スカウトの年間スケジュール|着手前のチェックリスト
求人を出せば応募が来た時代の設計のまま、媒体だけを増やしている会社は多い。工数は増えるのに結果が変わらないのは、やり方ではなく前提が古いためである。
点検してから動く
走り出してから足りないものに気づくと、途中で止まる。先に自社の状態を確認しておくほうが、結局は早い。
学生が動く時期と企業が動きたい時期はずれている。逆算して前倒しできるかどうかで結果が変わる。
基本の確認項目
まず、この項目に答えられるかどうかを見てほしい。答えられない項目が、そのまま次に手をつける場所になる。
ここで書いていることは、採用人数が年に1〜2名の会社と、10名以上採る会社とでは重みが変わる。自社の規模に合わせて、どこまでやるかを決めていただきたい。
- 学生が動く時期から逆算して計画を引いているかどうか
- 帰省の時期を接点の設計に織り込んでいるかどうか
- 大手と同じ時期に並ばない工夫をしているかどうか
- 秋以降の層を対象に含めるか決めているかどうか
体制の確認
内容より先に体制を見たい。誰が、いつ、どの権限で決めるのか。この3つが空いていると実行に移らない。
- 週あたりの作業時間を、曜日まで決めているか
- 返信が来たときの一次対応を誰が何時間以内にやるか決まっているか
- 面談に出られる社員と、対応できる曜日・時間帯が決まっているか
- 内定を出す判断を誰がするかが決まっているか
点検のあとにやること
答えられなかった項目のうち、影響が大きそうなものを一つだけ選ぶ。全部を同時に埋めようとすると、どれも終わらない。
担当と期限まで決めて、ようやく点検が意味を持つ。そこを飛ばすと、確認した事実だけが残る。
スカウトの年間スケジュールを自社の言葉にする
学生が動く時期と企業が動きたい時期はずれている。逆算して前倒しできるかどうかで結果が変わる。
自社の話に落とすときは、学生が動く時期から逆算して計画を引いている、帰省の時期を接点の設計に織り込んでいる、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、大手と同じ時期に並ばない工夫をしているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「地方企業には向いていない」という思い込みも実態と合わない。むしろ、知名度に依存せず、移動を伴わずに県外の学生と接点を持てるという点で、地方企業のほうが効き目は大きい。
「返信がないのは学生が見ていないから」と結論づけるのは早い。開封されているかどうかで原因はまったく違う。段階を分けて見ないと、直す場所を間違える。
「送る相手を広げれば母数が増える」というのは数の上では正しいが、返信率と対応工数まで含めると割に合わないことが多い。
自社に当てはめて考える
次の項目は、採用担当だけでは答えられないものを含んでいる。配属先の上長と一緒に確認するほうが早く埋まる。
- 学生が動く時期から逆算して計画を引いているかどうか
- 帰省の時期を接点の設計に織り込んでいるかどうか
- 大手と同じ時期に並ばない工夫をしているかどうか
- 秋以降の層を対象に含めるか決めているかどうか
一度埋めたら終わりではない。翌年の採用が始まる前にもう一度見直すと、前提が変わっている箇所が見つかる。
よくある質問
Q. 何人に送ればいいですか。
必要な内定承諾数から逆算して、返信率と面談率の見込みを置くと、おおよその本数が出ます。実績がないうちは仮の数字で構いません。置かないと、足りているのかどうかが分からないまま時間が過ぎます。
Q. テンプレートを使うと機械的に見えませんか。
テンプレートは手を抜くためではなく、毎回の判断を減らして個別化に時間を使うために作ります。骨格を固定して、冒頭の「なぜあなたなのか」の部分だけ毎回書く、という使い方であれば機械的にはなりません。
Q. いつから送り始めればいいですか。
学生が動く時期から逆算して決めます。早い時期は返信率が読みにくく、遅い時期は他社と重なります。どちらにしても、送り始めてから型が固まるまでに1〜2か月はかかる前提で計画したいところです。
あわせて読みたい
- OfferBoxの費用|費用の形が媒体掲載型とは違うため、社内の稟議の書き方も変わる。
- OfferBoxの運用|登録して終わりでは結果が出ない。
- 新卒ダイレクトリクルーティング媒体の選び方|媒体ごとに学生の層と使い方が違う。
- 選考フローの設計|選考が長い会社は、それだけで辞退される。
- 合同説明会・就職イベント|ブースに座って待つだけでは、知名度のある企業に人が流れる。
- 採用に使える補助金・助成金|制度は要件が細かく、申請の工数もかかる。
この記事のまとめ
採用の設計は、一度作ったら終わりではない。毎年の結果を見て、どこを変えてどこを変えないかを決める作業そのものが設計である。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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