1. 地方採用ラボ
  2. エリアから探す
  3. 山形県の新卒採用
  4. 山形県の中小企業が大手と戦わずに新卒を採る方法

山形県の中小企業が大手と戦わずに新卒を採る方法

施策を増やしても採用人数が増えないのは、工数が分散しているからである。手を広げるほど一つあたりの密度が下がり、どれも決め手にならなくなる。

同じ土俵に乗った時点で負けている

採用がうまくいかない理由を「知名度がないから」で終わらせてしまうと、そこから先の打ち手が出てこない。知名度がないことは変えられないが、知名度が効かない場所で戦うことは選べる。

戦い方を変えるというのは、奇をてらった施策を打つことではない。学生と出会う場所と、出会ってから伝える順番を変えるという、ごく地味な話である。

出会う場所を変える

スカウト型のサービスを使うと、学生のプロフィールを見てから声をかけられる。山形県の企業にとって重要なのは、県内在住かどうかではなく、山形に縁のある学生を県外からも探せるという点である。待つ採用では、この層には一生届かない。

合同説明会や求人媒体を切る必要はない。ただし、そこは「すでに知っている人が訪ねてくる場所」であって、知らない人と出会う場所ではない。位置づけを変えて使えばよい。

なお、他社がやっているという理由だけで手法を増やすのは避けたい。工数が分散し、どれも中途半端になるほうが採用にとっては痛手になる。

伝える順番を変える

大手と同じ順番で会社を説明すると、規模・売上・シェアという比較されると必ず負ける項目から話し始めることになる。中小企業は、任される仕事の具体から入ったほうがよい。

山形県の会社であれば、「入社1年目の社員が実際に何をしているか」を職種ごとに一つずつ書き出すところから始めるとよい。抽象的な社風の説明より、この具体のほうが学生の記憶に残る。

暮らしの条件を武器にする

山形市やその周辺で働く場合の通勤時間と家賃の目安を、募集要項に具体的な数字で書いている会社は少ない。書けば、それだけで比較の軸を一つ増やしたことになる。

抽象的な言い方では届かない。山形市まで何分、家賃はいくら、車は要るのか。数字に置き換えられる情報だけが、学生の比較表に載る。

意思決定の速さは、選考で見せられる

決めるのが速いという特徴は、口にした瞬間に他社と同じ主張になる。実際の選考スピードで示すほうが、学生の記憶には確実に残る。

応募から一次面接までと、面接から結果連絡までの日数を決め、それを学生に先に伝える。宣言どおりに動けば、それだけで「この会社は速い」という実感が残る。大手には出しにくい差になる。

山形県の採用を考えるときの基礎データ

山形県の主な産業は電子部品、食品、農業、繊維である。企業の集積は山形市と鶴岡に偏りやすく、米沢・酒田に拠点を置く会社ほど、通勤と住まいの条件を先に示さないと比較の土俵に乗りにくい。

県内の主な高等教育機関としては山形大学、東北芸術工科大学が挙げられる。学校経由の接点はここが起点になるが、それだけでは県外に進学した山形出身の学生には届かない。両者は別の対象として設計したい。

北海道・東北という括りで見ると、山形の企業が比較される相手は三つに分かれる。北海道・東北の同業、山形市に拠点を持つ企業、そして学生が進学先で接している都市部の企業である。どれと比べられているかで、出すべき条件が変わる。

よくある誤解

「学生は都会に出たがる」と決めつけるのも危うい。山形県での勤務を希望している学生は実際に存在するが、その層は地元の説明会にも求人媒体にも接していないことが多い。見つけられないことと、いないことは別である。

「まず採用サイトを作る」という順番も、実は後回しでよいことが多い。採用サイトは興味を持った学生が確認しに来る場所であって、認知を作る場所ではない。先に必要なのは、山形県の学生や山形出身者と接点を持つ手段のほうである。

「合同説明会に出れば知ってもらえる」という期待も、実際には裏切られやすい。ブースに座って待つ形では、知名度のある企業に人が流れる。出展するなら、事前の告知と事後の個別連絡まで含めて設計しないと投資が回収できない。

自社に当てはめて考える

ここからは自社の話になる。社内で答えが揃わない項目があれば、そこが手をつける場所だと考えてよい。

  • 山形県のどの生活圏の学生を対象にするかが決まっているかどうか
  • 募集要項に勤務地が市区町村まで書かれているかどうか
  • 接点の経路ごとに昨年の実績人数を出せるかどうか
  • 応募から一次面接までの日数が決まっているかどうか

答えられなかった項目のうち、最も影響が大きそうなものを一つだけ選び、いつまでに誰がやるかを決める。ここまで決めて初めて、点検が実行につながる。

よくある質問

Q. オンラインでの選考だけで内定を出してもよいのでしょうか。

対面の機会をどこかに一度は入れたほうが、入社後のずれは減ります。ただし山形県の企業が県外の学生を対象にする場合、最初から対面を求めると接点そのものが作れません。序盤はオンラインで完結させ、終盤で一度来てもらう(交通費の扱いを先に明示する)という順番が現実的です。

Q. 何月から動き出せばいいですか。

入社時期から逆算して、内定を出したい時期、選考を始める時期、接点を作り始める時期を置いていくのが基本です。大手と同じ時期に並ぶと比較で不利になるため、前倒しするか、逆に夏以降に動く層を狙うか、意図を持って時期をずらしたいところです。

Q. 学校のキャリアセンターに行っても相手にされません。

キャリアセンターは、送り出した学生がどうなるかに責任を感じています。実績のない会社の求人をいきなり前に出すことはしません。求人票ではなく「どんな仕事を、どんな学生に任せたいか」を説明する資料を持って、複数年かけて関係を作る前提で臨みたいところです。

あわせて読みたい

  • 宮城県の新卒採用|東北では例外的に学生が集まる県で、県外の大手も仙台に説明会を持ち込んでくる。
  • 秋田県の新卒採用|若年層の県外流出が全国でも早い段階から続いてきた地域で、新卒だけに頼らない採用設計が現実的な選択肢になる。
  • 福島県の新卒採用|中通り・浜通り・会津の3地域で産業も生活圏も違い、県名だけで募集すると学生が自分の通勤を想像できない。
  • 住宅手当・社宅・寮|地方採用では住まいの条件が志望度を直接動かす。
  • 外国人材の採用|在留資格と職務内容の対応を先に確認しないと、内定後に進められなくなる。
  • 開封率・返信率の改善|開封されない原因と、開封されたのに返信がない原因はまったく別。

この記事のまとめ

一年で結果が出なくても、積み上げたものが消えるわけではない。学校との関係も、社内の言語化も、翌年の起点として残る。

採用戦略中小企業山形県の新卒採用エリアから探す

この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964