採用ブランディング|中小企業は絞って深くやる
人手が足りないから採用する、という順番で動くと、必ず急いで決めることになる。急いだ採用は入社後にずれが出やすく、翌年また同じことを繰り返す。
手を広げるほど成果が落ちる
採用に割ける時間が月に数時間しかない会社では、採用ブランディングのためにやることを増やすほど、どれも中途半端になる。
やらないことを決めるほうが先である。昨年やって成果がなかったものは、今年も同じ結果になる可能性が高い。
中小企業が有利な部分もある
規模が小さいことは不利ばかりではない。決めたことがすぐ実行に移せる、現場と人事の距離が近い、経営者が直接判断できる。これらは大手が持てない条件である。
ブランディングは広告を打つことではない。社内で普通に話していることを、社外に伝わる言葉に翻訳する作業に近い。
なお、他社がやっているという理由だけで手法を増やすのは避けたい。工数が分散し、どれも中途半端になるほうが採用にとっては痛手になる。
現実的な進め方
採用ブランディングに取り組むなら、完成形を目指さずに最小限の形で始めて、動かしながら直すほうが早い。準備に時間をかけるほど、着手が遅れる。
具体的には、社員に「この仕事で面白いと思った瞬間」を聞けているかどうかというところから始めると、費用をかけずに着手できる。
外に出せる部分を見極める
判断は自社に残し、手を動かす部分は外に出すという切り分けができる。どこまでを外に出せるかを先に整理しておきたい。
当社はOfferBoxの運用代行を完全成果報酬型で提供している。入社の承諾に至るまで費用は発生しないため、固定費を増やさずに手法を一つ増やせる。
採用ブランディングを自社の言葉にする
ブランディングは広告を打つことではない。社内で普通に話していることを、社外に伝わる言葉に翻訳する作業に近い。
自社の話に落とすときは、自社の強みが他社と区別できる言葉で書かれている、社員に「この仕事で面白いと思った瞬間」を聞けている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、発信する場所を一つに絞れているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「採用ブランディングは専門的な話だから、詳しい人がいないと手を出せない」と考える必要はない。多くの場合、足りていないのは知識ではなく、決めるべきことを決めていないという一点である。
「採用がうまくいかないのは予算がないから」という説明も、確かめる価値がある。予算をかけずにできること(募集要項の書き直し、選考スピードの改善、辞退理由の記録)を先に済ませてから判断したい。
「まず情報収集から」という進め方も、度が過ぎると着手が遅れる。決めるべきことを仮で置いて動かしたほうが、分かることは多い。
自社に当てはめて考える
実行に移す前に、いまの状態を書き出しておきたい。書き出してみると、思っていたより決まっていないことが見つかる。
- 自社の強みが他社と区別できる言葉で書かれているかどうか
- 社員に「この仕事で面白いと思った瞬間」を聞けているかどうか
- 発信する場所を一つに絞れているかどうか
- 更新が止まっている媒体を放置していないかどうか
答えられなかった項目のうち、最も影響が大きそうなものを一つだけ選び、いつまでに誰がやるかを決める。ここまで決めて初めて、点検が実行につながる。
よくある質問
Q. 成果が出ているかどうかの判断がつきません。
短期で成果を測るのは難しいので、まずは実行量を見ます。決めた量を実行できているかどうかは、その週のうちに判断できます。成果は年度をまたいで効いてくるものが多く、数週間で見切ると効いているものを途中でやめてしまいます。
Q. 外部に任せるとしたら、どこまで任せられますか。
誰を採るかという判断は自社に残し、手を動かす部分を任せるのが基本の切り分けです。求める人物像と勤務条件が文章になっていないまま任せると、期待と成果がずれます。
Q. 取り組んでも社内が変わりません。
採用担当だけで抱えている可能性があります。配属先の上長を巻き込んで、どんな人を何人受け入れるかを一緒に決めるところからやり直すと、協力も得やすくなります。
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この記事のまとめ
打ち手を変えたら、変える前の状態を記録しておく。比較できる相手がいなければ、良くなったのか悪くなったのかも判断できない。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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