応募者管理と選考の可視化|かかる工数と続けられる体制
同じ募集要項を数年使い続けている会社は少なくない。市場も学生の関心も動いているのに、伝える内容だけが止まっていれば、反応が落ちるのは当然である。
止まる理由は工数
スカウト運用が止まる原因は、ほぼ例外なく工数である。文面の質でも、サービスの良し悪しでもない。
高機能なツールを入れる前に、いま誰がどの段階にいるかを一枚で見られる状態を作るほうが先。
作業を分解して数える
工程は6つに分けられる。条件の調整、プロフィールの確認、文面の個別化、送信、返信対応、日程調整。それぞれ実測してみたい。
見積もりの倍かかるのはよくある話である。実測してから、確保できる時間に収まる本数を決めたい。
ここでの話は、あくまで判断の材料である。最終的にどうするかは、自社が確保できる人手と予算のなかで決めることになる。
減らせる工数を探す
テンプレートは手を抜くためではなく、毎回の判断を減らして個別化に時間を使うために作る。骨格を固定して、変える部分だけに集中したい。
過去の選考の記録が残っているかどうかという部分も、事前に決めておけば毎回考えずに済む。
外に出す判断
確保できる時間に対して必要な工数が多すぎるなら、内製にした時点で止まることが決まっている。早めに外に出したほうが結果は出る。
当社はOfferBoxの運用代行を完全成果報酬型で提供している。入社の承諾に至ったときにのみ費用が発生するため、固定費を増やさずに手法を増やせる。
応募者管理と選考の可視化を自社の言葉にする
高機能なツールを入れる前に、いま誰がどの段階にいるかを一枚で見られる状態を作るほうが先。
自社の話に落とすときは、いま誰がどの段階にいるかを一枚で見られる、更新する担当と頻度が決まっている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、過去の選考の記録が残っているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「スカウトは数を送れば当たる」という前提で始めると、たいてい途中で止まる。送信数を目標にすると個別化の手間が削られ、返信率が落ちるという逆の結果になりやすい。
「代行に任せれば丸ごと解決する」というのは誤解である。誰を採るか、どの条件で絞るか、何を伝えるか。この判断が自社で決まっていないと、誰が手を動かしても成果は出ない。
「新卒のスカウトは大手がやるもの」という思い込みもある。むしろ知名度で劣る会社ほど、こちらから名指しで声をかける手段の価値は大きい。
自社に当てはめて考える
ここまでの内容を自社に当てはめるとき、確認しておきたいのは次の点である。答えられない項目が、そのまま次に手をつける場所になる。
- いま誰がどの段階にいるかを一枚で見られるかどうか
- 更新する担当と頻度が決まっているかどうか
- 過去の選考の記録が残っているかどうか
- ツールを入れる前に運用の型ができているかどうか
項目を埋めた結果は記録に残しておく。翌年の担当者が同じところから考え直さずに済むのは、この記録があるかどうかで決まる。
よくある質問
Q. テンプレートを使うと機械的に見えませんか。
テンプレートは手を抜くためではなく、毎回の判断を減らして個別化に時間を使うために作ります。骨格を固定して、冒頭の「なぜあなたなのか」の部分だけ毎回書く、という使い方であれば機械的にはなりません。
Q. 送る相手をどこまで絞るべきですか。
面談に来てほしい人だけに絞るのが原則です。数を確保するために条件を広げると、返信は増えても面談につながらず、対応の時間だけが増えます。
Q. 文面は誰が書くべきですか。
最初は採用の判断をする人が書いたほうが早く型が固まります。何を伝えれば来てくれるかが分かってから、他の人や外部に渡すと、精度を落とさずに量を増やせます。
あわせて読みたい
- スカウト採用の立ち上げ|最初から完成形を目指さず、少数に送って反応を見ながら文面と条件を直すほうが早い。
- スカウトの年間スケジュール|学生が動く時期と企業が動きたい時期はずれている。
- スカウト運用の内製と外注|内製か外注かは費用ではなく、継続できるかどうかで決めるべき。
- インターンシップ|インターンは会社を知ってもらう場であると同時に、こちらが学生を見極める場でもある。
- 合同説明会・就職イベント|ブースに座って待つだけでは、知名度のある企業に人が流れる。
- 早期離職・定着|早期離職は配属後の問題ではなく、採用時に伝えた情報の問題であることが多い。
この記事のまとめ
全部を一度にやる必要はない。この記事のなかで、自社がまだ手をつけていないものを一つだけ選んで、次の採用シーズンの頭に置いてみてほしい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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