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飲食・フードサービスが求める人物像をどう決めるか|面接で評価がぶれないために

施策を増やしても採用人数が増えないのは、工数が分散しているからである。手を広げるほど一つあたりの密度が下がり、どれも決め手にならなくなる。

理想像から作るとぶれる

飲食・フードサービスの企業でよくあるのは、人物像が職種と切り離されて決まっているケースである。店舗運営と商品開発では必要な資質が違うのに、同じ基準で面接すると評価が混乱する。

出発点に置くのは、実在する社員である。いま活躍している人が入社時点で何を持っていたかを振り返るほうが、理想像を議論するより早い。

行動で書く

書き方を行動に変えるだけで、面接の質問が決まる。「主体性がある」では確かめようがないが、「自分から段取りを提案した経験がある」なら聞ける。

飲食・フードサービスの仕事に即して言えば、店舗運営なら「相手の話を遮らずに最後まで聞ける」、商品開発なら「手順を守ったうえで改善点を言える」のように、業務の場面に紐づけて書きたい。

ここでの話は、あくまで判断の材料である。最終的にどうするかは、自社が確保できる人手と予算のなかで決めることになる。

外していい条件を決める

人物像と同じくらい重要なのが、「これは求めない」と決めることである。学部、資格、経験。求めなくていいものを外すと、母集団は一気に広がる。

離職率のイメージが先行するため、労働時間と昇進の道筋を数字と制度で説明できるかが勝負になる。多店舗展開の計画があるなら、それ自体が魅力として伝わる。

社内で像を揃える

決めた人物像は、面接に出る全員で共有する。共有の方法は、文章を配るより「〇〇さんのような人」と実在の社員の名前で言うほうが確実に揃う。

面接後に評価が割れたときは、人物像の解釈がずれている合図である。その場で議論して、言葉を直しておきたい。

飲食・フードサービスで募集する職種を分けて考える

飲食・フードサービスが新卒で募集する職種は、店舗運営、商品開発、エリアマネージャーなどに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。

たとえば店舗運営とエリアマネージャーでは、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。

離職率のイメージが先行するため、労働時間と昇進の道筋を数字と制度で説明できるかが勝負になる。多店舗展開の計画があるなら、それ自体が魅力として伝わる。

よくある誤解

「飲食・フードサービスは学生に人気がないから仕方ない」という前提を置くと、そこから先の打ち手が出てこない。業種のイメージで足切りされているなら、業種名より先に仕事の中身を見せる順番に変えるだけで、読まれ方は変わる。

「採用サイトにお金をかければ応募が来る」という期待も外れやすい。見た目より、仕事内容・条件・選考の流れ・社員の実例が揃っているかどうかで判断されている。

「内定を出せば終わり」という感覚も危うい。内定から入社までの数か月は学生がいちばん不安になる時期で、放置すれば他社に流れる。

自社に当てはめて考える

最後に、自社の状態を点検する項目を挙げておく。全部を同時に埋める必要はなく、影響が大きそうなものを一つ選べば十分である。

  • 飲食・フードサービスで募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
  • 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
  • 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
  • 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか

一つ選んだら、次の採用シーズンが始まる前に片づけておきたい。始まってからでは、日々の対応に追われて手をつけられなくなる。

よくある質問

Q. 同業他社と条件で横並びになってしまいます。

条件で並ぶなら、任される範囲で差をつけるしかありません。入社1年目に何を任せるか、3年目に何を任せるかを具体的に書けると、同じ条件でも見え方が変わります。規模が小さいほど、この部分は書きやすいはずです。

Q. 現場が採用に協力してくれません。

人事だけで決めた計画は、現場の協力を得にくくなります。配属先の上長を計画づくりの段階から巻き込み、どんな人を何人受け入れるかを一緒に決めるほうが、面接への協力も得やすくなります。

Q. 未経験でも採れる仕事かどうか、どう伝えればいいですか。

入社後1年目に任せる範囲と、そこに至るまでの教育の流れを書くのが分かりやすい形です。「未経験歓迎」という言葉だけでは、何をどこまで教えてもらえるのかが伝わりません。

あわせて読みたい

  • 教育・保育|志望度の高い学生が集まりやすい一方、待遇面で他業種と比較された瞬間に離れる。
  • 不動産・住宅|営業のイメージだけで敬遠されやすい。
  • 化学・素材|装置産業のため勤務地が限られ、通勤・住まいの条件が志望度を大きく左右する。
  • 内定辞退の防止|辞退は内定を出した後に始まるのではなく、選考の途中で決まっている。
  • スカウトの年間スケジュール|学生が動く時期と企業が動きたい時期はずれている。
  • 応募者管理と選考の可視化|高機能なツールを入れる前に、いま誰がどの段階にいるかを一枚で見られる状態を作るほうが先。

この記事のまとめ

打ち手を変えたら、変える前の状態を記録しておく。比較できる相手がいなければ、良くなったのか悪くなったのかも判断できない。

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この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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