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医療・介護・福祉が求める人物像をどう決めるか|面接で評価がぶれないために

選考の途中で学生が離れていくとき、原因は最後の面接ではなく、最初に何を伝えたかにある。入口で渡した情報が薄いほど、終盤で比較に負ける。

理想像から作るとぶれる

医療・介護・福祉の企業でよくあるのは、人物像が職種と切り離されて決まっているケースである。生活相談員と事務では必要な資質が違うのに、同じ基準で面接すると評価が混乱する。

出発点に置くのは、実在する社員である。いま活躍している人が入社時点で何を持っていたかを振り返るほうが、理想像を議論するより早い。

行動で書く

人物像は、性格ではなく行動で書くと面接で使える。「積極的」ではなく「分からないことを、その場で質問できる」と書けば、面接で確認する方法まで決まる。

医療・介護・福祉の仕事に即して言えば、生活相談員なら「相手の話を遮らずに最後まで聞ける」、事務なら「手順を守ったうえで改善点を言える」のように、業務の場面に紐づけて書きたい。

なお、制度やサービスの仕様は変わる。この記事の内容は考え方の部分を中心にしているが、具体的な手続きは必ず一次情報で確認してほしい。

外していい条件を決める

人物像と同じくらい大事なのが、「これは求めない」と決めることである。学部、資格、経験。外してよい条件を外すと、母集団は一気に広がる。

資格職と総合職で採用の設計がまったく違う。総合職を採るなら、施設の仕事ではなく法人運営の仕事として説明しないと候補者の層が広がらない。

社内で像を揃える

決めた人物像は、面接に出る全員で共有する。文章を配るより「〇〇さんのような人」と実在の社員の名前で伝えるほうが、確実に像が揃う。

面接後に評価が割れたときは、人物像の解釈がずれている合図である。その場で議論して、言葉を直しておきたい。

医療・介護・福祉で募集する職種を分けて考える

医療・介護・福祉が新卒で募集する職種は、生活相談員、事務、人事、ケアスタッフなどに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。

たとえば生活相談員とケアスタッフでは、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。

資格職と総合職で採用の設計がまったく違う。総合職を採るなら、施設の仕事ではなく法人運営の仕事として説明しないと候補者の層が広がらない。

よくある誤解

「条件を良くすれば採れる」という考え方も、思ったほど当たらない。初任給は応募するかどうかの入口では強く効くが、入社を決める段階では決め手にならないことが多い。入口で足切りされない水準を確保したうえで、決め手は別に用意する設計になる。

「採用サイトにお金をかければ応募が来る」という期待も外れやすい。見た目より、仕事内容・条件・選考の流れ・社員の実例が揃っているかどうかで判断されている。

「同業に勝てないから他業種から採る」という発想は方向としては正しいが、そのままでは伝わらない。他業種の学生には、医療・介護・福祉の仕事が何に似ているかを説明する言葉が要る。

自社に当てはめて考える

次の項目は、採用担当だけでは答えられないものを含んでいる。配属先の上長と一緒に確認するほうが早く埋まる。

  • 医療・介護・福祉で募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
  • 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
  • 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
  • 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか

一度埋めたら終わりではない。翌年の採用が始まる前にもう一度見直すと、前提が変わっている箇所が見つかる。

よくある質問

Q. 同業他社と条件で横並びになってしまいます。

条件で並ぶなら、任される範囲で差をつけるしかありません。入社1年目に何を任せるか、3年目に何を任せるかを具体的に書けると、同じ条件でも見え方が変わります。規模が小さいほど、この部分は書きやすいはずです。

Q. インターンをやるべきでしょうか。

目的が決まっているならやる価値があります。認知を広げるためなのか、こちらが見極めるためなのかで、内容も期間も変わります。決めないまま始めると職場見学の域を出ず、工数だけがかかります。

Q. 技術職と事務職で、採用の進め方は変えるべきですか。

変えたほうがよいです。生活相談員と事務では、学生が比較する相手も、判断の軸も違います。募集要項・接点の作り方・面接で見る項目を、職種ごとに分けて設計したいところです。

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この記事のまとめ

重要なのは、施策を増やすことではなく、うまくいかなかった理由を毎回言葉にして残しておくことである。それがそのまま翌年の採用設計の土台になる。

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この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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