オンライン面接・Web説明会|内製と外注の判断基準
知名度で大手に勝てないことは、採用の前提として受け入れてよい。問題は、知名度がないこと自体ではなく、知名度がないまま同じ土俵で戦おうとしてしまうことにある。
費用で判断しない
オンライン面接・Web説明会を内製にするか外注にするかを費用だけで比べると、たいてい内製が安く見える。担当者の時間が費用として計上されていないためである。
オンラインは移動時間の制約を外すため、地方企業にとっては県外学生に会える手段になる。対面の代替ではなく、接点を増やす道具として使いたい。
継続できるかどうかで決める
判断の基準は、月に何時間確保できるかである。必要な工数に対して時間が足りないなら、内製にした時点で止まることが決まっている。
止まった取り組みは、やっていないのと同じ結果になる。費用を抑えたつもりが、採用できないという最も高いコストを払うことになる。
ここでの話は、あくまで判断の材料である。最終的にどうするかは、自社が確保できる人手と予算のなかで決めることになる。
何を任せて何を残すか
任せるといっても、全部を渡すわけではない。採否の判断は社内に置いたまま、作業だけを外に出すのが基本形である。
対面に切り替える段階を決めているかどうかという部分は、外部に任せても自社の判断が要る。ここを曖昧にしたまま任せると、期待と成果がずれる。
成果報酬という形
固定費として先に払う形は、採れなかった年の負担が重い。採用人数が年に数名の会社では、この振れ幅が経営判断を難しくする。
当社のOfferBox運用代行は完全成果報酬型である。費用が発生するのは入社の承諾に至ったときだけなので、着手の段階では持ち出しがない。
オンライン面接・Web説明会を自社の言葉にする
オンラインは移動時間の制約を外すため、地方企業にとっては県外学生に会える手段になる。対面の代替ではなく、接点を増やす道具として使いたい。
自社の話に落とすときは、通信環境と機材が面接官側で整っている、オンラインでも職場の様子を見せる工夫がある、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、対面に切り替える段階を決めているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「オンライン面接・Web説明会は人事の仕事」という切り分けも、中小企業では機能しにくい。配属先の上長が何を任せたいかを言語化していないと、判断の基準が作れない。
「前任者のやり方を踏襲する」のは安全に見えて、実は理由が分からないまま続けることになる。なぜその手法を選んだのかを確認できないなら、いったん前提を置き直したほうがよい。
「学生の質が下がった」という言い方も、原因の特定を止めてしまう。母集団の質は、対象の設定と伝える内容で決まる。集まる層が変わったなら、変えたのは自社の側である可能性が高い。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 通信環境と機材が面接官側で整っているかどうか
- オンラインでも職場の様子を見せる工夫があるかどうか
- 対面に切り替える段階を決めているかどうか
- 学生側の通信トラブル時の対応を決めているかどうか
項目を埋めた結果は記録に残しておく。翌年の担当者が同じところから考え直さずに済むのは、この記録があるかどうかで決まる。
よくある質問
Q. 社内で優先度が上がりません。
採用の話を人数の話だけで説明すると、経営層には緊急性が伝わりません。採れなかった場合に何が起きるか(どの業務が回らなくなるか)を配属先と一緒に言語化すると、判断が速くなります。
Q. 他社の事例をそのまま真似してもいいですか。
規模・業種・地域が違うと、同じ打ち手でも効き方が変わります。事例は「何をやったか」ではなく「なぜそれを選んだか」を読み取って、自社の条件に翻訳して使うほうが外しません。
Q. 社内に前例がなく、判断がつきません。
前例がないこと自体は障害になりません。決めるべきことを書き出して、仮でよいので置いてしまうほうが前に進みます。置いた前提が違っていたら、次の年に直せば足ります。
あわせて読みたい
- インターンシップ|インターンは会社を知ってもらう場であると同時に、こちらが学生を見極める場でもある。
- 内定者フォロー|内定から入社までの期間は、学生がいちばん不安になる時期。
- 高卒採用|高卒採用は学校を通した独自のルールで動く。
- スカウト文面|文面は長さではなく、なぜあなたなのかが最初の3行に書いてあるかで読まれるかどうかが決まる。
- 採用代行(RPO)|RPOは丸投げの仕組みではない。
- 転勤なし採用|転勤がないことは、地方企業が大手に対して持てる数少ない明確な優位。
この記事のまとめ
採用は担当者の努力だけで決まる仕事ではない。経営の意思決定と現場の協力が要る以上、社内で共有できる形に書き出しておくことが先決になる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964