初任給・給与設計|スカウト型採用と組み合わせる
求人を出せば応募が来た時代の設計のまま、媒体だけを増やしている会社は多い。工数は増えるのに結果が変わらないのは、やり方ではなく前提が古いためである。
待つ採用では埋まらない部分がある
初任給・給与設計にどれだけ手を尽くしても、求人を出して待つ形のままでは届かない層がある。自社を検索する理由がない学生には、こちらから声をかけるしかない。
初任給は相場との比較で見られるが、学生が本当に気にしているのは3年後の見通し。昇給の考え方まで示せると比較の土俵が変わる。
スカウト型が効く理由
相手を読んでから書けるのがこの手法の特徴である。対象と伝える内容が決まっていれば、そのまま運用に落とせる。
知名度の差が効きにくいのも特徴である。学生にとっては「自分に声をかけてきた会社」という一点で、他社と並ばない状態が作れる。
ここで書いていることは、採用人数が年に1〜2名の会社と、10名以上採る会社とでは重みが変わる。自社の規模に合わせて、どこまでやるかを決めていただきたい。
組み合わせるときの注意
スカウトを始めると、既存の取り組みと合わせて工数が増える。何かをやめる判断をセットにしないと、どちらも中途半端になる。
送る相手の条件は、地域の相場に対する自社の位置を把握しているかどうかという観点で整理した内容をそのまま検索条件に落とせることが多い。ゼロから考え直す必要はない。
続けられる形にする
成果が出ない相談の大半は、送信そのものが止まっているケースである。週に確保できる時間を先に決め、その時間で回る本数に合わせたい。
自社で続けられる見込みが立たないなら、運用を外部に出す判断も早いうちにしておく。止まった運用は、やっていないのと同じ結果になる。
初任給・給与設計を自社の言葉にする
初任給は相場との比較で見られるが、学生が本当に気にしているのは3年後の見通し。昇給の考え方まで示せると比較の土俵が変わる。
自社の話に落とすときは、地域の相場に対する自社の位置を把握している、入社3年目の年収の目安を示せる、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、手当を金額と条件のセットで書いているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「他社がやっているから」という理由で施策を増やすのは避けたい。工数が分散してどれも中途半端になるほうが、採用にとっては痛手になる。増やすなら、何かをやめる判断をセットにする。
「採用がうまくいかないのは予算がないから」という説明も、確かめる価値がある。予算をかけずにできること(募集要項の書き直し、選考スピードの改善、辞退理由の記録)を先に済ませてから判断したい。
「ツールを入れれば解決する」という期待も外れやすい。運用の型ができていない状態でツールを入れると、入力されないまま放置される。まず表計算ソフト一枚で回してみるほうが早い。
自社に当てはめて考える
ここまでの内容を自社に当てはめるとき、確認しておきたいのは次の点である。答えられない項目が、そのまま次に手をつける場所になる。
- 地域の相場に対する自社の位置を把握しているかどうか
- 入社3年目の年収の目安を示せるかどうか
- 手当を金額と条件のセットで書いているかどうか
- 生活コストまで含めた比較材料を用意しているかどうか
埋まっていない項目が多いときほど、全部を一度に片づけたくなる。しかし同時に動かすと、どれが効いたのか分からなくなる。一つずつ変えたい。
よくある質問
Q. 初任給・給与設計に、どのくらいの時間をかけるべきですか。
確保できる時間を先に決めて、その時間で回る量に合わせるのが原則です。逆に、やることに合わせて時間を捻出しようとすると、繁忙期に止まります。止まった取り組みは、やっていないのと同じ結果になります。
Q. 小さく始めるとして、どこまで小さくていいですか。
1週間で終わる規模まで落として構いません。やってみて分かることのほうが多く、準備に時間をかけるほど着手が遅れます。小さく始めて、続けられる量を確かめてから広げるのが安全です。
Q. 複数の課題が同時にあります。どれからやるべきですか。
採用の流れの上流にあるものからです。母集団が足りていない状態で選考の設計を磨いても、効果は限定的になります。逆に、上流が足りているのに終盤で落ちているなら、選考側から手をつけます。
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この記事のまとめ
重要なのは、施策を増やすことではなく、うまくいかなかった理由を毎回言葉にして残しておくことである。それがそのまま翌年の採用設計の土台になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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