応募者管理と選考の可視化|よくある失敗と避け方
採用の相談を受けると、多くの会社が手法の話から始める。ところが実際に効くのは、誰に向けて何を伝えるかを決め直すという、手法より前の段階であることが多い。
登録しただけで止まる
成果が出ないという相談の大半は、送信そのものが止まっているケースである。プロフィールを読み、選び、個別に書く作業には時間がかかる。
高機能なツールを入れる前に、いま誰がどの段階にいるかを一枚で見られる状態を作るほうが先。
同じ文面を送り続ける
手応えがないのに同じ文面を続けると、時間だけが減っていく。週に一度は数字を見て、直す箇所を決めたい。
逆に、毎回全部を書き換えるのも問題になる。何が効いたのか分からなくなるため、変えるのは一度に一か所にしたい。
前提として、採用手法に万能なものはない。合わないものを続けるより、合わないと分かった段階で早く手を引くほうが、結果的に採用人数は増える。
条件を隠して進める
勤務地や転勤の有無を伏せたまま面談まで進めると、そこで辞退される。面談の時間が無駄になるだけでなく、印象も悪い。
更新する担当と頻度が決まっているかどうかという点は、最初の接触の段階で伝えておくほうが結果的に早い。
確認しておきたいこと
始める前、あるいは見直すときに、次の点を確認したい。
- いま誰がどの段階にいるかを一枚で見られるかどうか
- 更新する担当と頻度が決まっているかどうか
- 過去の選考の記録が残っているかどうか
- ツールを入れる前に運用の型ができているかどうか
応募者管理と選考の可視化を自社の言葉にする
高機能なツールを入れる前に、いま誰がどの段階にいるかを一枚で見られる状態を作るほうが先。
自社の話に落とすときは、いま誰がどの段階にいるかを一枚で見られる、更新する担当と頻度が決まっている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、過去の選考の記録が残っているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「地方企業には向いていない」という思い込みも実態と合わない。むしろ、知名度に依存せず、移動を伴わずに県外の学生と接点を持てるという点で、地方企業のほうが効き目は大きい。
「返信がないのは学生が見ていないから」と結論づけるのは早い。開封されているかどうかで原因はまったく違う。段階を分けて見ないと、直す場所を間違える。
「新卒のスカウトは大手がやるもの」という思い込みもある。むしろ知名度で劣る会社ほど、こちらから名指しで声をかける手段の価値は大きい。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- いま誰がどの段階にいるかを一枚で見られるかどうか
- 更新する担当と頻度が決まっているかどうか
- 過去の選考の記録が残っているかどうか
- ツールを入れる前に運用の型ができているかどうか
埋まっていない項目が多いときほど、全部を一度に片づけたくなる。しかし同時に動かすと、どれが効いたのか分からなくなる。一つずつ変えたい。
よくある質問
Q. 何人に送ればいいですか。
必要な内定承諾数から逆算して、返信率と面談率の見込みを置くと、おおよその本数が出ます。実績がないうちは仮の数字で構いません。置かないと、足りているのかどうかが分からないまま時間が過ぎます。
Q. 返信が来ません。どこを直すべきですか。
開封されていないのか、開封されて返信がないのかで直す場所が違います。前者なら件名、後者なら冒頭3行の個別化を疑います。一度に複数を変えると何が効いたか分からなくなるので、変えるのは一か所ずつにします。
Q. 送る相手をどこまで絞るべきですか。
面談に来てほしい人だけに絞るのが原則です。数を確保するために条件を広げると、返信は増えても面談につながらず、対応の時間だけが増えます。
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この記事のまとめ
重要なのは、施策を増やすことではなく、うまくいかなかった理由を毎回言葉にして残しておくことである。それがそのまま翌年の採用設計の土台になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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