採用単価・コスト|進め方と、何から手をつけるか
知名度で大手に勝てないことは、採用の前提として受け入れてよい。問題は、知名度がないこと自体ではなく、知名度がないまま同じ土俵で戦おうとしてしまうことにある。
準備の段階で決めること
着手する前に、何のためにやるのかを一行で書けるようにしておきたい。採用単価・コストに取り組むこと自体が目的になると、成果の判断ができなくなる。
単価は媒体費だけでは測れない。担当者の工数と、入社後に辞めた場合の再採用まで含めて初めて実態が見える。
最小限の形で始める
完成形を目指すと着手が遅れる。まず小さく始めて、動かしながら直すほうが早い。最初から精度を求めないことが、結果的に精度を上げる。
具体的には、入社1年以内の離職者数を把握しているかどうかという形で始めると、準備に時間をかけずに動き出せる。
ここで書いていることは、採用人数が年に1〜2名の会社と、10名以上採る会社とでは重みが変わる。自社の規模に合わせて、どこまでやるかを決めていただきたい。
続けられる量に合わせる
量は時間から逆算する。背伸びして数週間で止めるくらいなら、控えめな量を半年続けたほうが結果につながる。
止まった取り組みは、やっていないのと同じ結果になる。継続できる形かどうかを、着手前に確認しておきたい。
振り返りの設計
何をやって、どうなったかを記録に残す。記録がないと、翌年また同じところから考え直すことになる。
結果より、判断の理由を残したい。前提が変わったときに、どこを見直せばよいかが分かるのは理由のほうである。
採用単価・コストを自社の言葉にする
単価は媒体費だけでは測れない。担当者の工数と、入社後に辞めた場合の再採用まで含めて初めて実態が見える。
自社の話に落とすときは、手法ごとの費用と内定承諾数を対応づけられる、採用にかかった担当者の総時間を数えている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、入社1年以内の離職者数を把握しているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「うまくいかなかったのは手法が悪かったから」と結論づけると、次も同じところでつまずく。設計が間違っていたのか、設計は正しいが実行できていなかったのか、実行する人手がなかったのか。この3つは切り分けて考えたい。
「数字で管理するのは大企業の話」というのも誤解である。記録するのは複雑な指標ではなく、手法ごとに何人採れたかという単純な数字でよい。これがないと、翌年また同じところから考え直すことになる。
「学生の質が下がった」という言い方も、原因の特定を止めてしまう。母集団の質は、対象の設定と伝える内容で決まる。集まる層が変わったなら、変えたのは自社の側である可能性が高い。
自社に当てはめて考える
次の項目は、採用担当だけでは答えられないものを含んでいる。配属先の上長と一緒に確認するほうが早く埋まる。
- 手法ごとの費用と内定承諾数を対応づけられるかどうか
- 採用にかかった担当者の総時間を数えているかどうか
- 入社1年以内の離職者数を把握しているかどうか
- 固定費と成果報酬の比率を意識して手法を選んでいるかどうか
一つ選んだら、次の採用シーズンが始まる前に片づけておきたい。始まってからでは、日々の対応に追われて手をつけられなくなる。
よくある質問
Q. 社内で優先度が上がりません。
採用の話を人数の話だけで説明すると、経営層には緊急性が伝わりません。採れなかった場合に何が起きるか(どの業務が回らなくなるか)を配属先と一緒に言語化すると、判断が速くなります。
Q. 他社の事例をそのまま真似してもいいですか。
規模・業種・地域が違うと、同じ打ち手でも効き方が変わります。事例は「何をやったか」ではなく「なぜそれを選んだか」を読み取って、自社の条件に翻訳して使うほうが外しません。
Q. 経営層に何を報告すればいいですか。
人数の進捗だけでなく、どの段階で学生が離れているかを示すと判断が速くなります。数字が揃っていないうちは、辞退理由をそのまま並べるだけでも十分に材料になります。
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この記事のまとめ
採用の設計は、一度作ったら終わりではない。毎年の結果を見て、どこを変えてどこを変えないかを決める作業そのものが設計である。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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