1. 地方採用ラボ
  2. 採用の課題から探す
  3. 早期離職・定着
  4. 早期離職・定着|地方企業は都市部と前提が違う

早期離職・定着|地方企業は都市部と前提が違う

人手が足りないから採用する、という順番で動くと、必ず急いで決めることになる。急いだ採用は入社後にずれが出やすく、翌年また同じことを繰り返す。

前提が違うところから始める

早期離職・定着について書かれた情報の多くは、都市部の企業を想定している。学生の母数、通勤の前提、競合の数がそもそも違うので、そのまま当てはめても噛み合わない。

早期離職は配属後の問題ではなく、採用時に伝えた情報の問題であることが多い。良いことしか伝えていない採用は、必ず入社後に跳ね返る。

距離という制約

地方企業の採用では、学生との物理的な距離が常についてまわる。説明会に来てもらう、面接に足を運んでもらうという前提が成り立ちにくい。

オンラインで完結できる工程を増やすと、この制約はかなり緩む。対面の代替として使うのではなく、接点の総量を増やす道具として位置づけたい。

なお、制度やサービスの仕様は変わる。この記事の内容は考え方の部分を中心にしているが、具体的な手続きは必ず一次情報で確認してほしい。

暮らしの条件が判断材料になる

利点は通勤と住居費に集約される。この二つは、都市部の企業が給与をいくら積んでも埋められない差である。

ただし「暮らしやすい」では伝わらない。通勤何分、家賃いくら、休日に何ができるか。ここまで落として初めて判断材料になる。

地方企業として押さえること

早期離職・定着に取り組むうえで、地方企業がとくに確認しておきたい点を挙げる。

  • 採用時に伝えた情報と実際の仕事にずれがないかどうか
  • 入社後3か月で何をするか決まっているかどうか
  • 直属の上司以外に話を聞く人がいるかどうか
  • 離職者の理由を記録しているかどうか

早期離職・定着を自社の言葉にする

早期離職は配属後の問題ではなく、採用時に伝えた情報の問題であることが多い。良いことしか伝えていない採用は、必ず入社後に跳ね返る。

自社の話に落とすときは、採用時に伝えた情報と実際の仕事にずれがない、入社後3か月で何をするか決まっている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。

あわせて、直属の上司以外に話を聞く人がいるも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。

よくある誤解

「他社がやっているから」という理由で施策を増やすのは避けたい。工数が分散してどれも中途半端になるほうが、採用にとっては痛手になる。増やすなら、何かをやめる判断をセットにする。

「採用がうまくいかないのは予算がないから」という説明も、確かめる価値がある。予算をかけずにできること(募集要項の書き直し、選考スピードの改善、辞退理由の記録)を先に済ませてから判断したい。

「早期離職・定着は人事の仕事」という切り分けも、中小企業では機能しにくい。配属先の上長が何を任せたいかを言語化していないと、判断の基準が作れない。

自社に当てはめて考える

記事の内容をそのまま持ち込む必要はない。自社の条件に照らして、次の項目のうちどれが欠けているかを確認するところから始めたい。

  • 採用時に伝えた情報と実際の仕事にずれがないかどうか
  • 入社後3か月で何をするか決まっているかどうか
  • 直属の上司以外に話を聞く人がいるかどうか
  • 離職者の理由を記録しているかどうか

一度埋めたら終わりではない。翌年の採用が始まる前にもう一度見直すと、前提が変わっている箇所が見つかる。

よくある質問

Q. 他社の事例をそのまま真似してもいいですか。

規模・業種・地域が違うと、同じ打ち手でも効き方が変わります。事例は「何をやったか」ではなく「なぜそれを選んだか」を読み取って、自社の条件に翻訳して使うほうが外しません。

Q. 小さく始めるとして、どこまで小さくていいですか。

1週間で終わる規模まで落として構いません。やってみて分かることのほうが多く、準備に時間をかけるほど着手が遅れます。小さく始めて、続けられる量を確かめてから広げるのが安全です。

Q. 去年と同じやり方で本当に大丈夫でしょうか。

去年の結果を数字で説明できるなら、続ける判断に根拠があります。説明できないなら、続けるかどうかの前に、まず数えるところから始めたいところです。

あわせて読みたい

  • 応募数の確保|応募ゼロの原因は、露出・条件・訴求のどれかに必ずある。
  • 通年採用・秋採用|春に採り切れなかった枠を秋以降で埋める会社は増えている。
  • 既卒・第二新卒|新卒だけで枠を埋めようとして未充足になるくらいなら、既卒・第二新卒を対象に含めたほうが早い。
  • OfferBoxの費用|費用の形が媒体掲載型とは違うため、社内の稟議の書き方も変わる。
  • Iターン・Jターン就職|縁のない土地を選ぶ学生は、仕事より暮らしから入ることが多い。
  • 地方と都市の賃金差|額面ではなく可処分所得と生活コストで比べれば、見え方は変わる。

この記事のまとめ

採用の設計は、一度作ったら終わりではない。毎年の結果を見て、どこを変えてどこを変えないかを決める作業そのものが設計である。

地方採用早期離職・定着採用の課題から探す

この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964