運輸・物流の求人票の書き方|仕事の中身が伝わる具体の出し方
採用の相談を受けると、多くの会社が手法の話から始める。ところが実際に効くのは、誰に向けて何を伝えるかを決め直すという、手法より前の段階であることが多い。
業種名の説明から始めない
求人票の冒頭で運輸・物流という業種の説明をしても、学生の関心は動かない。知りたいのは、その会社で自分が何をするかである。
仕事内容は、朝から夕方までの流れとして書く。誰と、何を使って、どこまでやるか。この3点があれば読み手は想像できる。
職種ごとに書き分ける
運行管理・倉庫管理・営業をひとつの募集要項にまとめると、どの職種の学生にも刺さらない。手間はかかるが、職種ごとに分けたほうが応募は増える。
分けるときは、職種ごとに「最初の1年で任せること」「3年目に任せること」を書く。成長の見通しが見えると、志望動機が書きやすくなる。
なお、ここで挙げた順番が唯一の正解ではない。すでに手をつけている部分があるなら、そこは飛ばして次に進んでいただきたい。
書きにくい条件こそ先に書く
言いづらい条件ほど、書かずに済ませたくなる。しかしそこを濁した代償は、最終面接の後に払うことになる。
労働集約型と見られがちだが、実際は拠点運営とデータ管理の比重が増えている。旧来のイメージのまま募集すると、本来向いている学生に届かない。
見直しの観点
既存の求人票を点検するなら、次の観点で読み返したい。抽象語を一つ減らして具体を一つ増やす、という作業の繰り返しになる。
- 仕事内容が一日の流れとして書かれているか
- 職種ごとに募集要項が分かれているか
- 勤務地が市区町村まで書かれているか
- 最初の1年と3年目で任せる範囲が書かれているか
- 求める人物像が行動で書かれているか
運輸・物流で募集する職種を分けて考える
運輸・物流が新卒で募集する職種は、運行管理、倉庫管理、営業、物流企画などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえば運行管理と物流企画では、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
労働集約型と見られがちだが、実際は拠点運営とデータ管理の比重が増えている。旧来のイメージのまま募集すると、本来向いている学生に届かない。
よくある誤解
「運輸・物流は学生に人気がないから仕方ない」という前提を置くと、そこから先の打ち手が出てこない。業種のイメージで足切りされているなら、業種名より先に仕事の中身を見せる順番に変えるだけで、読まれ方は変わる。
「仕事は入ってみないと分からない」というのは事実だが、それを理由に説明を省くと、入社後のずれがそのまま早期離職になる。運行管理・倉庫管理それぞれについて、最初の1年で任せる範囲だけでも書いておきたい。
「学生は安定を求めている」という説明も、言葉が大きすぎる。何をもって安定とするかは人によって違い、事業の継続性を指す人もいれば、勤務地が変わらないことを指す人もいる。
自社に当てはめて考える
次の項目は、採用担当だけでは答えられないものを含んでいる。配属先の上長と一緒に確認するほうが早く埋まる。
- 運輸・物流で募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
一度埋めたら終わりではない。翌年の採用が始まる前にもう一度見直すと、前提が変わっている箇所が見つかる。
よくある質問
Q. 同業他社と条件で横並びになってしまいます。
条件で並ぶなら、任される範囲で差をつけるしかありません。入社1年目に何を任せるか、3年目に何を任せるかを具体的に書けると、同じ条件でも見え方が変わります。規模が小さいほど、この部分は書きやすいはずです。
Q. 早期離職が続いています。
受け入れ側の問題として扱う前に、採用時に伝えた情報と実際の仕事にずれがなかったかを確認したいところです。良いことしか伝えていない採用は、必ず入社後に跳ね返ります。
Q. 配属先を約束してもよいのでしょうか。
約束できるなら、それは強い訴求になります。約束できないなら「どう決まるか」を説明するだけでも不安はかなり減ります。曖昧にしたまま進めると、終盤で辞退の理由になります。
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この記事のまとめ
やることを一つ決めたら、いつまでに誰がやるかまで書き出しておきたい。担当と期限のない改善案は、翌年の反省会でもう一度同じ言葉で出てくる。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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