スカウトの年間スケジュール|数字の見方と改善の順番
学生は会社を知らないのではなく、そもそも選択肢として認識していない。認識されていない状態から始める以上、こちらから名指しで声をかける手段が要る。
送信数だけを追わない
送信数を目標にすると、個別化の手間が削られて文面の質が落ちる。数を追うほど返信が減るという、逆の結果になりやすい。
学生が動く時期と企業が動きたい時期はずれている。逆算して前倒しできるかどうかで結果が変わる。
段階に分けて見る
開封・返信・面談・選考進出を分けて見ると、どこが詰まっているかが分かる。開封されないなら件名、開封されて返信がないなら本文、返信があって面談に至らないなら日程調整の手間を疑う。
全体の数字だけを見ていると、原因が特定できないまま文面を全部書き換えることになる。何が効いたのかも分からなくなる。
なお、他社がやっているという理由だけで手法を増やすのは避けたい。工数が分散し、どれも中途半端になるほうが採用にとっては痛手になる。
記録する項目
記録する項目は少なくてよい。多いと更新されなくなる。判断に使う項目だけを選びたい。
- 学生が動く時期から逆算して計画を引いているかどうか
- 帰省の時期を接点の設計に織り込んでいるかどうか
- 大手と同じ時期に並ばない工夫をしているかどうか
- 秋以降の層を対象に含めるか決めているかどうか
直す順番
一度に複数を変えると、何が効いたか分からなくなる。件名、冒頭の個別化、仕事内容の具体性、次の行動の軽さ、の順に一つずつ直したい。
学生が動く時期から逆算して計画を引いているかどうかという点も、数字と合わせて見ておくと判断がしやすくなる。
スカウトの年間スケジュールを自社の言葉にする
学生が動く時期と企業が動きたい時期はずれている。逆算して前倒しできるかどうかで結果が変わる。
自社の話に落とすときは、学生が動く時期から逆算して計画を引いている、帰省の時期を接点の設計に織り込んでいる、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、大手と同じ時期に並ばない工夫をしているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「登録すれば学生から反応が来る」という期待も、掲載型のサービスと混同している。オファー型は企業側の作業量がそのまま結果に直結するので、誰が何時間やるかを先に決めておく必要がある。
「文面が良ければ返信は来る」というのも一面的である。開封されていないなら件名の問題で、本文をどれだけ磨いても届かない。どの段階で落ちているかを分けて見たい。
「地方企業には向いていない」という思い込みも実態と合わない。むしろ、知名度に依存せず、移動を伴わずに県外の学生と接点を持てるという点で、地方企業のほうが効き目は大きい。
自社に当てはめて考える
ここからは自社の話になる。社内で答えが揃わない項目があれば、そこが手をつける場所だと考えてよい。
- 学生が動く時期から逆算して計画を引いているかどうか
- 帰省の時期を接点の設計に織り込んでいるかどうか
- 大手と同じ時期に並ばない工夫をしているかどうか
- 秋以降の層を対象に含めるか決めているかどうか
埋まっていない項目が多いときほど、全部を一度に片づけたくなる。しかし同時に動かすと、どれが効いたのか分からなくなる。一つずつ変えたい。
よくある質問
Q. 返信が来ません。どこを直すべきですか。
開封されていないのか、開封されて返信がないのかで直す場所が違います。前者なら件名、後者なら冒頭3行の個別化を疑います。一度に複数を変えると何が効いたか分からなくなるので、変えるのは一か所ずつにします。
Q. いつから送り始めればいいですか。
学生が動く時期から逆算して決めます。早い時期は返信率が読みにくく、遅い時期は他社と重なります。どちらにしても、送り始めてから型が固まるまでに1〜2か月はかかる前提で計画したいところです。
Q. 送る相手をどこまで絞るべきですか。
面談に来てほしい人だけに絞るのが原則です。数を確保するために条件を広げると、返信は増えても面談につながらず、対応の時間だけが増えます。
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この記事のまとめ
全部を一度にやる必要はない。この記事のなかで、自社がまだ手をつけていないものを一つだけ選んで、次の採用シーズンの頭に置いてみてほしい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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