1. 地方採用ラボ
  2. 地方採用のテーマ
  3. 地元志向の学生
  4. 地元志向の学生|企業が自社で動かせる範囲

地元志向の学生|企業が自社で動かせる範囲

採用の相談を受けると、多くの会社が手法の話から始める。ところが実際に効くのは、誰に向けて何を伝えるかを決め直すという、手法より前の段階であることが多い。

変えられないものと変えられるもの

構造そのものは一社では変えられない。変えられるのは、その構造のなかで自社がどう見えるかと、誰に情報を届けるかである。

地元志向は待遇の妥協と同義ではない。地元で働きたいという前提の上で、条件は比較されている。

情報の出し方を変える

このテーマに関わる情報を、募集要項や採用ページに書いている会社は少ない。書かれていないから比較されないのではなく、判断材料がないから候補から外れている。

書くときは、制度の有無ではなく金額と条件まで落としたい。「あり」とだけ書かれた項目は、判断材料として機能しない。

なお、他社がやっているという理由だけで手法を増やすのは避けたい。工数が分散し、どれも中途半端になるほうが採用にとっては痛手になる。

届ける相手を変える

待って集める手法では、このテーマに関心のある層に届かない。こちらから個別に声をかける経路があると、狙って届けられる。

待遇面で比較されている前提に立てているかどうかという条件で相手を絞れると、限られた工数でも成果につながりやすい。

自社で確認すること

現状を以下の観点で点検しておきたい。

  • 地元で働くことの実利を金額で示せているかどうか
  • 待遇面で比較されている前提に立てているかどうか
  • 地元の学生が集まる接点を把握しているかどうか
  • 地元志向を理由に条件を下げていないかどうか

地元志向の学生を自社の言葉にする

地元志向は待遇の妥協と同義ではない。地元で働きたいという前提の上で、条件は比較されている。

自社の話に落とすときは、地元で働くことの実利を金額で示せている、待遇面で比較されている前提に立てている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。

あわせて、地元の学生が集まる接点を把握しているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。

よくある誤解

「制度や補助金があるから大丈夫」という前提で採用計画を組むのは危うい。要件も金額も年度ごとに変わるため、制度がなくても成立する計画を先に作っておきたい。

「このテーマは大企業の話」と切り分けてしまうのは惜しい。規模が小さい会社のほうが、決めたことをすぐ実行に移せるぶん、手を打ちやすい面もある。

「学生の価値観が変わったから仕方ない」という説明は、そこで思考が止まる。変わったのが事実なら、伝える内容を変えるという打ち手が残っている。

自社に当てはめて考える

最後に、自社の状態を点検する項目を挙げておく。全部を同時に埋める必要はなく、影響が大きそうなものを一つ選べば十分である。

  • 地元で働くことの実利を金額で示せているかどうか
  • 待遇面で比較されている前提に立てているかどうか
  • 地元の学生が集まる接点を把握しているかどうか
  • 地元志向を理由に条件を下げていないかどうか

一度埋めたら終わりではない。翌年の採用が始まる前にもう一度見直すと、前提が変わっている箇所が見つかる。

よくある質問

Q. このテーマは自社にも当てはまりますか。

地域や業種によって影響の大きさは変わります。昨年の選考で、このテーマに関わる理由の辞退があったかどうかを確認するのが、いちばん確実な判断材料になります。

Q. 効果が出るまでどのくらいかかりますか。

年度をまたいで効いてくるものが多く、数週間では判断できません。短期で見るなら、選考中に学生から出る質問の変化を手がかりにするとよいです。

Q. 同業他社も同じことを言っています。

同じ言葉を使っていても、具体の粒度で差がつきます。制度の有無ではなく金額と条件、雰囲気ではなく実際の一日。ここまで落とせている会社は多くありません。

あわせて読みたい

この記事のまとめ

採用の設計は、一度作ったら終わりではない。毎年の結果を見て、どこを変えてどこを変えないかを決める作業そのものが設計である。

地方採用採用実務地元志向の学生地方採用のテーマ

この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964