農業・林業・水産のスカウト文面|業種で敬遠されないための書き方
同じ募集要項を数年使い続けている会社は少なくない。市場も学生の関心も動いているのに、伝える内容だけが止まっていれば、反応が落ちるのは当然である。
冒頭で業種名を出さない
学生は一日に複数のオファーを受け取る。読まれるのは、最初の3行で「自分に向けて書かれている」と分かるものだけである。
本人が書いた言葉を一つ引くだけでよい。研究テーマでも、希望する働き方でも構わない。それがあるだけで読み進めてもらえる。
仕事の中身から入る
生産管理や営農指導という職種名も、単体では意味が伝わらない。誰に対して、何を使って、何をする仕事なのかを一文で書きたい。
事業としての規模と収益構造が学生に見えていないことが最大の障壁。法人経営であること、休日と給与が制度として整っていることを先に示す必要がある。
ここで挙げたやり方が合わない会社もある。人員体制と採用人数によって現実的な打ち手は変わるので、そのまま当てはめずに翻訳して読んでいただきたい。
地方勤務であることの書き方
勤務地を後回しにしても得にならない。先に出して対象が減るほうが、面談の時間を無駄にせずに済む。
書くときは、市区町村、通勤手段、住まいの支援の3点をセットにする。制約としてではなく、条件の一部として提示したい。
次の行動を一つに絞る
文面の最後で求める行動は一つにする。複数並べると、どれも実行されない。新卒であれば「15分のオンライン面談」程度の軽さが扱いやすい。
日程調整の往復は返信率を下げる。候補日を提示するか、予約用のURLを添えて、やりとりの回数を減らしておきたい。
農業・林業・水産で募集する職種を分けて考える
農業・林業・水産が新卒で募集する職種は、生産管理、営農指導、加工、販売などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえば生産管理と販売では、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
事業としての規模と収益構造が学生に見えていないことが最大の障壁。法人経営であること、休日と給与が制度として整っていることを先に示す必要がある。
よくある誤解
「仕事は入ってみないと分からない」というのは事実だが、それを理由に説明を省くと、入社後のずれがそのまま早期離職になる。生産管理・営農指導それぞれについて、最初の1年で任せる範囲だけでも書いておきたい。
「現場は忙しいから採用に関わらせられない」という判断も、結果的に高くつく。現場の社員が面接に出るかどうかで、説明の説得力はまったく違う。人事が言うと採用トークに聞こえることも、現場が言えば事実として伝わる。
「同業に勝てないから他業種から採る」という発想は方向としては正しいが、そのままでは伝わらない。他業種の学生には、農業・林業・水産の仕事が何に似ているかを説明する言葉が要る。
自社に当てはめて考える
次の項目は、採用担当だけでは答えられないものを含んでいる。配属先の上長と一緒に確認するほうが早く埋まる。
- 農業・林業・水産で募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
一度埋めたら終わりではない。翌年の採用が始まる前にもう一度見直すと、前提が変わっている箇所が見つかる。
よくある質問
Q. 職種ごとに募集要項を分ける必要はありますか。
分けたほうが応募は増えます。生産管理・営農指導・加工では、学生が比較する相手も判断の軸も違います。ひとつにまとめると、どの職種の学生にも刺さらない文章になります。
Q. インターンをやるべきでしょうか。
目的が決まっているならやる価値があります。認知を広げるためなのか、こちらが見極めるためなのかで、内容も期間も変わります。決めないまま始めると職場見学の域を出ず、工数だけがかかります。
Q. 未経験でも採れる仕事かどうか、どう伝えればいいですか。
入社後1年目に任せる範囲と、そこに至るまでの教育の流れを書くのが分かりやすい形です。「未経験歓迎」という言葉だけでは、何をどこまで教えてもらえるのかが伝わりません。
あわせて読みたい
- 食品・飲料|地方に本社を置く企業が多く、地元での知名度は高いのに学生には「工場の仕事」としか見えていないことが多い。
- 運輸・物流|労働集約型と見られがちだが、実際は拠点運営とデータ管理の比重が増えている。
- 機械・精密・電子部品|ニッチトップの企業が多い割に、その事実が学生に知られていない。
- 大学・学校との関係づくり|キャリアセンターとの関係は一年では作れない。
- OfferBox運用代行|運用代行は工数を外に出すことが目的ではなく、毎週まわし続ける状態を作ることが目的。
- スカウト運用のKPI|送信数だけを追うと文面の質が落ちる。
この記事のまとめ
ここまでの内容は、どれも一度決めれば終わりというものではない。毎年の採用のなかで結果を見ながら調整していく前提で、まずは仮でよいので決め切ることをすすめたい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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