鳥取県の企業が内定辞退を減らすには|辞退は選考中に決まっている
採用がうまくいっている会社が特別なことをしているとは限らない。社内では当たり前になっていることを、外から見て分かる言葉に直せているかどうかの差であることが多い。
辞退は内定を出した後に起きるのではない
鳥取県の企業からよく聞くのは、「最終まで来ていたのに大手に取られた」という話である。ただし多くの場合、最終に来た時点ですでに第二志望以下になっていて、逆転の機会は前の段階にあった。
勝負がついているのは序盤である。初回の接触から一次面接までに興味を引けなかった相手は、最終面接まで来ても他社を選ぶ。
段階ごとに落ちる理由を分ける
歩留まりを見るときは、応募・説明会・一次・二次・最終・内定・承諾の各段階で何人残ったかを分けて数えたい。全体の辞退率だけでは、どこを直せばよいか分からない。
序盤で落ちるなら情報提供の問題、中盤なら仕事内容の伝わり方、終盤なら条件と意思決定の問題であることが多い。原因の層が違うので、打ち手も変わる。
ここで挙げたやり方が合わない会社もある。人員体制と採用人数によって現実的な打ち手は変わるので、そのまま当てはめずに翻訳して読んでいただきたい。
選考のスピードは志望度に直結する
面接から結果連絡までの日数を決めて、それを学生に先に伝えておく。約束通りに連絡が来るという体験そのものが、この会社は信用できるという判断材料になる。
速さを実現するには、面接官の予定を先に押さえておくしかない。応募が来てから調整を始めると、必ず後ろにずれる。
志望度を上げる接点を選考に組み込む
評価する面接と、口説く面談は分けたほうがよい。同じ場で両方をやると、学生は評価されている緊張のなかで会社の話を聞くことになり、内容が頭に入らない。
職場を見てもらう機会があるなら、必ず入れたい。写真や文章で伝わらないことが、30分の見学で伝わることは多い。遠方の学生にはオンラインで現場を映すだけでも効果がある。
辞退の理由を記録する
辞退されたときに理由を聞いていない会社は多い。聞きにくい気持ちは分かるが、聞かなければ翌年も同じところで落とすことになる。
一行でよい。差し支えなければ決め手を教えてほしい、と添えるだけで答えてくれる学生は少なくない。集めた理由を残しておけば、翌年の打ち手はそこから決まる。
鳥取県の採用を考えるときの基礎データ
鳥取県の主な産業は電子部品、食品、農業である。企業の集積は鳥取市と米子に偏りやすく、倉吉に拠点を置く会社ほど、通勤と住まいの条件を先に示さないと比較の土俵に乗りにくい。
県内の主な高等教育機関としては鳥取大学、公立鳥取環境大学が挙げられる。学校経由の接点はここが起点になるが、それだけでは県外に進学した鳥取出身の学生には届かない。両者は別の対象として設計したい。
中国という括りで見ると、鳥取の企業が比較される相手は三つに分かれる。中国の同業、鳥取市に拠点を持つ企業、そして学生が進学先で接している都市部の企業である。どれと比べられているかで、出すべき条件が変わる。
よくある誤解
「学生は都会に出たがる」と決めつけるのも危うい。鳥取県での勤務を希望している学生は実際に存在するが、その層は地元の説明会にも求人媒体にも接していないことが多い。見つけられないことと、いないことは別である。
「採用は人事の仕事」という切り分けも、中小企業では機能しにくい。配属先の上長が何を任せたいかを言語化していないと、求める人物像も決まらず、面接での判断もぶれる。
「選考は丁寧にやるほどよい」というのも一面的である。回数が多く期間が長い選考は、それ自体が辞退の理由になる。各段階で何を判断するかを決めれば、回数は自然と適正になる。
自社に当てはめて考える
記事の内容をそのまま持ち込む必要はない。自社の条件に照らして、次の項目のうちどれが欠けているかを確認するところから始めたい。
- 鳥取県のどの生活圏の学生を対象にするかが決まっているかどうか
- 募集要項に勤務地が市区町村まで書かれているかどうか
- 接点の経路ごとに昨年の実績人数を出せるかどうか
- 応募から一次面接までの日数が決まっているかどうか
埋まっていない項目が多いときほど、全部を一度に片づけたくなる。しかし同時に動かすと、どれが効いたのか分からなくなる。一つずつ変えたい。
よくある質問
Q. 大手と初任給で比べられると勝てません。
額面での比較に持ち込まれると、多くの中小企業は不利になります。鳥取県で働く場合の家賃や通勤にかかる費用を並べて示すと、手元に残る額での比較という別の土俵が作れます。ただしこの計算を学生が自分ですることはないので、会社側が数字を用意する必要があります。
Q. 学生から見た自社の魅力が分かりません。
社内で当たり前になっていることほど、外から見ると特徴になります。電子部品や食品に関わる仕事であれば、自社の製品やサービスが最終的に誰の手に届いているかを説明できるだけでも、学生の見方は変わります。社員に「この仕事で面白いと思った瞬間」を聞くところから始めるのが早道です。
Q. 保護者への説明まで必要ですか。
地方の新卒採用では、保護者の理解が結果を左右することがあります。会社案内を学生本人にしか渡していないなら、そこに伸びしろがあります。所在地・事業内容・雇用条件が第三者にも分かる形の資料を1枚用意しておくだけでも違います。
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この記事のまとめ
一年で結果が出なくても、積み上げたものが消えるわけではない。学校との関係も、社内の言語化も、翌年の起点として残る。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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