金融(地銀・信金・保険)の新卒採用計画|人数の前に決めること
選考の途中で学生が離れていくとき、原因は最後の面接ではなく、最初に何を伝えたかにある。入口で渡した情報が薄いほど、終盤で比較に負ける。
配属と役割を先に決める
採用人数だけを決めて動き出すと、求める人物像も決まらず、面接での判断もぶれる。どの部署に配属し、何を任せるかを先に決めたい。
金融(地銀・信金・保険)であれば、総合職・法人営業・事務企画のどの職種を何人採るかまで落とす。職種が決まると、必要な母集団も手法も自動的に決まってくる。
逆算してスケジュールを引く
入社時期から逆算して、内定を出す時期、選考を始める時期、接点を作り始める時期を置く。ここで初めて、いつ何をすべきかが見える。
大手と同じ時期に動くと比較されたときに不利になる。前倒しするか、秋以降の層を狙うか。意図を持って時期をずらしたい。
なお、制度やサービスの仕様は変わる。この記事の内容は考え方の部分を中心にしているが、具体的な手続きは必ず一次情報で確認してほしい。
手法ごとに目標を割り振る
欲しい承諾者数から遡って各段階の人数を出す。前例がなければ仮置きで構わない。数字がないと過不足の判断ができない。
地域経済の担い手という立ち位置は学生に伝わりやすいが、業務の変化が伝わっていない。デジタル化と法人支援の実務を語れると、志望動機の質が上がる。
計画に入れておく項目
計画書に落とすなら、以下は押さえておきたい。
- 職種ごとの採用人数と配属先
- 入社時期から逆算したスケジュール
- 各段階の目標人数(母集団・応募・面接・内定・承諾)
- 使う手法と、手法ごとの目標人数
- 予算と、担当者が確保できる時間
- 進捗を確認する時期と判断基準
金融(地銀・信金・保険)で募集する職種を分けて考える
金融(地銀・信金・保険)が新卒で募集する職種は、総合職、法人営業、事務企画、システムなどに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえば総合職とシステムでは、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
地域経済の担い手という立ち位置は学生に伝わりやすいが、業務の変化が伝わっていない。デジタル化と法人支援の実務を語れると、志望動機の質が上がる。
よくある誤解
「条件を良くすれば採れる」という考え方も、思ったほど当たらない。初任給は応募するかどうかの入口では強く効くが、入社を決める段階では決め手にならないことが多い。入口で足切りされない水準を確保したうえで、決め手は別に用意する設計になる。
「若手が定着しないのは世代の問題」という説明は、原因の特定を止めてしまう。採用時に伝えた情報と実際の仕事にずれがなかったかを確認するほうが、次の打ち手につながる。
「金融(地銀・信金・保険)の仕事は入ってみないと分からない」という説明は、聞く側からすると判断を放棄されたように映る。一日の流れと、最初の1年で任せる範囲だけでも書いておきたい。
自社に当てはめて考える
ここからは自社の話になる。社内で答えが揃わない項目があれば、そこが手をつける場所だと考えてよい。
- 金融(地銀・信金・保険)で募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
確認した内容は、配属先の上長にも共有しておきたい。採用担当だけが把握している状態だと、判断が必要になったときに止まる。
よくある質問
Q. 業種名だけで敬遠されている感じがします。
金融(地銀・信金・保険)という括りで判断されると、仕事の中身が見られる前に候補から外れます。募集要項の冒頭を業種の説明ではなく仕事の説明から始める、スカウトの文面で業種名を先頭に置かない、といった順番の入れ替えだけでも読まれ方が変わります。
Q. 配属先を約束してもよいのでしょうか。
約束できるなら、それは強い訴求になります。約束できないなら「どう決まるか」を説明するだけでも不安はかなり減ります。曖昧にしたまま進めると、終盤で辞退の理由になります。
Q. 社員の写真や声は必要でしょうか。
写真そのものより、何をしている人かが分かることが重要です。入社1〜3年目の社員が、どんな一日を過ごしているかを職種ごとに1件ずつ用意できると、それだけで比較の材料になります。
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この記事のまとめ
採用は担当者の努力だけで決まる仕事ではない。経営の意思決定と現場の協力が要る以上、社内で共有できる形に書き出しておくことが先決になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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