食品・飲料の内定辞退を減らす|どの段階で志望度が落ちているか
施策を増やしても採用人数が増えないのは、工数が分散しているからである。手を広げるほど一つあたりの密度が下がり、どれも決め手にならなくなる。
辞退は選考の途中で決まっている
断りの連絡は結果の通知にすぎない。気持ちが離れたのはもっと前なので、内定後に手を尽くしても順位は動かない。
手を打つべきは、初回接触から一次面接までの間である。ここで志望度が動かなければ、その後どれだけ丁寧に扱っても順位は変わらない。
段階ごとに分けて数える
応募→説明会→一次→二次→最終→内定→承諾の各段階で何人が残ったかを分けて数える。全体の辞退率だけでは、どこを直せばいいか分からない。
序盤で落ちるなら情報提供、中盤なら仕事内容の伝わり方、終盤なら条件と意思決定の問題であることが多い。
ここで書いていることは、採用人数が年に1〜2名の会社と、10名以上採る会社とでは重みが変わる。自社の規模に合わせて、どこまでやるかを決めていただきたい。
食品・飲料でとくに起きやすいずれ
地方に本社を置く企業が多く、地元での知名度は高いのに学生には「工場の仕事」としか見えていないことが多い。開発・品質・営業まで含めた仕事の幅を示せると母集団が変わる。
商品開発・品質管理・生産管理のうちどの職種に配属されるかが決まっていないまま進めると、終盤で「思っていた仕事と違う」が出る。配属の決め方を先に説明しておきたい。
見極めと口説きを分ける
見極めと動機づけは場を分けたい。評価しない前提で現場社員と話す時間があるだけで、学生から出る質問の中身が変わる。
現場を見せられるなら、見せたほうがよい。来られない学生には、画面越しに職場を映すだけでも伝わるものがある。
食品・飲料で募集する職種を分けて考える
食品・飲料が新卒で募集する職種は、商品開発、品質管理、生産管理、営業、製造などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえば商品開発と製造では、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
地方に本社を置く企業が多く、地元での知名度は高いのに学生には「工場の仕事」としか見えていないことが多い。開発・品質・営業まで含めた仕事の幅を示せると母集団が変わる。
よくある誤解
「食品・飲料は学生に人気がないから仕方ない」という前提を置くと、そこから先の打ち手が出てこない。業種のイメージで足切りされているなら、業種名より先に仕事の中身を見せる順番に変えるだけで、読まれ方は変わる。
「食品・飲料の仕事は入ってみないと分からない」という説明は、聞く側からすると判断を放棄されたように映る。一日の流れと、最初の1年で任せる範囲だけでも書いておきたい。
「学生は安定を求めている」という説明も、言葉が大きすぎる。何をもって安定とするかは人によって違い、事業の継続性を指す人もいれば、勤務地が変わらないことを指す人もいる。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 食品・飲料で募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
答えられなかった項目のうち、最も影響が大きそうなものを一つだけ選び、いつまでに誰がやるかを決める。ここまで決めて初めて、点検が実行につながる。
よくある質問
Q. インターンをやるべきでしょうか。
目的が決まっているならやる価値があります。認知を広げるためなのか、こちらが見極めるためなのかで、内容も期間も変わります。決めないまま始めると職場見学の域を出ず、工数だけがかかります。
Q. 未経験でも採れる仕事かどうか、どう伝えればいいですか。
入社後1年目に任せる範囲と、そこに至るまでの教育の流れを書くのが分かりやすい形です。「未経験歓迎」という言葉だけでは、何をどこまで教えてもらえるのかが伝わりません。
Q. 社員の写真や声は必要でしょうか。
写真そのものより、何をしている人かが分かることが重要です。入社1〜3年目の社員が、どんな一日を過ごしているかを職種ごとに1件ずつ用意できると、それだけで比較の材料になります。
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この記事のまとめ
全部を一度にやる必要はない。この記事のなかで、自社がまだ手をつけていないものを一つだけ選んで、次の採用シーズンの頭に置いてみてほしい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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