採用ブランディング|よくある質問
新卒採用は育成前提の投資である。いま欠けている人手を埋める発想のままだと、求める人物像も、伝えるべき将来像も決まらない。
何から手をつければいいか
全部を一度に整えることはできない。いま自社で明らかに欠けているものを一つだけ選んで、そこから始めるのが現実的である。
ブランディングは広告を打つことではない。社内で普通に話していることを、社外に伝わる言葉に翻訳する作業に近い。
どのくらいの期間で成果が出るか
効果が出るまでに年単位かかるものが多い。短期で判断すると、効いていた施策を自分で止めることになる。
短期で見るなら、成果ではなく実行量を見たい。決めた量を実行できているかどうかは、その週のうちに判断できる。
なお、制度やサービスの仕様は変わる。この記事の内容は考え方の部分を中心にしているが、具体的な手続きは必ず一次情報で確認してほしい。
人手がなくてもできるか
確保できる時間に合わせて規模を決めれば、できることはある。問題は時間の多寡ではなく、時間を固定できるかどうかである。
自社の強みが他社と区別できる言葉で書かれているかどうかという点だけでも押さえておくと、限られた時間でも成果につながりやすい。
外部に任せられるか
採否の判断は社内に置いたまま、作業は任せられる。範囲を先に決めておけば、頼んだ内容と成果がずれにくい。
当社はOfferBoxの運用代行を完全成果報酬型で提供している。入社の承諾に至るまで費用は発生しないため、まず試してみるという判断がしやすい形になっている。
採用ブランディングを自社の言葉にする
ブランディングは広告を打つことではない。社内で普通に話していることを、社外に伝わる言葉に翻訳する作業に近い。
自社の話に落とすときは、自社の強みが他社と区別できる言葉で書かれている、社員に「この仕事で面白いと思った瞬間」を聞けている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、発信する場所を一つに絞れているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「うまくいかなかったのは手法が悪かったから」と結論づけると、次も同じところでつまずく。設計が間違っていたのか、設計は正しいが実行できていなかったのか、実行する人手がなかったのか。この3つは切り分けて考えたい。
「成果が出るまで続けるべき」という考え方も、無条件には正しくない。合わないものを続けるより、合わないと分かった段階で早く手を引くほうが、結果的に採用人数は増える。
「採用がうまくいかないのは予算がないから」という説明も、確かめる価値がある。予算をかけずにできること(募集要項の書き直し、選考スピードの改善、辞退理由の記録)を先に済ませてから判断したい。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 自社の強みが他社と区別できる言葉で書かれているかどうか
- 社員に「この仕事で面白いと思った瞬間」を聞けているかどうか
- 発信する場所を一つに絞れているかどうか
- 更新が止まっている媒体を放置していないかどうか
答えられなかった項目のうち、最も影響が大きそうなものを一つだけ選び、いつまでに誰がやるかを決める。ここまで決めて初めて、点検が実行につながる。
よくある質問
Q. 社内で優先度が上がりません。
採用の話を人数の話だけで説明すると、経営層には緊急性が伝わりません。採れなかった場合に何が起きるか(どの業務が回らなくなるか)を配属先と一緒に言語化すると、判断が速くなります。
Q. 他社の事例をそのまま真似してもいいですか。
規模・業種・地域が違うと、同じ打ち手でも効き方が変わります。事例は「何をやったか」ではなく「なぜそれを選んだか」を読み取って、自社の条件に翻訳して使うほうが外しません。
Q. 去年と同じやり方で本当に大丈夫でしょうか。
去年の結果を数字で説明できるなら、続ける判断に根拠があります。説明できないなら、続けるかどうかの前に、まず数えるところから始めたいところです。
あわせて読みたい
- 母集団形成|母集団は「多く集める」ものではなく「対象を決めてから集める」もの。
- 応募数の確保|応募ゼロの原因は、露出・条件・訴求のどれかに必ずある。
- 多様な人材の受け入れ|新卒だけで人員計画を組めない地域では、対象を広げる判断が現実的になる。
- 採用代行(RPO)|RPOは丸投げの仕組みではない。
- Iターン・Jターン就職|縁のない土地を選ぶ学生は、仕事より暮らしから入ることが多い。
- 人口減少と採用|母集団が構造的に減る前提で、採用以外の手段も含めて人員計画を考える必要がある。
この記事のまとめ
一年で結果が出なくても、積み上げたものが消えるわけではない。学校との関係も、社内の言語化も、翌年の起点として残る。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964