社とやっていない会社の差は、3年も経てば埋めがたいものになる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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