スカウトのターゲット設計|他の手法との使い分け
求人を出せば応募が来た時代の設計のまま、媒体だけを増やしている会社は多い。工数は増えるのに結果が変わらないのは、やり方ではなく前提が古いためである。
手法ごとに出会える層が違う
媒体やイベントは認知済みの人が訪れる場、学校推薦は学校が選んだ人に会う場。これに対してスカウトは、自社が選んだ相手に届ける手段である。
検索条件を広げると送信数は稼げるが返信率が落ちる。狭めて深く読むほうが、結果的に面談数は増える。
置き換えではなく補完
既存の手法をやめてスカウトに切り替える、という考え方は必ずしも正しくない。出会える層が重ならないので、細い経路を太くするという発想のほうが合う。
とはいえ時間は限られている。足すときは、必ず引くものを決めておきたい。
なお、ここで挙げた順番が唯一の正解ではない。すでに手をつけている部分があるなら、そこは飛ばして次に進んでいただきたい。
判断の基準
手法を評価するときは、昨年それで何人採れたかを見る。ゼロだった手法は、条件が変わらなければ今年も同じ結果になる。
県内在住と県外在住を分けて条件を組んでいるかどうかという観点も、手法を選ぶときの判断材料になる。
組み合わせの確認項目
複数の手法を走らせるなら、次の点を確認したい。
- 勤務地の希望を条件の中心に置いているかどうか
- 県内在住と県外在住を分けて条件を組んでいるかどうか
- 条件を広げたときの返信率の変化を記録しているかどうか
- 検索条件が求める人物像と対応しているかどうか
スカウトのターゲット設計を自社の言葉にする
検索条件を広げると送信数は稼げるが返信率が落ちる。狭めて深く読むほうが、結果的に面談数は増える。
自社の話に落とすときは、勤務地の希望を条件の中心に置いている、県内在住と県外在住を分けて条件を組んでいる、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、条件を広げたときの返信率の変化を記録しているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「スカウトは数を送れば当たる」という前提で始めると、たいてい途中で止まる。送信数を目標にすると個別化の手間が削られ、返信率が落ちるという逆の結果になりやすい。
「代行に任せれば丸ごと解決する」というのは誤解である。誰を採るか、どの条件で絞るか、何を伝えるか。この判断が自社で決まっていないと、誰が手を動かしても成果は出ない。
「新卒のスカウトは大手がやるもの」という思い込みもある。むしろ知名度で劣る会社ほど、こちらから名指しで声をかける手段の価値は大きい。
自社に当てはめて考える
次の項目は、採用担当だけでは答えられないものを含んでいる。配属先の上長と一緒に確認するほうが早く埋まる。
- 勤務地の希望を条件の中心に置いているかどうか
- 県内在住と県外在住を分けて条件を組んでいるかどうか
- 条件を広げたときの返信率の変化を記録しているかどうか
- 検索条件が求める人物像と対応しているかどうか
一つ選んだら、次の採用シーズンが始まる前に片づけておきたい。始まってからでは、日々の対応に追われて手をつけられなくなる。
よくある質問
Q. 運用が続きません。
止まる原因はほぼ例外なく工数です。文面の質でもサービスの良し悪しでもありません。週に確保できる時間を先に決めて、その時間で回る本数に運用を合わせるほうが続きます。
Q. 送る相手をどこまで絞るべきですか。
面談に来てほしい人だけに絞るのが原則です。数を確保するために条件を広げると、返信は増えても面談につながらず、対応の時間だけが増えます。
Q. 文面は誰が書くべきですか。
最初は採用の判断をする人が書いたほうが早く型が固まります。何を伝えれば来てくれるかが分かってから、他の人や外部に渡すと、精度を落とさずに量を増やせます。
あわせて読みたい
- OfferBoxの基本|学生がプロフィールを登録し、企業がそれを見てオファーを送る形式のサービス。
- 開封率・返信率の改善|開封されない原因と、開封されたのに返信がない原因はまったく別。
- スカウト運用の内製と外注|内製か外注かは費用ではなく、継続できるかどうかで決めるべき。
- 知名度に頼らない採用|知名度は採用の前提条件ではない。
- 住宅手当・社宅・寮|地方採用では住まいの条件が志望度を直接動かす。
- 外国人材の採用|在留資格と職務内容の対応を先に確認しないと、内定後に進められなくなる。
この記事のまとめ
今年の採用で分かったことを、来年の担当者が読める形にして残す。これをやっている会社とやっていない会社の差は、3年も経てば埋めがたいものになる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964