1. 地方採用ラボ
  2. 業種から探す
  3. IT・情報通信
  4. IT・情報通信の初任給と待遇設計|金額以外で比較される軸を作る

IT・情報通信の初任給と待遇設計|金額以外で比較される軸を作る

採用がうまくいっている会社が特別なことをしているとは限らない。社内では当たり前になっていることを、外から見て分かる言葉に直せているかどうかの差であることが多い。

入口で足切りされない水準を確保する

初任給は、応募するかどうかの入口では強く効くが、入社を決める段階では思ったほど効かない。足切りされない水準を確保し、決め手は別に用意するという設計になる。

IT・情報通信の場合、同業他社との比較になりやすい職種と、業種をまたいだ比較になる職種が混在する。エンジニアと社内SEで、意識すべき相場が違うことがある。

3年後の見通しを書く

学生が本当に知りたいのは、3年後・5年後にどうなっているかである。多くの募集要項は初任給で止まり、その先が書かれていない。

3年目の年収、評価のものさし、昇給の頻度。この3点があれば十分である。整備中なら「整備中」と書くほうが、曖昧にぼかすより信用される。

同じ打ち手でも、業種と地域が変われば効き方が変わる。うまくいかなかったときに手法のせいにする前に、前提が自社と合っていたかを見直したい。

手当は金額と条件をセットで

住宅手当や資格手当は「あり」とだけ書くと、金額が小さいと受け取られる。月額いくら、誰が対象、いつまで支給されるか。ここまで書いて初めて判断材料になる。

地方でも東京の企業と直接比較される数少ない業種。開発環境・扱う技術・リモートの可否という具体で語らないと、給与だけの比較になってしまう。

生活コストを含めて示す

地方勤務であれば、家賃や通勤にかかる費用は都市部と違う。額面が下回っていても手元に残る額では逆転することがあるが、この計算を学生が自分ですることはない。

周辺の家賃相場と自社の住宅支援額を並べて書くだけで、額面の比較とは別の土俵が作れる。

IT・情報通信で募集する職種を分けて考える

IT・情報通信が新卒で募集する職種は、エンジニア、社内SE、Webディレクター、営業などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。

たとえばエンジニアと営業では、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。

地方でも東京の企業と直接比較される数少ない業種。開発環境・扱う技術・リモートの可否という具体で語らないと、給与だけの比較になってしまう。

よくある誤解

「IT・情報通信の仕事は入ってみないと分からない」という説明は、聞く側からすると判断を放棄されたように映る。一日の流れと、最初の1年で任せる範囲だけでも書いておきたい。

「求人票は法務的に問題がなければよい」という扱いをしている会社は多い。読んで応募するかどうかを決める文書なので、条件の羅列で終わらせると比較の土俵に乗らない。

「内定を出せば終わり」という感覚も危うい。内定から入社までの数か月は学生がいちばん不安になる時期で、放置すれば他社に流れる。

自社に当てはめて考える

ここからは自社の話になる。社内で答えが揃わない項目があれば、そこが手をつける場所だと考えてよい。

  • IT・情報通信で募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
  • 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
  • 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
  • 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか

一つ選んだら、次の採用シーズンが始まる前に片づけておきたい。始まってからでは、日々の対応に追われて手をつけられなくなる。

よくある質問

Q. 技術職と事務職で、採用の進め方は変えるべきですか。

変えたほうがよいです。エンジニアと社内SEでは、学生が比較する相手も、判断の軸も違います。募集要項・接点の作り方・面接で見る項目を、職種ごとに分けて設計したいところです。

Q. 配属先を約束してもよいのでしょうか。

約束できるなら、それは強い訴求になります。約束できないなら「どう決まるか」を説明するだけでも不安はかなり減ります。曖昧にしたまま進めると、終盤で辞退の理由になります。

Q. 未経験でも採れる仕事かどうか、どう伝えればいいですか。

入社後1年目に任せる範囲と、そこに至るまでの教育の流れを書くのが分かりやすい形です。「未経験歓迎」という言葉だけでは、何をどこまで教えてもらえるのかが伝わりません。

あわせて読みたい

  • 建設・土木|資格取得の支援と、休日・残業の実態をどこまで正直に書けるかが応募の分かれ目になる。
  • 卸売・商社|扱う商材が学生に伝わりにくく、「何をしている会社か分からない」で終わりやすい。
  • 士業・コンサルティング|資格取得支援と、未経験からの育成計画をどこまで具体化できるかで応募が決まる。
  • リファラル採用・社員紹介|社員紹介は無料で使える手段だが、制度がないまま呼びかけても動かない。
  • 既卒・第二新卒|新卒だけで枠を埋めようとして未充足になるくらいなら、既卒・第二新卒を対象に含めたほうが早い。
  • スカウト運用のKPI|送信数だけを追うと文面の質が落ちる。

この記事のまとめ

今年の採用で分かったことを、来年の担当者が読める形にして残す。これをやっている会社とやっていない会社の差は、3年も経てば埋めがたいものになる。

初任給待遇設計IT・情報通信業種から探す

この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964