選考フローの設計|場面ごとの考え方
学生は会社を知らないのではなく、そもそも選択肢として認識していない。認識されていない状態から始める以上、こちらから名指しで声をかける手段が要る。
着手したばかりの場合
選考フローの設計にこれから取り組む段階では、精度より着手の早さを優先したい。完成形を目指すほど動き出しが遅れる。
まず各段階で学生に何を伝えるかが決まっているかどうかという点だけを決めて、動かしながら他を埋めていくほうが早い。
一度やってみて成果が出なかった場合
前回うまくいかなかった理由を言葉にできているかどうかが分かれ目になる。言語化できていないまま同じことを繰り返すと、同じ結果になる。
選考が長い会社は、それだけで辞退される。日数を短くするのではなく、どの段階に何を判断させるかを決めることで自然と短くなる。
なお、制度やサービスの仕様は変わる。この記事の内容は考え方の部分を中心にしているが、具体的な手続きは必ず一次情報で確認してほしい。
担当者が代わった場合
引き継ぎで抜け落ちるのは理由のほうである。実施した内容は残っていても、なぜその選択をしたかは書かれていない。
前任者に確認できるうちに、判断の背景を聞いておきたい。聞けないなら、いったん前提を置き直して小さく始めるほうが安全である。
採用人数を増やすことになった場合
人数が増えると、これまでのやり方がそのままでは回らなくなることが多い。手法を増やすか、工数を増やすか、外に出すかの判断が要る。
判断の基準は、担当者が確保できる時間である。時間が増えないなら、手法を増やすのではなく外に出すほうが現実的になる。
選考フローの設計を自社の言葉にする
選考が長い会社は、それだけで辞退される。日数を短くするのではなく、どの段階に何を判断させるかを決めることで自然と短くなる。
自社の話に落とすときは、各段階で何を判断するかが文章になっている、各段階で学生に何を伝えるかが決まっている、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、面接から結果連絡までの日数が決まっているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「成果が出るまで続けるべき」という考え方も、無条件には正しくない。合わないものを続けるより、合わないと分かった段階で早く手を引くほうが、結果的に採用人数は増える。
「数字で管理するのは大企業の話」というのも誤解である。記録するのは複雑な指標ではなく、手法ごとに何人採れたかという単純な数字でよい。これがないと、翌年また同じところから考え直すことになる。
「学生の質が下がった」という言い方も、原因の特定を止めてしまう。母集団の質は、対象の設定と伝える内容で決まる。集まる層が変わったなら、変えたのは自社の側である可能性が高い。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 各段階で何を判断するかが文章になっているかどうか
- 各段階で学生に何を伝えるかが決まっているかどうか
- 面接から結果連絡までの日数が決まっているかどうか
- 選考の流れを学生に先に伝えているかどうか
埋まっていない項目が多いときほど、全部を一度に片づけたくなる。しかし同時に動かすと、どれが効いたのか分からなくなる。一つずつ変えたい。
よくある質問
Q. 選考フローの設計に、どのくらいの時間をかけるべきですか。
確保できる時間を先に決めて、その時間で回る量に合わせるのが原則です。逆に、やることに合わせて時間を捻出しようとすると、繁忙期に止まります。止まった取り組みは、やっていないのと同じ結果になります。
Q. 小さく始めるとして、どこまで小さくていいですか。
1週間で終わる規模まで落として構いません。やってみて分かることのほうが多く、準備に時間をかけるほど着手が遅れます。小さく始めて、続けられる量を確かめてから広げるのが安全です。
Q. 取り組んでも社内が変わりません。
採用担当だけで抱えている可能性があります。配属先の上長を巻き込んで、どんな人を何人受け入れるかを一緒に決めるところからやり直すと、協力も得やすくなります。
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この記事のまとめ
一年で結果が出なくても、積み上げたものが消えるわけではない。学校との関係も、社内の言語化も、翌年の起点として残る。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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