スカウト運用のKPI|地方の中小企業が押さえる基本
求人を出せば応募が来た時代の設計のまま、媒体だけを増やしている会社は多い。工数は増えるのに結果が変わらないのは、やり方ではなく前提が古いためである。
この記事で扱うこと
送信数だけを追うと文面の質が落ちる。開封・返信・面談・選考進出を分けて見ることで、どこが詰まっているかが分かる。
スカウト型の採用は、求人を出して待つ形と前提がまったく違う。掲載型の感覚のまま始めると、途中で止まることが多い。
地方企業にとっての意味
知名度に頼らず、会いたい学生へ直接情報を届けられる。地方の中小企業にとっては、規模の差を打ち消せる数少ない手段になる。
加えて、県外に進学した学生にも同じ手間で声をかけられる。移動を伴わずに接点を作れるぶん、距離のハンデが最初の接点からは消える。
前提として、採用手法に万能なものはない。合わないものを続けるより、合わないと分かった段階で早く手を引くほうが、結果的に採用人数は増える。
押さえておく観点
手を動かす前に、以下を確認しておきたい。
- 送信数以外の指標を持っているかどうか
- 段階ごとの歩留まりを出せるかどうか
- 記録する項目を判断に使うものだけに絞れているかどうか
- 振り返りの周期が決まっているかどうか
最初の一歩
完成形を目指さず、少数に送って反応を見ながら文面と条件を直すほうが早い。最初から精度を求めないことが、結果的に精度を上げる。
週に確保できる時間を先に決めて、その時間で回る量に合わせる。無理な量で数週間で止まるより、少ない量を半年続けるほうが成果は出る。
スカウト運用のKPIを自社の言葉にする
送信数だけを追うと文面の質が落ちる。開封・返信・面談・選考進出を分けて見ることで、どこが詰まっているかが分かる。
自社の話に落とすときは、送信数以外の指標を持っている、段階ごとの歩留まりを出せる、この二つから確認するのが早い。ここが曖昧なままだと、どの手法を選んでも判断の基準が作れない。
あわせて、記録する項目を判断に使うものだけに絞れているも見ておきたい。ここは後回しにされやすいが、翌年に同じ議論を繰り返すかどうかの分かれ目になる。
よくある誤解
「スカウトは数を送れば当たる」という前提で始めると、たいてい途中で止まる。送信数を目標にすると個別化の手間が削られ、返信率が落ちるという逆の結果になりやすい。
「文面が良ければ返信は来る」というのも一面的である。開封されていないなら件名の問題で、本文をどれだけ磨いても届かない。どの段階で落ちているかを分けて見たい。
「一度型を作れば運用は楽になる」というのも、部分的にしか当たらない。学生の動きは年ごとに変わるので、型は毎年見直す前提で持っておきたい。
自社に当てはめて考える
読んだ内容を実際に動かすには、自社の現状を確認しておく必要がある。次の項目に答えられるかどうかを見てほしい。
- 送信数以外の指標を持っているかどうか
- 段階ごとの歩留まりを出せるかどうか
- 記録する項目を判断に使うものだけに絞れているかどうか
- 振り返りの周期が決まっているかどうか
項目を埋めた結果は記録に残しておく。翌年の担当者が同じところから考え直さずに済むのは、この記録があるかどうかで決まる。
よくある質問
Q. 何人に送ればいいですか。
必要な内定承諾数から逆算して、返信率と面談率の見込みを置くと、おおよその本数が出ます。実績がないうちは仮の数字で構いません。置かないと、足りているのかどうかが分からないまま時間が過ぎます。
Q. 勤務地が地方であることは、いつ伝えるべきですか。
最初の文面で伝えます。伏せたまま面談まで進めても、そこで辞退されるだけです。先に出せば対象は絞られますが、残った学生の歩留まりは上がります。
Q. 代行に任せると社内にノウハウが残らないのでは。
判断を自社に残していれば残ります。誰を採るか、どの条件で絞るか、何を伝えるかを自社で決めて、手を動かす部分だけを任せる形なら、運用の勘所は社内に蓄積されます。
あわせて読みたい
- 開封率・返信率の改善|開封されない原因と、開封されたのに返信がない原因はまったく別。
- OfferBox運用代行|運用代行は工数を外に出すことが目的ではなく、毎週まわし続ける状態を作ることが目的。
- ダイレクトリクルーティング|求人を出して待つのではなく、こちらから個別に声をかける採用手法。
- リファラル採用・社員紹介|社員紹介は無料で使える手段だが、制度がないまま呼びかけても動かない。
- 親の理解(オヤカク)|地方の新卒採用では、保護者の理解が結果を左右する。
- 高卒採用|高卒採用は学校を通した独自のルールで動く。
この記事のまとめ
最後に残るのは、学生に対して正直だったかどうかである。伝えにくいことを先に伝えた会社は、採用人数が少なくても入社後に崩れにくい。
この記事は、株式会社エージェントベストが新卒採用の支援で得た知見をもとに構成した実務向けの解説です。特定の企業の事例や、年によって変動する統計値は扱っていません。制度・市況・各サービスの仕様は変わりますので、実際の判断にあたっては一次情報をご確認ください。
株式会社エージェントベスト/有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-316964