茨城県の新卒採用計画の立て方|人数の前に決めること
採用がうまくいっている会社が特別なことをしているとは限らない。社内では当たり前になっていることを、外から見て分かる言葉に直せているかどうかの差であることが多い。
人数の前に、配属と役割を決める
「来年は3名」とだけ決めて動き出す会社は多い。しかし、どの部署に配属し、何を任せるかが決まっていないと、求める人物像も決まらず、面接での判断もぶれる。
配属先の上長を計画づくりに巻き込むと、この部分は自然と具体になる。人事だけで決めた計画は、現場の協力を得にくい。
逆算してスケジュールを引く
入社時期から逆算して、内定を出す時期、選考を始める時期、接点を作り始める時期を置いていく。ここで初めて、いつ何をすべきかが見える。
大手と同じ時期に動くと、比較されたときに不利になる。前倒しするか、逆に秋以降の層を狙うか。どちらにしても、意図を持って時期をずらしたい。
ここで書いていることは、採用人数が年に1〜2名の会社と、10名以上採る会社とでは重みが変わる。自社の規模に合わせて、どこまでやるかを決めていただきたい。
手法ごとに目標を割り振る
必要な内定承諾数から逆算して、各段階で何人必要かを出す。承諾率、内定率、面接通過率を昨年の実績から置けば、必要な母集団の数が出る。
数字を置いたら、手法ごとに何人ずつ担当させるかを決める。茨城県の企業なら、学校経由・イベント・スカウトの3経路に割り振る形が組みやすい。
途中で見直す前提にする
計画は当たらない。重要なのは、ずれたときに気づけるかどうかである。四半期ごとに、母集団の数と選考の進捗を確認する場を先に設定しておきたい。
足りないと分かった時点で打てる手があるかどうかが分かれ目になる。年度末に気づいても、その年はもう動かせない。
計画に入れておく項目
採用計画として最低限まとめておきたいのは次の項目である。
- 採用人数と、配属先・任せる役割
- 入社時期から逆算したスケジュール
- 各段階の目標人数(母集団・応募・面接・内定・承諾)
- 使う手法と、手法ごとの目標人数
- 予算と、担当者が確保できる時間
- 進捗を確認する時期と、そのときの判断基準
茨城県の採用を考えるときの基礎データ
茨城県の主な産業は素材・化学、電機、研究開発、農業である。企業の集積は水戸市とつくばに偏りやすく、日立・ひたちなかに拠点を置く会社ほど、通勤と住まいの条件を先に示さないと比較の土俵に乗りにくい。
県内の主な高等教育機関としては茨城大学、筑波大学が挙げられる。学校経由の接点はここが起点になるが、それだけでは県外に進学した茨城出身の学生には届かない。両者は別の対象として設計したい。
関東という括りで見ると、茨城の企業が比較される相手は三つに分かれる。関東の同業、水戸市に拠点を持つ企業、そして学生が進学先で接している都市部の企業である。どれと比べられているかで、出すべき条件が変わる。
よくある誤解
「地方だから条件で負ける」というのも、半分しか当たっていない。額面では確かに都市部が上回ることが多いが、通勤時間と住居費まで含めた比較にすれば話は変わる。ただし、その計算を学生が自分ですることはない。茨城県で働いた場合の数字を、会社の側で用意する必要がある。
「知名度がないから採用できない」という説明も、そこで止めると打ち手が出てこない。知らない会社であることは、個別に声をかければ解消できる。問題は、知った後に志望度が上がる材料が用意されていないことのほうである。
「学生は都会に出たがる」と決めつけるのも危うい。茨城県での勤務を希望している学生は実際に存在するが、その層は地元の説明会にも求人媒体にも接していないことが多い。見つけられないことと、いないことは別である。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 茨城県のどの生活圏の学生を対象にするかが決まっているかどうか
- 募集要項に勤務地が市区町村まで書かれているかどうか
- 接点の経路ごとに昨年の実績人数を出せるかどうか
- 応募から一次面接までの日数が決まっているかどうか
項目を埋めた結果は記録に残しておく。翌年の担当者が同じところから考え直さずに済むのは、この記録があるかどうかで決まる。
よくある質問
Q. 勤務地はどこまで具体的に書くべきですか。
市区町村までは必ず書きます。水戸・つくば・日立のどこなのかで通勤も住まいもまったく変わるため、都道府県名だけでは学生が自分の毎日を想像できません。あわせて通勤手段(車が必要かどうか)と、複数拠点がある場合は配属の可能性がある拠点をすべて挙げておくと、終盤での辞退が減ります。
Q. オンラインでの選考だけで内定を出してもよいのでしょうか。
対面の機会をどこかに一度は入れたほうが、入社後のずれは減ります。ただし茨城県の企業が県外の学生を対象にする場合、最初から対面を求めると接点そのものが作れません。序盤はオンラインで完結させ、終盤で一度来てもらう(交通費の扱いを先に明示する)という順番が現実的です。
Q. 学校のキャリアセンターに行っても相手にされません。
キャリアセンターは、送り出した学生がどうなるかに責任を感じています。実績のない会社の求人をいきなり前に出すことはしません。求人票ではなく「どんな仕事を、どんな学生に任せたいか」を説明する資料を持って、複数年かけて関係を作る前提で臨みたいところです。
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この記事のまとめ
ここまでの内容は、どれも一度決めれば終わりというものではない。毎年の採用のなかで結果を見ながら調整していく前提で、まずは仮でよいので決め切ることをすすめたい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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