Iターン・Jターン就職|学生にどう伝えるか、具体まで落とす
応募が来ないという相談の大半は、露出の量ではなく対象の設定に原因がある。誰に向けた募集なのかが決まっていないと、どれだけ露出を増やしても素通りされる。
抽象語では伝わらない
「暮らしやすい」「働きやすい」といった言葉は、学生の判断材料にならない。どの会社も同じことを書いているためである。
縁のない土地を選ぶ学生は、仕事より暮らしから入ることが多い。伝える順番を変える必要がある。
数字と場面で書く
通勤何分、家賃いくら、休日に何ができるか。ここまで落として初めて、比較の材料として機能する。
勤務地周辺の生活情報を用意しているかどうかという点も、金額や頻度まで書くと印象が変わる。制度の有無だけでは伝わらない。
同じ打ち手でも、業種と地域が変われば効き方が変わる。うまくいかなかったときに手法のせいにする前に、前提が自社と合っていたかを見直したい。
不利な情報も出す
書きにくい条件を伏せておくと、選考の終盤で辞退の理由になる。先に出せば対象は絞られるが、歩留まりは上がる。
出し方には工夫がある。事実を並べ、それに会社がどう向き合っているかを添えると、正直さと配慮の両方が伝わる。
書く場所
求人票、採用ページ、スカウト、面接。接点のどこで聞いても同じ内容になっている状態を目指したい。
場所によって書いてあることが違うと、学生は不安になる。まず一箇所に正しく書いて、他はそこを参照する形にするのが扱いやすい。
Iターン・Jターン就職を自社の言葉にする
縁のない土地を選ぶ学生は、仕事より暮らしから入ることが多い。伝える順番を変える必要がある。
自社の話に落とすときは、仕事より先に暮らしの条件を説明できている、勤務地周辺の生活情報を用意している、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、住まいの確保を会社として支援できるも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「構造の問題だから自社にできることはない」という結論は、少し早い。構造そのものは変えられないが、その構造のなかで自社がどう見えるかと、誰に情報を届けるかは変えられる。
「移住や住まいの支援は費用がかかりすぎる」と考える前に、どこまでなら負担できるかを金額で出してみたい。全額でなくても、金額と条件が明示されていること自体が安心材料になる。
「地域の魅力を伝えれば来てくれる」というのも単純すぎる。地域の話が会社の話にすり替わっていると、結局その会社で働く理由が伝わらない。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 仕事より先に暮らしの条件を説明できているかどうか
- 勤務地周辺の生活情報を用意しているかどうか
- 住まいの確保を会社として支援できるかどうか
- 地縁のない社員が孤立しない仕組みがあるかどうか
項目を埋めた結果は記録に残しておく。翌年の担当者が同じところから考え直さずに済むのは、この記録があるかどうかで決まる。
よくある質問
Q. このテーマは自社にも当てはまりますか。
地域や業種によって影響の大きさは変わります。昨年の選考で、このテーマに関わる理由の辞退があったかどうかを確認するのが、いちばん確実な判断材料になります。
Q. 会社単独では変えられない話ではないですか。
構造そのものは一社では変えられません。変えられるのは、その構造のなかで自社がどう見えるかと、誰に情報を届けるかです。打ち手はこの2つに絞って考えるほうが現実的です。
Q. 同業他社も同じことを言っています。
同じ言葉を使っていても、具体の粒度で差がつきます。制度の有無ではなく金額と条件、雰囲気ではなく実際の一日。ここまで落とせている会社は多くありません。
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この記事のまとめ
全部を一度にやる必要はない。この記事のなかで、自社がまだ手をつけていないものを一つだけ選んで、次の採用シーズンの頭に置いてみてほしい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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