採用単価・コスト|中小企業は絞って深くやる
施策を増やしても採用人数が増えないのは、工数が分散しているからである。手を広げるほど一つあたりの密度が下がり、どれも決め手にならなくなる。
手を広げるほど成果が落ちる
採用に割ける時間が月に数時間しかない会社では、採用単価・コストのためにやることを増やすほど、どれも中途半端になる。
やらないことを決めるほうが先である。昨年やって成果がなかったものは、今年も同じ結果になる可能性が高い。
中小企業が有利な部分もある
規模が小さいことは不利ばかりではない。決めたことがすぐ実行に移せる、現場と人事の距離が近い、経営者が直接判断できる。これらは大手が持てない条件である。
単価は媒体費だけでは測れない。担当者の工数と、入社後に辞めた場合の再採用まで含めて初めて実態が見える。
なお、ここで挙げた順番が唯一の正解ではない。すでに手をつけている部分があるなら、そこは飛ばして次に進んでいただきたい。
現実的な進め方
採用単価・コストに取り組むなら、完成形を目指さずに最小限の形で始めて、動かしながら直すほうが早い。準備に時間をかけるほど、着手が遅れる。
具体的には、採用にかかった担当者の総時間を数えているかどうかというところから始めると、費用をかけずに着手できる。
外に出せる部分を見極める
判断は自社に残し、手を動かす部分は外に出すという切り分けができる。どこまでを外に出せるかを先に整理しておきたい。
当社はOfferBoxの運用代行を完全成果報酬型で提供している。入社の承諾に至るまで費用は発生しないため、固定費を増やさずに手法を一つ増やせる形になっている。
採用単価・コストを自社の言葉にする
単価は媒体費だけでは測れない。担当者の工数と、入社後に辞めた場合の再採用まで含めて初めて実態が見える。
自社の話に落とすときは、手法ごとの費用と内定承諾数を対応づけられる、採用にかかった担当者の総時間を数えている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、入社1年以内の離職者数を把握しているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「他社がやっているから」という理由で施策を増やすのは避けたい。工数が分散してどれも中途半端になるほうが、採用にとっては痛手になる。増やすなら、何かをやめる判断をセットにする。
「数字で管理するのは大企業の話」というのも誤解である。記録するのは複雑な指標ではなく、手法ごとに何人採れたかという単純な数字でよい。これがないと、翌年また同じところから考え直すことになる。
「時間がないからできない」という説明は、多くの場合「優先順位が決まっていない」と言い換えられる。やらないことを決めれば、時間は作れることが多い。
自社に当てはめて考える
最後に、自社の状態を点検する項目を挙げておく。全部を同時に埋める必要はなく、影響が大きそうなものを一つ選べば十分である。
- 手法ごとの費用と内定承諾数を対応づけられるかどうか
- 採用にかかった担当者の総時間を数えているかどうか
- 入社1年以内の離職者数を把握しているかどうか
- 固定費と成果報酬の比率を意識して手法を選んでいるかどうか
項目を埋めた結果は記録に残しておく。翌年の担当者が同じところから考え直さずに済むのは、この記録があるかどうかで決まる。
よくある質問
Q. 担当者が代わると引き継げません。
引き継ぎで最も失われるのは、判断の理由です。何をやったかは記録に残っていても、なぜそうしたかが残っていないことが多い。記録には結果だけでなく理由を残しておきたいところです。
Q. 外部に任せるとしたら、どこまで任せられますか。
誰を採るかという判断は自社に残し、手を動かす部分を任せるのが基本の切り分けです。求める人物像と勤務条件が文章になっていないまま任せると、期待と成果がずれます。
Q. 小さく始めるとして、どこまで小さくていいですか。
1週間で終わる規模まで落として構いません。やってみて分かることのほうが多く、準備に時間をかけるほど着手が遅れます。小さく始めて、続けられる量を確かめてから広げるのが安全です。
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この記事のまとめ
今年の採用で分かったことを、来年の担当者が読める形にして残す。これをやっている会社とやっていない会社の差は、3年も経てば埋めがたいものになる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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