食品・飲料の新卒採用|地方の中小企業が押さえておく全体像
施策を増やしても採用人数が増えないのは、工数が分散しているからである。手を広げるほど一つあたりの密度が下がり、どれも決め手にならなくなる。
食品・飲料の採用が難しくなる理由
食品・飲料の新卒採用でつまずく会社の多くは、募集の方法ではなく、学生から見た業種のイメージでつまずいている。仕事の中身が伝わる前に、業種名だけで候補から外されている状態である。
地方に本社を置く企業が多く、地元での知名度は高いのに学生には「工場の仕事」としか見えていないことが多い。開発・品質・営業まで含めた仕事の幅を示せると母集団が変わる。
募集する職種ごとに市場が違う
食品・飲料の企業が新卒で募集する職種は、商品開発・品質管理・生産管理などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸もまったく変わる。
商品開発であれば同業他社との比較になりやすく、品質管理であれば業種をまたいだ比較になる。募集要項を職種ごとに書き分けていない会社は、ここで損をしている。
なお、制度やサービスの仕様は変わる。この記事の内容は考え方の部分を中心にしているが、具体的な手続きは必ず一次情報で確認してほしい。
地方企業としての条件を先に出す
勤務地、通勤手段、転勤の有無、住まいの支援。これらは業種を問わず学生が気にする条件だが、書かれていないことが多い。書かないと、終盤の辞退という形で跳ね返る。
不利に見える条件を先に出せば母数は減る。ただし減るのは、その条件で結局は辞退したはずの層である。選考にかける時間を思えば、先に出すほうが得になる。
優先順位のつけ方
食品・飲料の中小企業が手をつける順番としては、①募集要項を職種ごとに書き直す ②こちらから声をかける経路を作る ③選考のスピードを上げる、の順が効きやすい。どれも予算をかけずに着手できる。
手法を増やす前に、足元の3つを片づけたい。土台が整っていない状態で露出だけ広げても、通り過ぎる人数が増えるだけである。
食品・飲料で募集する職種を分けて考える
食品・飲料が新卒で募集する職種は、商品開発、品質管理、生産管理、営業、製造などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえば商品開発と製造では、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
地方に本社を置く企業が多く、地元での知名度は高いのに学生には「工場の仕事」としか見えていないことが多い。開発・品質・営業まで含めた仕事の幅を示せると母集団が変わる。
よくある誤解
「採用サイトにお金をかければ応募が来る」という期待も外れやすい。見た目より、仕事内容・条件・選考の流れ・社員の実例が揃っているかどうかで判断されている。
「学生は安定を求めている」という説明も、言葉が大きすぎる。何をもって安定とするかは人によって違い、事業の継続性を指す人もいれば、勤務地が変わらないことを指す人もいる。
「同業に勝てないから他業種から採る」という発想は方向としては正しいが、そのままでは伝わらない。他業種の学生には、食品・飲料の仕事が何に似ているかを説明する言葉が要る。
自社に当てはめて考える
記事の内容をそのまま持ち込む必要はない。自社の条件に照らして、次の項目のうちどれが欠けているかを確認するところから始めたい。
- 食品・飲料で募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
一度埋めたら終わりではない。翌年の採用が始まる前にもう一度見直すと、前提が変わっている箇所が見つかる。
よくある質問
Q. 業種名だけで敬遠されている感じがします。
食品・飲料という括りで判断されると、仕事の中身が見られる前に候補から外れます。募集要項の冒頭を業種の説明ではなく仕事の説明から始める、スカウトの文面で業種名を先頭に置かない、といった順番の入れ替えだけでも読まれ方が変わります。
Q. 職種ごとに募集要項を分ける必要はありますか。
分けたほうが応募は増えます。商品開発・品質管理・生産管理では、学生が比較する相手も判断の軸も違います。ひとつにまとめると、どの職種の学生にも刺さらない文章になります。
Q. インターンをやるべきでしょうか。
目的が決まっているならやる価値があります。認知を広げるためなのか、こちらが見極めるためなのかで、内容も期間も変わります。決めないまま始めると職場見学の域を出ず、工数だけがかかります。
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この記事のまとめ
全部を一度にやる必要はない。この記事のなかで、自社がまだ手をつけていないものを一つだけ選んで、次の採用シーズンの頭に置いてみてほしい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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