人材・アウトソーシングで新卒の母集団を作る|応募が集まらないときの切り分け
知名度で大手に勝てないことは、採用の前提として受け入れてよい。問題は、知名度がないこと自体ではなく、知名度がないまま同じ土俵で戦おうとしてしまうことにある。
原因は3つのどれかにある
応募が来ないとき、原因は露出・条件・訴求のどれかにある。順に切り分けないまま媒体だけ増やしても、同じ結果を繰り返す。
露出の問題なら、そもそも学生の目に触れていない。条件の問題なら、見られているが足切りされている。訴求の問題なら、条件は合っているが選ばれていない。人材・アウトソーシングの場合、三つ目であることが多い。
人材・アウトソーシングのイメージが足切りを生む
同業に応募する学生は業界研究が進んでいるので、他社との違いを事業モデルの言葉で説明できないと見抜かれる。
業種名だけで判断されると、キャリアアドバイザー・法人営業・運用スタッフといった仕事の中身が見られる前に候補から外れる。募集要項の冒頭を業種の説明ではなく仕事の説明から始めるだけでも、読まれ方が変わる。
ここで書いていることは、採用人数が年に1〜2名の会社と、10名以上採る会社とでは重みが変わる。自社の規模に合わせて、どこまでやるかを決めていただきたい。
こちらから探しに行く経路を持つ
待って集める手法では、業種のイメージで足切りする層には届かない。個別に声をかけられる経路があれば、その層にも仕事の中身から説明できる。
スカウト型のサービスでは、学生のプロフィールを読んでから送る相手を決める。業種で敬遠する層を最初から外し、相性のよい層にだけ時間を使える。
経路ごとに数える
経路を6つに分けて、昨年それぞれ何人だったかを並べる。合計では見えなかった偏りが、この作業だけで分かる。
多くの会社は一つの経路に依存している。その経路が不調だった年に採用できなくなるのは、このためである。
人材・アウトソーシングで募集する職種を分けて考える
人材・アウトソーシングが新卒で募集する職種は、キャリアアドバイザー、法人営業、運用スタッフなどに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえばキャリアアドバイザーと運用スタッフでは、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
同業に応募する学生は業界研究が進んでいるので、他社との違いを事業モデルの言葉で説明できないと見抜かれる。
よくある誤解
「若手が定着しないのは世代の問題」という説明は、原因の特定を止めてしまう。採用時に伝えた情報と実際の仕事にずれがなかったかを確認するほうが、次の打ち手につながる。
「人材・アウトソーシングの仕事は入ってみないと分からない」という説明は、聞く側からすると判断を放棄されたように映る。一日の流れと、最初の1年で任せる範囲だけでも書いておきたい。
「求人票は法務的に問題がなければよい」という扱いをしている会社は多い。読んで応募するかどうかを決める文書なので、条件の羅列で終わらせると比較の土俵に乗らない。
自社に当てはめて考える
実行に移す前に、いまの状態を書き出しておきたい。書き出してみると、思っていたより決まっていないことが見つかる。
- 人材・アウトソーシングで募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
一度埋めたら終わりではない。翌年の採用が始まる前にもう一度見直すと、前提が変わっている箇所が見つかる。
よくある質問
Q. 業種名だけで敬遠されている感じがします。
人材・アウトソーシングという括りで判断されると、仕事の中身が見られる前に候補から外れます。募集要項の冒頭を業種の説明ではなく仕事の説明から始める、スカウトの文面で業種名を先頭に置かない、といった順番の入れ替えだけでも読まれ方が変わります。
Q. 職種ごとに募集要項を分ける必要はありますか。
分けたほうが応募は増えます。キャリアアドバイザー・法人営業・運用スタッフでは、学生が比較する相手も判断の軸も違います。ひとつにまとめると、どの職種の学生にも刺さらない文章になります。
Q. 求人票に残業時間まで書く必要がありますか。
書いたほうが結果的に得になります。伏せておくと入社後に跳ね返り、早期離職という形で採用コストに戻ってきます。実態を書いたうえで、会社としてどう向き合っているかを添えるのが扱いやすい形です。
あわせて読みたい
- 製造業|工場の立地がそのまま勤務地になるため、通勤圏の説明を省くと終盤で辞退が出る。
- 建設・土木|資格取得の支援と、休日・残業の実態をどこまで正直に書けるかが応募の分かれ目になる。
- 卸売・商社|扱う商材が学生に伝わりにくく、「何をしている会社か分からない」で終わりやすい。
- 採用ブランディング|ブランディングは広告を打つことではない。
- スカウトのターゲット設計|検索条件を広げると送信数は稼げるが返信率が落ちる。
- 新卒ダイレクトリクルーティング媒体の選び方|媒体ごとに学生の層と使い方が違う。
この記事のまとめ
重要なのは、施策を増やすことではなく、うまくいかなかった理由を毎回言葉にして残しておくことである。それがそのまま翌年の採用設計の土台になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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