早期離職・定着|人手が足りない会社の設計
新卒採用は育成前提の投資である。いま欠けている人手を埋める発想のままだと、求める人物像も、伝えるべき将来像も決まらない。
足すのではなく捨てる
採用に割ける時間が月に数時間なら、早期離職・定着のためにやることを増やすほど全体の成果は落ちる。やらないことを決めるほうが先である。
早期離職は配属後の問題ではなく、採用時に伝えた情報の問題であることが多い。良いことしか伝えていない採用は、必ず入社後に跳ね返る。
時間を先に固定する
空いた時間にやろうとすると、採用は必ず後回しになる。週のどこかに時間を固定して、そこだけは動かさない運用にしたほうが続く。
固定した時間で回る量に、取り組みの規模を合わせる。逆に、規模に合わせて時間を捻出しようとすると破綻する。
ここでの話は、あくまで判断の材料である。最終的にどうするかは、自社が確保できる人手と予算のなかで決めることになる。
仕組みにして属人性を減らす
一人で回す場合、その人が動けなくなると全部止まる。手順を書き出して、誰がやっても同じ水準になる状態にしておきたい。
直属の上司以外に話を聞く人がいるかどうかという部分だけでも手順化しておくと、繁忙期に止まりにくくなる。
判断だけ残して手は外に出す
すべてを自分でやる必要はない。誰を採るかという判断は社内に残し、手を動かす部分は外に出すという切り分けができる。
当社が提供しているOfferBox運用代行は、ターゲット設計から文面作成、送信、日程調整までを代行する。完全成果報酬型なので、入社の承諾に至るまで費用は発生しない。
早期離職・定着を自社の言葉にする
早期離職は配属後の問題ではなく、採用時に伝えた情報の問題であることが多い。良いことしか伝えていない採用は、必ず入社後に跳ね返る。
自社の話に落とすときは、採用時に伝えた情報と実際の仕事にずれがない、入社後3か月で何をするか決まっている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、直属の上司以外に話を聞く人がいるも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「早期離職・定着は人事の仕事」という切り分けも、中小企業では機能しにくい。配属先の上長が何を任せたいかを言語化していないと、判断の基準が作れない。
「学生の質が下がった」という言い方も、原因の特定を止めてしまう。母集団の質は、対象の設定と伝える内容で決まる。集まる層が変わったなら、変えたのは自社の側である可能性が高い。
「まず情報収集から」という進め方も、度が過ぎると着手が遅れる。決めるべきことを仮で置いて動かしたほうが、分かることは多い。
自社に当てはめて考える
実行に移す前に、いまの状態を書き出しておきたい。書き出してみると、思っていたより決まっていないことが見つかる。
- 採用時に伝えた情報と実際の仕事にずれがないかどうか
- 入社後3か月で何をするか決まっているかどうか
- 直属の上司以外に話を聞く人がいるかどうか
- 離職者の理由を記録しているかどうか
確認した内容は、配属先の上長にも共有しておきたい。採用担当だけが把握している状態だと、判断が必要になったときに止まる。
よくある質問
Q. 担当者が代わると引き継げません。
引き継ぎで最も失われるのは、判断の理由です。何をやったかは記録に残っていても、なぜそうしたかが残っていないことが多い。記録には結果だけでなく理由を残しておきたいところです。
Q. 外部に任せるとしたら、どこまで任せられますか。
誰を採るかという判断は自社に残し、手を動かす部分を任せるのが基本の切り分けです。求める人物像と勤務条件が文章になっていないまま任せると、期待と成果がずれます。
Q. 経営層に何を報告すればいいですか。
人数の進捗だけでなく、どの段階で学生が離れているかを示すと判断が速くなります。数字が揃っていないうちは、辞退理由をそのまま並べるだけでも十分に材料になります。
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この記事のまとめ
採用は担当者の努力だけで決まる仕事ではない。経営の意思決定と現場の協力が要る以上、社内で共有できる形に書き出しておくことが先決になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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