女性の採用・定着|地方の中小企業がまず押さえること
知名度で大手に勝てないことは、採用の前提として受け入れてよい。問題は、知名度がないこと自体ではなく、知名度がないまま同じ土俵で戦おうとしてしまうことにある。
この課題の正体
制度の有無より、実際に働き続けている先輩がいるかどうかが見られている。数字を出せないなら、出せない理由ごと正直に話したほうがよい。
女性の採用・定着は、それ単体で解決する問題ではない。採用の他の工程と噛み合っているかどうかで、同じ打ち手でも効き方が変わる。
地方の中小企業にとっての意味
人員も予算も限られる会社では、女性の採用・定着に割ける時間そのものが少ない。だからこそ、やることを絞る判断が先に来る。
大手のやり方をそのまま持ち込むと、工数が足りずに途中で止まる。規模に合わせて縮小するのではなく、目的を一つに絞って設計し直すほうがうまくいく。
なお、ここで挙げた順番が唯一の正解ではない。すでに手をつけている部分があるなら、そこは飛ばして次に進んでいただきたい。
見るべき観点
女性の採用・定着に取り組むとき、最低限この観点は押さえておきたい。
- 実際に働き続けている社員の状況を説明できるかどうか
- 制度の利用実績を示せるかどうか
- 配属先に偏りがある場合、その理由を説明できるかどうか
- 設備や勤務環境の面で不足がないかどうか
最初の一歩
全部を一度に整えることはできない。いま自社で明らかに欠けているものを一つだけ選んで、次の採用シーズンの頭に置くところから始めたい。
着手したら、やったことと結果を記録に残す。記録がないと、翌年また同じところから考え直すことになる。
女性の採用・定着を自社の言葉にする
制度の有無より、実際に働き続けている先輩がいるかどうかが見られている。数字を出せないなら、出せない理由ごと正直に話したほうがよい。
自社の話に落とすときは、実際に働き続けている社員の状況を説明できる、制度の利用実績を示せる、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、配属先に偏りがある場合、その理由を説明できるも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「うまくいかなかったのは手法が悪かったから」と結論づけると、次も同じところでつまずく。設計が間違っていたのか、設計は正しいが実行できていなかったのか、実行する人手がなかったのか。この3つは切り分けて考えたい。
「前任者のやり方を踏襲する」のは安全に見えて、実は理由が分からないまま続けることになる。なぜその手法を選んだのかを確認できないなら、いったん前提を置き直したほうがよい。
「時間がないからできない」という説明は、多くの場合「優先順位が決まっていない」と言い換えられる。やらないことを決めれば、時間は作れることが多い。
自社に当てはめて考える
ここからは自社の話になる。社内で答えが揃わない項目があれば、そこが手をつける場所だと考えてよい。
- 実際に働き続けている社員の状況を説明できるかどうか
- 制度の利用実績を示せるかどうか
- 配属先に偏りがある場合、その理由を説明できるかどうか
- 設備や勤務環境の面で不足がないかどうか
確認した内容は、配属先の上長にも共有しておきたい。採用担当だけが把握している状態だと、判断が必要になったときに止まる。
よくある質問
Q. 経営層に何を報告すればいいですか。
人数の進捗だけでなく、どの段階で学生が離れているかを示すと判断が速くなります。数字が揃っていないうちは、辞退理由をそのまま並べるだけでも十分に材料になります。
Q. 複数の課題が同時にあります。どれからやるべきですか。
採用の流れの上流にあるものからです。母集団が足りていない状態で選考の設計を磨いても、効果は限定的になります。逆に、上流が足りているのに終盤で落ちているなら、選考側から手をつけます。
Q. 取り組んでも社内が変わりません。
採用担当だけで抱えている可能性があります。配属先の上長を巻き込んで、どんな人を何人受け入れるかを一緒に決めるところからやり直すと、協力も得やすくなります。
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この記事のまとめ
打ち手を変えたら、変える前の状態を記録しておく。比較できる相手がいなければ、良くなったのか悪くなったのかも判断できない。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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