電力・ガス・インフラが求める人物像をどう決めるか|面接で評価がぶれないために
人手が足りないから採用する、という順番で動くと、必ず急いで決めることになる。急いだ採用は入社後にずれが出やすく、翌年また同じことを繰り返す。
理想像から作るとぶれる
電力・ガス・インフラの企業でよくあるのは、人物像が職種と切り離されて決まっているケースである。設備管理と技術では必要な資質が違うのに、同じ基準で面接すると評価が混乱する。
出発点に置くのは、実在する社員である。いま活躍している人が入社時点で何を持っていたかを振り返るほうが、理想像を議論するより早い。
行動で書く
書き方を行動に変えるだけで、面接の質問が決まる。「主体性がある」では確かめようがないが、「自分から段取りを提案した経験がある」なら聞ける。
項目は4つまでに絞る。増やすほど面接官は全体の印象で埋めるようになり、結局は好き嫌いで決まってしまう。
ただし、これは一般的な傾向であって、自社の業種・地域・過去の採用実績によって最適解は変わる。数字を持っている会社は、必ず自社の実績を優先して判断してほしい。
外していい条件を決める
人物像と同じくらい大事なのが、「これは求めない」と決めることである。学部、資格、経験。外してよい条件を外すと、母集団は一気に広がる。
安定というキーワードだけで語ると、同じ土俵の企業と区別がつかなくなる。再生可能エネルギーや設備更新など、これから増える仕事を示したい。
社内で像を揃える
共有の仕方にはこつがある。定義文を配っても解釈は割れるが、社内の誰かを名指しすれば、全員が同じ人を思い浮かべられる。
面接後に評価が割れたときは、人物像の解釈がずれている合図である。その場で議論して、言葉を直しておきたい。
電力・ガス・インフラで募集する職種を分けて考える
電力・ガス・インフラが新卒で募集する職種は、設備管理、技術、営業、保安などに分かれる。同じ会社の募集でも、職種が違えば競合も、学生が比較する軸も変わる。
たとえば設備管理と保安では、学生が見ている条件も、入社後に求められる資質も異なる。ひとつの募集要項にまとめると、どちらの層にも届かない文章になりやすい。
安定というキーワードだけで語ると、同じ土俵の企業と区別がつかなくなる。再生可能エネルギーや設備更新など、これから増える仕事を示したい。
よくある誤解
「電力・ガス・インフラは学生に人気がないから仕方ない」という前提を置くと、そこから先の打ち手が出てこない。業種のイメージで足切りされているなら、業種名より先に仕事の中身を見せる順番に変えるだけで、読まれ方は変わる。
「電力・ガス・インフラの仕事は入ってみないと分からない」という説明は、聞く側からすると判断を放棄されたように映る。一日の流れと、最初の1年で任せる範囲だけでも書いておきたい。
「採用サイトにお金をかければ応募が来る」という期待も外れやすい。見た目より、仕事内容・条件・選考の流れ・社員の実例が揃っているかどうかで判断されている。
自社に当てはめて考える
ここからは自社の話になる。社内で答えが揃わない項目があれば、そこが手をつける場所だと考えてよい。
- 電力・ガス・インフラで募集する職種ごとに、募集要項が分かれているかどうか
- 入社1年目と3年目に任せる範囲が書かれているかどうか
- 勤務地と通勤手段が具体的に書かれているかどうか
- 選考の流れと所要日数を学生に先に伝えているかどうか
一つ選んだら、次の採用シーズンが始まる前に片づけておきたい。始まってからでは、日々の対応に追われて手をつけられなくなる。
よくある質問
Q. 職種ごとに募集要項を分ける必要はありますか。
分けたほうが応募は増えます。設備管理・技術・営業では、学生が比較する相手も判断の軸も違います。ひとつにまとめると、どの職種の学生にも刺さらない文章になります。
Q. インターンをやるべきでしょうか。
目的が決まっているならやる価値があります。認知を広げるためなのか、こちらが見極めるためなのかで、内容も期間も変わります。決めないまま始めると職場見学の域を出ず、工数だけがかかります。
Q. 技術職と事務職で、採用の進め方は変えるべきですか。
変えたほうがよいです。設備管理と技術では、学生が比較する相手も、判断の軸も違います。募集要項・接点の作り方・面接で見る項目を、職種ごとに分けて設計したいところです。
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- 製造業|工場の立地がそのまま勤務地になるため、通勤圏の説明を省くと終盤で辞退が出る。
- 食品・飲料|地方に本社を置く企業が多く、地元での知名度は高いのに学生には「工場の仕事」としか見えていないことが多い。
- 教育・保育|志望度の高い学生が集まりやすい一方、待遇面で他業種と比較された瞬間に離れる。
- 求人票・募集要項の書き方|求人票は条件の一覧ではなく、読んだ人が自分の一日を想像できる文章であるべき。
- 内定者フォロー|内定から入社までの期間は、学生がいちばん不安になる時期。
- 応募者管理と選考の可視化|高機能なツールを入れる前に、いま誰がどの段階にいるかを一枚で見られる状態を作るほうが先。
この記事のまとめ
一年で結果が出なくても、積み上げたものが消えるわけではない。学校との関係も、社内の言語化も、翌年の起点として残る。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
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