電力・ガス・インフラの新卒採用計画|人数の前に決めること
採用がうまくいっている会社が特別なことをしているとは限らない。社内では当たり前になっていることを、外から見て分かる言葉に直せているかどうかの差であることが多い。
配属と役割を先に決める
採用人数だけを決めて動き出すと、求める人物像も決まらず、面接での判断もぶれる。どの部署に配属し、何を任せるかを先に決めたい。
電力・ガス・インフラであれば、設備管理・技術・営業のどの職種を何人採るかまで落とす。職種が決まると、必要な母集団も手法も自動的に決まってくる。
逆算してスケジュールを引く
起点は入社日である。そこから内定・選考開始・接点づくりの順に遡ると、今月やるべきことが決まる。
大手と同じ時期に動くと比較されたときに不利になる。前倒しするか、秋以降の層を狙うか。意図を持って時期をずらしたい。
同じ打ち手でも、業種と地域が変われば効き方が変わる。うまくいかなかったときに手法のせいにする前に、前提が自社と合っていたかを見直したい。
手法ごとに目標を割り振る
必要な内定承諾数から逆算して、各段階で何人必要かを出す。実績がないなら仮の数字でよい。置かないと、足りているかどうかが分からない。
安定というキーワードだけで語ると、同じ土俵の企業と区別がつかなくなる。再生可能エネルギーや設備更新など、これから増える仕事を示したい。
計画に入れておく項目
最低限まとめておきたいのは次の項目である。
- 職種ごとの採用人数と配属先
- 入社時期から逆算したスケジュール
- 各段階の目標人数(母集団・応募・面接・内定・承諾)
- 使う手法と、手法ごとの目標人数
- 予算と、担当者が確保できる時間
- 進捗を確認する時期と判断基準
電力・ガス・インフラで募集する職種を分けて考える
電力・ガス・インフラが新卒で募集する職種は、設備管理、技術、営業、保安などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえば設備管理と保安では、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
安定というキーワードだけで語ると、同じ土俵の企業と区別がつかなくなる。再生可能エネルギーや設備更新など、これから増える仕事を示したい。
よくある誤解
「条件を良くすれば採れる」という考え方も、思ったほど当たらない。初任給は応募するかどうかの入口では強く効くが、入社を決める段階では決め手にならないことが多い。入口で足切りされない水準を確保したうえで、決め手は別に用意する設計になる。
「若手が定着しないのは世代の問題」という説明は、原因の特定を止めてしまう。採用時に伝えた情報と実際の仕事にずれがなかったかを確認するほうが、次の打ち手につながる。
「求人票は法務的に問題がなければよい」という扱いをしている会社は多い。読んで応募するかどうかを決める文書なので、条件の羅列で終わらせると比較の土俵に乗らない。
自社に当てはめて考える
次の項目は、採用担当だけでは答えられないものを含んでいる。配属先の上長と一緒に確認するほうが早く埋まる。
- 電力・ガス・インフラで募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
確認した内容は、配属先の上長にも共有しておきたい。採用担当だけが把握している状態だと、判断が必要になったときに止まる。
よくある質問
Q. 職種ごとに募集要項を分ける必要はありますか。
分けたほうが応募は増えます。設備管理・技術・営業では、学生が比較する相手も判断の軸も違います。ひとつにまとめると、どの職種の学生にも刺さらない文章になります。
Q. 現場が採用に協力してくれません。
人事だけで決めた計画は、現場の協力を得にくくなります。配属先の上長を計画づくりの段階から巻き込み、どんな人を何人受け入れるかを一緒に決めるほうが、面接への協力も得やすくなります。
Q. 求人票に残業時間まで書く必要がありますか。
書いたほうが結果的に得になります。伏せておくと入社後に跳ね返り、早期離職という形で採用コストに戻ってきます。実態を書いたうえで、会社としてどう向き合っているかを添えるのが扱いやすい形です。
あわせて読みたい
- 食品・飲料|地方に本社を置く企業が多く、地元での知名度は高いのに学生には「工場の仕事」としか見えていないことが多い。
- 化学・素材|装置産業のため勤務地が限られ、通勤・住まいの条件が志望度を大きく左右する。
- 印刷・紙・包装|紙の印刷だけの会社と見られると、市場が縮小している業界と受け取られる。
- 母集団形成|母集団は「多く集める」ものではなく「対象を決めてから集める」もの。
- 高卒採用|高卒採用は学校を通した独自のルールで動く。
- 採用データ・KPI管理|振り返りができない採用は、毎年ゼロから始めることになる。
この記事のまとめ
一年で結果が出なくても、積み上げたものが消えるわけではない。学校との関係も、社内の言語化も、翌年の起点として残る。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964