採用サイト・採用ページ|場面ごとの考え方
人手が足りないから採用する、という順番で動くと、必ず急いで決めることになる。急いだ採用は入社後にずれが出やすく、翌年また同じことを繰り返す。
着手したばかりの場合
採用サイト・採用ページにこれから取り組む段階では、精度より着手の早さを優先したい。完成形を目指すほど動き出しが遅れる。
まずスマートフォンで読める形になっているかどうかという点だけを決めて、動かしながら他を埋めていくほうが早い。
一度やってみて成果が出なかった場合
失敗の理由を説明できるかどうかで、次の結果が変わる。言葉にできていないなら、同じ手順は同じ結末をたどる。
採用サイトは応募を取る場所ではなく、興味を持った学生が確認しに来る場所。ここで不安が残ると、そのまま辞退につながる。
なお、制度やサービスの仕様は変わる。この記事の内容は考え方の部分を中心にしているが、具体的な手続きは必ず一次情報で確認してほしい。
担当者が代わった場合
引き継ぎで最も失われるのは、判断の理由である。何をやったかは記録に残っていても、なぜそうしたかが残っていないことが多い。
話を聞ける相手がいるうちに、背景を押さえておきたい。それができないなら、前提を置き直して小規模に再開するほうが安全である。
採用人数を増やすことになった場合
人数が増えると、これまでのやり方がそのままでは回らなくなることが多い。手法を増やすか、工数を増やすか、外に出すかの判断が要る。
判断の基準は、担当者が確保できる時間である。時間が増えないなら、手法を増やすのではなく外に出すほうが現実的になる。
採用サイト・採用ページを自社の言葉にする
採用サイトは応募を取る場所ではなく、興味を持った学生が確認しに来る場所。ここで不安が残ると、そのまま辞退につながる。
自社の話に落とすときは、仕事内容・条件・選考の流れ・社員の実例の4つが揃っている、スマートフォンで読める形になっている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、情報が最後に更新された時期が分かるも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「うまくいかなかったのは手法が悪かったから」と結論づけると、次も同じところでつまずく。設計が間違っていたのか、設計は正しいが実行できていなかったのか、実行する人手がなかったのか。この3つは切り分けて考えたい。
「採用サイト・採用ページは人事の仕事」という切り分けも、中小企業では機能しにくい。配属先の上長が何を任せたいかを言語化していないと、判断の基準が作れない。
「時間がないからできない」という説明は、多くの場合「優先順位が決まっていない」と言い換えられる。やらないことを決めれば、時間は作れることが多い。
自社に当てはめて考える
記事の内容をそのまま持ち込む必要はない。自社の条件に照らして、次の項目のうちどれが欠けているかを確認するところから始めたい。
- 仕事内容・条件・選考の流れ・社員の実例の4つが揃っているかどうか
- スマートフォンで読める形になっているかどうか
- 情報が最後に更新された時期が分かるかどうか
- 応募や問い合わせの導線が分かりやすい位置にあるかどうか
答えが人によって違う項目があれば、それ自体が発見である。社内で認識が揃っていないまま選考を進めると、面接官ごとに評価がぶれる。
よくある質問
Q. 社内で優先度が上がりません。
採用の話を人数の話だけで説明すると、経営層には緊急性が伝わりません。採れなかった場合に何が起きるか(どの業務が回らなくなるか)を配属先と一緒に言語化すると、判断が速くなります。
Q. 外部に任せるとしたら、どこまで任せられますか。
誰を採るかという判断は自社に残し、手を動かす部分を任せるのが基本の切り分けです。求める人物像と勤務条件が文章になっていないまま任せると、期待と成果がずれます。
Q. 経営層に何を報告すればいいですか。
人数の進捗だけでなく、どの段階で学生が離れているかを示すと判断が速くなります。数字が揃っていないうちは、辞退理由をそのまま並べるだけでも十分に材料になります。
あわせて読みたい
- 内定辞退の防止|辞退は内定を出した後に始まるのではなく、選考の途中で決まっている。
- 選考フローの設計|選考が長い会社は、それだけで辞退される。
- 採用データ・KPI管理|振り返りができない採用は、毎年ゼロから始めることになる。
- スカウトのターゲット設計|検索条件を広げると送信数は稼げるが返信率が落ちる。
- 開封率・返信率の改善|開封されない原因と、開封されたのに返信がない原因はまったく別。
- 移住支援・住まいの提供|住まいの提供は、県外学生にとって最も分かりやすい安心材料になる。
この記事のまとめ
重要なのは、施策を増やすことではなく、うまくいかなかった理由を毎回言葉にして残しておくことである。それがそのまま翌年の採用設計の土台になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964