採用単価・コスト|数字で見て、振り返りができる状態にする
採用がうまくいっている会社が特別なことをしているとは限らない。社内では当たり前になっていることを、外から見て分かる言葉に直せているかどうかの差であることが多い。
数えないと判断できない
採用単価・コストについて「うまくいっている」「いっていない」という感覚はあっても、数字で説明できる会社は少ない。数字がないと、来年どうするかの判断ができない。
単価は媒体費だけでは測れない。担当者の工数と、入社後に辞めた場合の再採用まで含めて初めて実態が見える。
何を数えるか
項目は少ないほうがよい。増やすほど更新が止まるので、判断に直接使うものだけに絞りたい。
なお、制度やサービスの仕様は変わる。この記事の内容は考え方の部分を中心にしているが、具体的な手続きは必ず一次情報で確認してほしい。
- 手法ごとの費用と内定承諾数を対応づけられるかどうか
- 採用にかかった担当者の総時間を数えているかどうか
- 入社1年以内の離職者数を把握しているかどうか
- 固定費と成果報酬の比率を意識して手法を選んでいるかどうか
結果より理由を残す
記録すべきは結果だけではない。なぜその判断をしたのかという理由のほうが、翌年に効く。条件が変わったときに、判断を見直せるからである。
道具は表計算ソフトで十分である。機能の多さより、更新が止まらない形になっているかどうかが効く。
振り返る場を決めておく
残すだけでは使われない。見る日をあらかじめ決めておかないと、記録は眠ったままになる。
振り返りでは、達成できたかどうかより、次に何を変えるかを決める。決めたことを記録に足して、翌年の起点にする。
採用単価・コストを自社の言葉にする
単価は媒体費だけでは測れない。担当者の工数と、入社後に辞めた場合の再採用まで含めて初めて実態が見える。
自社の話に落とすときは、手法ごとの費用と内定承諾数を対応づけられる、採用にかかった担当者の総時間を数えている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、入社1年以内の離職者数を把握しているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「うまくいかなかったのは手法が悪かったから」と結論づけると、次も同じところでつまずく。設計が間違っていたのか、設計は正しいが実行できていなかったのか、実行する人手がなかったのか。この3つは切り分けて考えたい。
「採用がうまくいかないのは予算がないから」という説明も、確かめる価値がある。予算をかけずにできること(募集要項の書き直し、選考スピードの改善、辞退理由の記録)を先に済ませてから判断したい。
「前任者のやり方を踏襲する」のは安全に見えて、実は理由が分からないまま続けることになる。なぜその手法を選んだのかを確認できないなら、いったん前提を置き直したほうがよい。
自社に当てはめて考える
最後に、自社の状態を点検する項目を挙げておく。全部を同時に埋める必要はなく、影響が大きそうなものを一つ選べば十分である。
- 手法ごとの費用と内定承諾数を対応づけられるかどうか
- 採用にかかった担当者の総時間を数えているかどうか
- 入社1年以内の離職者数を把握しているかどうか
- 固定費と成果報酬の比率を意識して手法を選んでいるかどうか
一つ選んだら、次の採用シーズンが始まる前に片づけておきたい。始まってからでは、日々の対応に追われて手をつけられなくなる。
よくある質問
Q. 社内で優先度が上がりません。
採用の話を人数の話だけで説明すると、経営層には緊急性が伝わりません。採れなかった場合に何が起きるか(どの業務が回らなくなるか)を配属先と一緒に言語化すると、判断が速くなります。
Q. 他社の事例をそのまま真似してもいいですか。
規模・業種・地域が違うと、同じ打ち手でも効き方が変わります。事例は「何をやったか」ではなく「なぜそれを選んだか」を読み取って、自社の条件に翻訳して使うほうが外しません。
Q. 担当者が代わると引き継げません。
引き継ぎで最も失われるのは、判断の理由です。何をやったかは記録に残っていても、なぜそうしたかが残っていないことが多い。記録には結果だけでなく理由を残しておきたいところです。
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この記事のまとめ
採用の設計は、一度作ったら終わりではない。毎年の結果を見て、どこを変えてどこを変えないかを決める作業そのものが設計である。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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