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不動産・住宅の新卒採用|地方の中小企業が押さえておく全体像

学生は会社を知らないのではなく、そもそも選択肢として認識していない。認識されていない状態から始める以上、こちらから名指しで声をかける手段が要る。

不動産・住宅の採用が難しくなる理由

不動産・住宅は、地方において一定の雇用を支えている一方で、学生の第一志望に挙がりにくい。ここを前提にすると、やるべきことは露出を増やすことではなく、興味を持った学生に何を伝えるかを決めることになる。

営業のイメージだけで敬遠されやすい。設計・施工・管理まで含めた事業の全体像と、評価制度の中身を出せるかで応募数が変わる。

募集する職種ごとに市場が違う

不動産・住宅の企業が新卒で募集する職種は、営業・設計・施工管理などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸もまったく変わる。

営業であれば同業他社との比較になりやすく、設計であれば業種をまたいだ比較になる。募集要項を職種ごとに書き分けていない会社は、ここで損をしている。

ここで書いていることは、採用人数が年に1〜2名の会社と、10名以上採る会社とでは重みが変わる。自社の規模に合わせて、どこまでやるかを決めていただきたい。

地方企業としての条件を先に出す

勤務地、通勤手段、転勤の有無、住まいの支援。これらは業種を問わず学生が気にする条件だが、書かれていないことが多い。書かないと、終盤の辞退という形で跳ね返る。

不利に見える条件を先に出すと母数は減る。ただし減るのは、その条件で最終的に辞退したはずの層である。選考にかける時間を考えれば、先に出すほうが得になる。

優先順位のつけ方

不動産・住宅の中小企業が手をつける順番としては、①募集要項を職種ごとに書き直す ②こちらから声をかける経路を作る ③選考のスピードを上げる、の順が効きやすい。どれも予算をかけずに着手できる。

新しい手法に手を出すのは、この3つをやり切ってからでよい。順番を逆にすると、土台のないまま露出だけが増えることになる。

不動産・住宅で募集する職種を分けて考える

不動産・住宅が新卒で募集する職種は、営業、設計、施工管理、管理などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。

たとえば営業と管理では、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。

営業のイメージだけで敬遠されやすい。設計・施工・管理まで含めた事業の全体像と、評価制度の中身を出せるかで応募数が変わる。

よくある誤解

「若手が定着しないのは世代の問題」という説明は、原因の特定を止めてしまう。採用時に伝えた情報と実際の仕事にずれがなかったかを確認するほうが、次の打ち手につながる。

「大手と同じ選考フローにしておけば安心」という考え方も見直したい。選考が長いこと自体が辞退の理由になる。回数を減らすのではなく、各段階で何を判断するかを決めることで、自然と適正な長さになる。

「同業に勝てないから他業種から採る」という発想は方向としては正しいが、そのままでは伝わらない。他業種の学生には、不動産・住宅の仕事が何に似ているかを説明する言葉が要る。

自社に当てはめて考える

ここまでの内容を自社に当てはめるとき、確認しておきたいのは次の点である。答えられない項目が、そのまま次に手をつける場所になる。

  • 不動産・住宅で募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
  • 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
  • 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
  • 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか

一度埋めたら終わりではない。翌年の採用が始まる前にもう一度見直すと、前提が変わっている箇所が見つかる。

よくある質問

Q. 同業他社と条件で横並びになってしまいます。

条件で並ぶなら、任される範囲で差をつけるしかありません。入社1年目に何を任せるか、3年目に何を任せるかを具体的に書けると、同じ条件でも見え方が変わります。規模が小さいほど、この部分は書きやすいはずです。

Q. インターンをやるべきでしょうか。

目的が決まっているならやる価値があります。認知を広げるためなのか、こちらが見極めるためなのかで、内容も期間も変わります。決めないまま始めると職場見学の域を出ず、工数だけがかかります。

Q. 求人票に残業時間まで書く必要がありますか。

書いたほうが結果的に得になります。伏せておくと入社後に跳ね返り、早期離職という形で採用コストに戻ってきます。実態を書いたうえで、会社としてどう向き合っているかを添えるのが扱いやすい形です。

あわせて読みたい

  • 食品・飲料|地方に本社を置く企業が多く、地元での知名度は高いのに学生には「工場の仕事」としか見えていないことが多い。
  • 観光・宿泊|繁閑差と勤務形態を正直に書いたほうが、入社後のミスマッチは確実に減る。
  • IT・情報通信|地方でも東京の企業と直接比較される数少ない業種。
  • 採用計画・採用目標|採用人数だけを決めて動き出すと、途中で何を判断すればいいか分からなくなる。
  • 合同説明会・就職イベント|ブースに座って待つだけでは、知名度のある企業に人が流れる。
  • 女性の採用・定着|制度の有無より、実際に働き続けている先輩がいるかどうかが見られている。

この記事のまとめ

重要なのは、施策を増やすことではなく、うまくいかなかった理由を毎回言葉にして残しておくことである。それがそのまま翌年の採用設計の土台になる。

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この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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