小売・専門店の企業がOfferBoxを使うなら|運用の勘所
新卒採用は育成前提の投資である。いま欠けている人手を埋める発想のままだと、求める人物像も、伝えるべき将来像も決まらない。
待つ採用では業種の壁を越えられない
求人を出して待つ採用では、小売・専門店に関心のある学生としか出会えない。業種名で足切りする層に仕事の中身を伝えるには、こちらから声をかけるしかない。
OfferBoxは、学生が登録したプロフィールを見て企業がオファーを送る形式のサービスである。相手を選んでから書けるので、業種のイメージを説明で上書きできる。
ターゲットの絞り方
店舗運営・スーパーバイザー・バイヤーのように職種が複数あるなら、職種ごとに検索条件と文面を分けたい。同じ文面を使い回すと、どの職種の学生にも響かない。
店舗配属の範囲と、本部に上がるまでの道筋を示せるかで応募の質が変わる。休日と勤務時間の実態を先に出したほうが、結果的に辞退は減る。
なお、他社がやっているという理由だけで手法を増やすのは避けたい。工数が分散し、どれも中途半端になるほうが採用にとっては痛手になる。
登録しただけでは何も起きない
成果が出ない相談の大半は、送信そのものが止まっているケースである。プロフィールを読み、選び、個別に書く作業には時間がかかる。
週に確保できる時間を先に決め、その時間で回る本数に運用を合わせる。無理な本数で3週間で止まるより、少ない本数を半年続けるほうが成果は出る。
自社でやるか、任せるか
小売・専門店の中小企業では、採用担当が他の業務を兼ねていることが多い。使える時間を数えたうえで、自社で回すか任せるかを決めたい。
当社はOfferBoxの運用代行を完全成果報酬型で提供している。ターゲット設計から文面作成、送信、日程調整までを代行し、費用が発生するのは入社の承諾に至ったときだけである。小売・専門店のように採用人数が読みにくい会社でも、固定費を増やさずに手法を一つ増やせる。
小売・専門店で募集する職種を分けて考える
小売・専門店が新卒で募集する職種は、店舗運営、スーパーバイザー、バイヤー、本部スタッフなどに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえば店舗運営と本部スタッフでは、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
店舗配属の範囲と、本部に上がるまでの道筋を示せるかで応募の質が変わる。休日と勤務時間の実態を先に出したほうが、結果的に辞退は減る。
よくある誤解
「小売・専門店は学生に人気がないから仕方ない」という前提を置くと、そこから先の打ち手が出てこない。業種のイメージで足切りされているなら、業種名より先に仕事の中身を見せる順番に変えるだけで、読まれ方は変わる。
「若手が定着しないのは世代の問題」という説明は、原因の特定を止めてしまう。採用時に伝えた情報と実際の仕事にずれがなかったかを確認するほうが、次の打ち手につながる。
「大手と同じ選考フローにしておけば安心」という考え方も見直したい。選考が長いこと自体が辞退の理由になる。回数を減らすのではなく、各段階で何を判断するかを決めることで、自然と適正な長さになる。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 小売・専門店で募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
埋まっていない項目が多いときほど、全部を一度に片づけたくなる。しかし同時に動かすと、どれが効いたのか分からなくなる。一つずつ変えたい。
よくある質問
Q. 現場が採用に協力してくれません。
人事だけで決めた計画は、現場の協力を得にくくなります。配属先の上長を計画づくりの段階から巻き込み、どんな人を何人受け入れるかを一緒に決めるほうが、面接への協力も得やすくなります。
Q. 未経験でも採れる仕事かどうか、どう伝えればいいですか。
入社後1年目に任せる範囲と、そこに至るまでの教育の流れを書くのが分かりやすい形です。「未経験歓迎」という言葉だけでは、何をどこまで教えてもらえるのかが伝わりません。
Q. 社員の写真や声は必要でしょうか。
写真そのものより、何をしている人かが分かることが重要です。入社1〜3年目の社員が、どんな一日を過ごしているかを職種ごとに1件ずつ用意できると、それだけで比較の材料になります。
あわせて読みたい
- 建設・土木|資格取得の支援と、休日・残業の実態をどこまで正直に書けるかが応募の分かれ目になる。
- 運輸・物流|労働集約型と見られがちだが、実際は拠点運営とデータ管理の比重が増えている。
- 卸売・商社|扱う商材が学生に伝わりにくく、「何をしている会社か分からない」で終わりやすい。
- 採用単価・コスト|単価は媒体費だけでは測れない。
- 大学・学校との関係づくり|キャリアセンターとの関係は一年では作れない。
- 開封率・返信率の改善|開封されない原因と、開封されたのに返信がない原因はまったく別。
この記事のまとめ
採用は担当者の努力だけで決まる仕事ではない。経営の意思決定と現場の協力が要る以上、社内で共有できる形に書き出しておくことが先決になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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